上 下
51 / 167
第二章 二度目の異世界

元英雄 何故か牢屋に入る

しおりを挟む

「1人の剣士ですか?」

「そう、私が直接見たわけではないから
 分からないが、多数のドラゴンを同時に
 相手にしたうえに無傷で倒された。………」


 そんなすごいやつが………自分が知る限り
そんなの魔王クラスの強さじゃないと
無理なんじゃないか?


「ただ可笑しなことがある。その男は
 同胞のドラゴンを誰1人として、
 致命傷を与えていない。
 つまり生かされた。
 同胞の皆が生きていたことは嬉しいが、
 正直モヤモヤした気分さ!」

「確かに変ですね。
 つまり手加減されたと言うこと」

「そう言うことです」


「リョウガさん、さっきスルネさんが
 何かを盗まれたって言ってましたけど
 何を取られたんですか?」

「は~それなんだよ。困りました。」
リョウガさんが見せたことがないくらい
顔を歪ませた。
 
「盗まれたのは『魂の勾玉』です。」

「………何ですかそれ?」

「私も実は詳しきないんですが、
 とある蛇龍の魂が封印されていると
 言われています」

「なんかやな感じですね。
 そいつは盗んでどうするつもり
なのか?」

「それは分からないが、
 絶対に取り返さないといけない」

「だがその前にどうやら数人の
 同胞がバカやろうと村を出たら
しくてな」

「ギロ」っとスルネを見る。
 スルネは視線に気づきビシッと
背筋を伸ばし直立不動となり再度
冷や汗をかく。

「と言う訳で、ゆっくりと話を
したいんですが、止めにいかないと」
リョウガさんはお辞儀をしてスネルの
もとに行きスネルを人蹴り入れてから、
スネルに乗って飛んでいった。


「……………あれこの後
 どうすればいいんだ!ここどこだ!」

八雲はスネルにかなり飛ばされた。
どこにいるかさっぱり分からない

「何にしても戻らないとな
 心配かけてるだろうな~」

八雲がボケ~と考え事していると

「確保~」四方から同時に声がかかる

『火』『水』『風』『土』

          『四属性結界』


四つの属性の柱が立ち上った。

「あれ!?何か俺囲まれてな~い」

1人に男が近づいてくる。

「逃げられはしないぞ!
 大人しく投降願おう!」

「あの~何で捕まらないといけないん
ですか?」
質問した瞬間「ガシャン」

「うん!?」
 八雲の腕に手錠みたいなものが
付いていた。

「拘束完了しました」

先ほどの男の横に別の男が現れ報告

「ドラゴンですら引きちぎることの
出来ない魔術で生成したウロボロスの
手錠です」

「良くやった。下がれ」
スーと男は消えた。

「それでは話をしようじゃないか」

 男はなかなかの体格で騎士のような
装備をしている。ただ装飾品は聖職者を
思わせた。

「私はホーリー騎士団団長のバッカスだ!
 貴様は一体何が目的だ?」



『ホーリー騎士団』
神ガイアを崇拝する宗教国家アルクを守る
特別な騎士、特に守りに関しては鉄壁で
他の国や魔物の侵入を絶対に許さない
強者揃い。


「特に目的はないんですけど!
 さっきの闘いには巻き込まれただけです」

 リョウガさん達の案件を無闇に話すと
訳がわからなくなりそうだし、
俺は普通の人だから知らないでいける
だろう。

「ふ~ん、どうやら素直に話すつもりは
 ないようだな」

「え!?何でそうなるんですか」

「それは、俺のギフト「ライア」が
お前が嘘をついているか判断してくれる
からだ!」

「……………う~んヤバ!」


……

現在牢屋の中である、俺は無実だ~

「貴様、不振な動きをするなよ」

 監視人が何人もいるが、
どうやらビビっているようだ。
恐らく僕のことをドラゴンだと
思っている。

「お、大人しくしてるな。えらいえらい」

最初にあったバッカスと言う男が現れた。

「バッカスさんそろそろ出して
くれません?」

「そう言う訳にはいかねいよ。
 だってお前怪しいもん」

「それはさっきの嘘付きましたけど、
  怪しくないですよ。悪いこと
しません」

「本当か~」
バッカスは八雲をジィ~と見る。
バッカスは笑顔になり

「そうか、名前なんて言うんだ」

「八雲です」

「八雲お前は暫くそこで待機だ、
我慢しろ」

「ガーン!Σ( ̄□ ̄;)」
 八雲は今の雰囲気とバッカスの
ギフトからすぐ出してくれると
思っていた。

暫くするとまた誰か来た。
今度は初老の男で随分と豪華な格好だ
一応聖職者か?

「こいつが例の男か?
  私は教会で司祭を勤めている
 ヤーガイと言う。お前に話が
あってきた」

 ヤーガイは監視人を下がらせ話を
しだした。

「話?ドラゴンの件か?」

「良い話がある。私の部下にならんか!」

「部下?何を言ってるんですか?」

「な~に勿論ただとは言わん、
 良い思いをさせてやる。」

勧誘されているみたいだが、
何をしたいんだこいつ

「ヤーガイ司祭、悪いんだが
 僕はドラゴンじゃないから
 何をさせたいかは知らないが、
 お役に立てないよ」

「嘘はいかんよ、目撃者の情報で
ドラゴンと会話をしている姿は
確認済みだ!しかもエンシェント
ドラゴンだ!これ程の力をみすみす
逃す訳にはいかんのだよ」

「あ、いや、本当違うんですよ!」

「ま~良いここからは逃げることは出来ん
 ゆっくりと考えるのだな。アッハハハ」

ヤーガイ司祭は笑いながら出ていった。

「いるんだよね~どこの国にも
野心家さんが良からぬこと考えて
いそうだよ」


……

「腹へった~」
僕のことをドラゴンと思っているのか
一向に飯を持ってこない。
ドラゴンなら一週間くらいは
訳なく活動できる。

「僕は人間だぞ~」
独り言がついでてしまう。


「おう、待たせたな」
バッカスが飯を持ってきた。

「お~ご飯~」

「悪かったな、遅くなった」

バッカスがご飯をくれた。

「ありがとうバッカスさん
 危なく餓死するとこでしたよ!」

「いやいや礼は不要だ、牢屋に閉じ込めて
 悪いな。簡単には出すことができなくてな
 ドラゴンの可能性があれば国の危機だ
 国を滅ぼした話は良くあるしな」

「でも、僕が、ドラゴンじゃないのは
 バッカスさんのギフトでわかったでしょ」

「それはそうなんだが、一度疑うと
簡単にはな、ドラゴンと話している。
目撃情報もあるし」

「そうですか」
 確かにドラゴンなんてでたら
国の危機だからな~

「それに今タイミングが悪くてな~
 この国に聖女様が来てるだ」


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。

曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」 「分かったわ」 「えっ……」 男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。 毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。 裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。 何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……? ★小説家になろう様で先行更新中

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

好きでした、さようなら

豆狸
恋愛
「……すまない」 初夜の床で、彼は言いました。 「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」 悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。 なろう様でも公開中です。

処理中です...