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第二章 二度目の異世界
元英雄 ゲートを通る
しおりを挟む「戻ったか八雲」
村に戻ると先生がジェイソンさんと
話をしながらお茶をしていた。
「先生?もう戻ってきたんですか?」
「うむ、許可を得られたからな、
準備をしろ」
「随分早かったですね~、てっきり
ダメか難題でも突きつけられるのかと」
「私も許可が下りるとは、思って
いませんでした。ただ確かに、
許可の印をリーム様が持ってきています」
※ジェイソン
「我は簡単に通る自信があった。
あやつらがお前に許可を出さんわけが
ないのじゃ」
「???…………先生その方々
僕の事知ってるんですか?」
「ふーん、全員お前の事を知っている。
八雲が旅の道中で何度か助けられたと
言っていたわ、元々お前の弟子入りの際、
事前に話を聞いていた。絶賛して
いたから、どんな奴か気になって
会うことにした」
「そうだったんですね」
「何だ騒がしくなったと思ったら妖精
帰ってきたのか?」
「赤城、丁度良かった。許可で
たってさ!」
「そうか、良かったじゃないか、
さっさと行くか」
「あ、そうだ赤城さっき魔王軍の
戦闘兵がいたぞ」
「なに、こんなところに
………まー残骸だろう」
「ま、魔王軍が、いたんですか?」
ジェイソンさんが驚いた顔で質問
してきた。
「さっきここからはなれた場所ですが、
1体だけですがいまして、大丈夫ですよ。
もう破壊しましたから!」
「そうですか……とうとうここにも
魔王軍が現れたのかと……」
「???」※八雲、赤城
「おい、今魔王軍がいると言ったのか?」
「ジェイソンさん魔王軍は殲滅した
はずですが」
「そうですね魔王は倒されましたが、
残党がまだいます。以前のような
勢いはありませんが、現在でも脅威で
あることに変わりはありません」
「そうか………後始末は俺がやるべきか……
帰ってきたかいがあると言うものだ!」
「赤城手伝うぞ」
「ふーん」
衝撃を受けつつも覚悟を決める2人
「全くやることが多いのじゃ!!
ならまずは我の家に行くのじゃ」
八雲達はゲートに向かう。
ゲートとは妖精族の村をそれぞれの
村を繋ぐ特別な魔方陣、交流の為に
作られたが非常時には脱出にも使えて
非常に便利だそうだ、この魔方陣は
妖精族の僅かな人間にしか作ることが
出来ない為秘匿とされている。
基本他では喋っちゃダメ!
「この洞窟の中ですか?」
「そうです。こちらにどうぞ」
洞窟の中には階段があり、下りていく
下りた先には泉があった。キラキラして
とても綺麗だ。
「八雲、久しぶり」
泉の中央に妖精がいた。
「なんじゃ、ティアも来て
おったのか」
かなり若そうな華奢な少女の妖精が
いた。
ティアはゆっくりと八雲に近づく
「ティア、久しぶりだな~」
八雲は片手を上げ笑って答えた。
「うっ、八雲のバカなんで帰ってきて
くれなかったの、遅いよ‼️」
ティアは涙を流し八雲の肩で項垂れた。
「ティア、ゴメン、そうだよね
心配かけた」
…
……
「リームさん、ティアさん
どうしたんですか?」
「あやつは妖精族でも数少ない
魔王軍との戦いに参戦したやつだ、
ま~あれだ八雲ファンじゃ」
「ファン?」
「以前、魔物に襲われたところを
助けられたらしいティア自身は
妖精族でも凄腕の魔法士だったから
助けられて憧れみたいなものが
あるんだろう」
「ふ~ん」
凛は八雲に不振な目を向ける。
八雲は気づきませんが
「ゴメンね、取り乱しちゃって」
「気にするなティア、しかし先生から
聞いたのかここにいることを」
「リームさんからと言うか、
おじいさまからかな」
「ティアのおじいさんって
四賢人の1人だっけ」
「そうだよね!リームさんもだけど」
八雲は落ち着いたティアに今までのことを
要点をまとめて説明した。
「大変じゃん、ゴメン時間取らせ
ちゃったねすぐ準備するから行こ!」
「ティア頼む」
ティアは泉の中央に移動、
両腕を天に掲げ目を瞑り詠唱を始める。
ティアの上に光の玉が現れ
「オンドリャー」泉に投げた
「ザブーン」泉の水が八雲達を襲った。
「つ、冷たい」※八雲
「え、どうしてこんなことに?」※凛
「ビチョビチョ」※クク
「これは上手く行ったのか?」※赤城
「相変わらずだったか………」※リーム
全員ずぶ濡れで呆然としていた。
疑問を解くためリームが口を開く
「ティアは昔から力加減と言うものを
知らん、見た目と違って魔法も主に
肉体強化系を使用するパワーファイター
なのじゃ」
「すいません、つい気合いが入って
しまって!!」
ティアは「びゅーん」と
音が聞こえそうな勢いで皆の前に
行き頭を下げた。
「取り敢えずゲートは開いたようだ、
さっさと移動するぞ、煩わしいのは
ごめんだ」
「そうじゃな、皆ゲートに行くのじゃ」
先生に促されてゲートに進む。近づくと
大きな扉を出現綺麗に輝いていた。
先生が扉に触れるとゆっくりと自然に開く
扉の先にはゆらゆらと揺れた空間がある
「なんか先がはっきりと
見えないから怖い」※凛
「八雲、手繋いで良い!!」※クク
「お、良いぞ」※八雲
八雲はククと手を繋ぐ、凛はやられたと
ショックでたじろぐ、しばらくすると。
「何やっておる、さっさと来るのじゃ」
赤城はすでにゲートを通り、先生も半分
通り抜けた状態で、こちらを見て急ぐよう
催促していた。
「先生、今行きます。」
「うむ、では先に行っておるのじゃ」
先生はひょこっと消えた。
「凛、行くぞ!!」
八雲は凛に声をかけ手を差し出す。
凛はパチクリ目をまばたきさせ、
嬉しそうに手を繋ぎゲートを通る。
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