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第二章 二度目の異世界

元英雄 ドラゴンと対峙する。

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「人間と話すことなどない!!」

「ま~まー~エンシェントドラゴンとも
あろう者が、そんな余裕がないこと
言わないっすよね」

「人間、我を愚弄するつもりか!!」
 エンシェントドラゴンから恐ろしい
怒気を感じる。その辺のドラゴンとは
格が違うな。

「そんなつもりはないよ!
ただ突然人間の町を襲うのは
了承できないよ!
 何故あんなことをしたんだ」

「それを貴様が言うか!人間よ、
我らの聖域を汚した人間が~」

「!?、人間があなた達の聖域を?
そんな馬鹿な人間がそんなことする
わけがないだろ?」

「事実だ、我らの聖域に土足で入りこみ
多くの同胞を傷つけ、さらに宝具まで
持ち出すとはもう許すことは出来ん」

 そんな馬鹿な!?そもそも聖域に
乗り込んでエンシェントドラゴンと
対峙できるやつなんて、そうそういないぞ。
でも嘘を付いているようにも
見えないし……………

「覚悟しろ人間!!」

 ドラゴンは八雲に突撃、爪で引き
裂こうと腕を振る。

八雲はシルフを呼び、地面に突風をぶつけ、
砂を巻き上げ姿を隠す。ドラゴンの爪は
空を切り八雲を消失、探すように
振り向くと砂塵が目の前に現れ目を
瞑るが間に合わず視界を確保出来なく
なる。

「くそ~小癪な手を使いおって」

「すいません、簡単に止める方法が
すぐに思い付かなくって、砂って
目に入ると痛いんだなこれが………」

「我を舐めるなよ。目が見えなくとも」
 ドラゴンは真上に100m程上がりオーラを
 高める。ドラゴンの皮膚が赤く変化

「死ね人間」
『オーラエクスプロージョン』

瞬間周辺に白い光が立ち込めた。


……

 山の周辺は瓦礫の山と化した。
ドラゴンは
ゆっくりと降り立ち、ニヤリと笑った。



「危ないな~シルフの盾でなんとか
防げたわ~」


「!?」「ど、どこだ~何故生きている」
 目が見えないドラゴンは首を
グワングワン振る。

「さてどこでしょう。
 気配で探れば~わからないだろうけど!」

「わからん、わからん何故だ~」

「ではお答えしましょう。
貴方程の方なら感覚器官が相当優れて
いるので目が見えなくても大体の
ことはわかるんでしょうが、
今、自分がやってるのは自分から
出している音に対して風魔法の応用で
同じ音の振動を周囲からあてて
相殺することで、気配を消すことが
できます。これは人間の感覚では
なかなかできませんが、精霊である
シルフなら造作もなくできるのです。
終わり!!」

「つまり気配で探るのは困難だと?」

「その通りです!!
 すいませんが降参してくれませんか?」

「するわけなかろう!我を誰だと
思っておる。この程度で負けを
認めるなど断じて出来ん」

「でもですね。攻撃当てる術
あるんですか?」

「……………………ガア~」
ドラゴンは今度は適当に攻撃し始めた。

「おいおい暴走しやがった。
 くそ~思いっきり黙らせないとダメか?」

「おい、スネル何をしている!」
突如声が周辺に広がる。

「!?」ドラゴンは突如直立不動になる。

 ドラゴンって背筋伸ばすとすげー
違和感があるな~と別ごとを考える八雲

 ドラコンは「ギリギリ」と音を出し
ゆっくりと振り向くと、そこには
メガネを掛けた頭が良さそうな
30代くらいの男が立っていた。
 

「リョウガさん?なんでここに?」

「うん、なんでかわかんねいか!
 それはな~お前が心配でよ~………」
少し言葉溜める

「リョウガさん……………」
  スネルは目をウルウルさせて
 感動しているようだが


 見た目からは考えられない
ドスの効いた声で

「よそ様でやらかしてないかよ!!!~」

時が止まったかのようにスネルが固まる。
リョウガがスネルを見上げるとスネルは
ダラダラと大量の汗を流し青ざめる。

「な~俺は村の全員に言ったはずだよな~
 早まったまねをするなと」

リョウガサから怒気が放たれ、
スネルの足がガタガタ震え始める。
このままだと漏らし大洪水、
洒落にならないので、

「リョウガさんそのくらいでいいん
じゃないですか」
 八雲が声をかけるとリョウガは
ニコリと笑い

「八雲君が言うならそうしますかね。
スネル私は八雲君とお話をしますので、
少し離れて待っていなさい」

「はい~了解しました~」
スネルはビューと飛び立ち離れて
いった。………どこまで離れるんだ?
ま、いっか………

「八雲君、お久しぶりですね。
 本当に心配していました。魔王との
闘いで相討ちになったと聞いた時は、
 あの時な参戦しなかったことを
後悔しました」

「リョウガさんは里の長なんで
仕方ないですよ」

 八雲は過去にリョウガさんと
旅をした時期があり随分と助けて
貰った。

 旅の途中突如多数のドラゴンが襲来し
リョウガに長に決まったと聞いたときは
びっくりしたものだ、そもそも
リョウガさんがドラゴンなんて
知らなかったんだから

 僕は暫くぽかーんと口を開け呆然と
していると、リョウガさんはニヤリと
笑ってすまないと言った。

 あれからはリョウガさんとは
会っていない。長となって変わったかと
思ったけど、相変わらず日頃は
冷静沈着で凛々しい感じだか、
一度キレると人が変わったみたいに
怒るから絶対に怒らせてはいけない人だ。

「リョウガさん何があったんですか?
 さっきのドラゴン、スネルさんで
したっけ、人間が里を聖域を襲ったと
言ってましたが?」

「そうだね、どうも聖域に人間が侵入
したらしい。私が留守をしたタイミングを
狙われたようだ。正直こんなことが
起きるなんて想像もしていなかった」

リョウガさんは悲しそうな顔をした。

「聖域を襲うやつなんて普通いない
ですよ。それに………いったい誰が
そんなことを!」
 
「わからない、たった1人で
ドラゴンの里を相手にするなんて」

「え、1人!?」
「1人だけ何ですか?」

「あ~話によると1人の剣士らしい」

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