元英雄 これからは命大事にでいきます

銀塊 メウ

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第一章 異世界帰還編

人は見かけによらない!!気を付けよ~( ´∀` )b

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「八雲君、おはよう」

「委員長、おはよう」

「むーう」

委員長はほほを膨らませて抗議していた。

「ごめんごめん
咲七(さな)さん(=゜ω゜)ノ」

「八雲君、わざとだよね~」

「フフフ、そんなことないよ( ´∀` )b」

「むーう、ま~良いやちょっと
お願い事があってちょっと時間良いかな」

「え、面倒事じゃないよね~」

「ぜんぜん面倒じゃないよ」

 八雲は委員長こと咲七さんに連れられ、
監視クラブの部室に来た。

「咲七さんは監視クラブだったんだ」

「そうだよ、言ってなかったね!」

 部室に入ると中にはいろいろな機材が
並んでいた。機材を見ながら皆ブツブツ
言ってる。端から見るとちょっと怖い。

「実はお願いなんだけど‼️("⌒∇⌒")」

咲七はものすごーくニヤニヤしていた。
これは相当なお願いをされそうだぞ

「リームちゃんを貸してほしいの!!!

「………先生を貸す?」

「我に何のようじゃ咲七」

「実はこの前特殊な異界を発見してね
監視クラブと討伐クラブの合同チームで
探索を行ったの。中には多数の妖魔が
いて何とか倒しながら進んだわ。
その先には大きな屋敷があって中を
探索したんだけど、めぼしい物は
殆どなかったけど、ひとつだけ
妙なものがあったの、それがこれ…………」

咲七が指を指した先には大きな箱があり
剣が刺さっていた。

「咲七さん、異界ってたしかこちらの
世界と別の次元にある世界だったよね」

「そうだよ、八雲君は転入して間も
ないからあまり知らないんだね。
異界は世界中のどこにでもあるの、
主にはその土地に染み付いた思い、
力が反映され異界が形成される。
ほとんどは発生しては消滅を
繰り返すんだけど、中にはその世界が
安定し維持し続ける。そこでは妖魔が
発生する。そして希に特別な効果を持った
道具が生まれることがあるのそれが
この箱」

「ふーんつまりお宝な訳だ。
すごいな~」

「そう、でも問題があって良い効果の
物とは限らなくって、呪われることが
あるの、そこでリームちゃんの
解析能力で判断してほしいの」

「なんで先生の能力を咲七さん
知ってるんだ?」

「え、いつもクラスの皆に頼まれて
アイドルの裏事情から美容の
アドバイスまで解析して教えていた
から、…………皆知ってると思うよ‼️」

「…………先生、昔僕に魔術師は自分の
能力について安易に教えてはならん、
それが命取りになることがあるって、
指導してくれた覚えがあるんですけど」

「…………( ゜ε゜;)」

 またしても明後日の方向を向いて
誤魔化す先生

「リームちゃん解析お願いできるかな~」

「任せておけ咲七よ!!こんなの
我に掛かればちょちょいのちょい
なのじゃ(* ̄∇ ̄)ノ」

先生はサササと箱に近づきギフトを使う。

『アナライズ』

「……………………?」

「リームちゃん………わかったの?」

 先生はギフトを使って解析し不思議な
顔になり動きを止めた。

「これは封印じゃな、中身は猫じゃ」

「猫?なんでそんなこと」

「咲七よ!猫と言っても妖魔の猫じゃ
異界で発生して生まれたというよりは、
異界に連れてきてわざわざ封印した
感じじゃなぜじゃろう?」

「危険な存在かもしれないですね」

「咲七さんどうします?」

「八雲君て腕にはそれなりに
自信あるよね~」

「え、ま~それなりにですけど」

 咲七さんはニヤニヤしながら箱に近づく
何を思ったか、剣をにぎりすぽーんと
抜いてしまった。

「さ、咲七さん!?話し聞いてました~」

咲七が下がると、箱が開き中から
煙が出てきた。「ニャーゴー」と
鳴き声が聞こえた瞬間、箱から
ヒューと小さな何かが飛び出してきた。
くるくる回りながらスタっと地面に
降り立った。小さな猫が一匹

「やっと出られたニャン」

足で頭を掻きながら流暢に喋る猫

「咲七さんなんで抜いちゃったんですか?
 危ないかもって言ったのに‼️」

「だって八雲君、未知の存在って
わくわくしない‼️」
「あれ?咲七さん」

咲七さんは笑顔で目をギラギラさせている。
八雲は今までこんな委員長を見たことない
正直狂気を感じる。

「なんだ人間、我に用か!!って
聞けさわるな~」

 咲七さんはいつの間にか妖魔の猫を
なでなでしてほっこりしている。
妖魔も唖然として、ツッコミを入れて
いた。

「殺してやるわ~人間」

 妖魔の猫は突然大きくなり爪を
むき出しにし咲七に振り下ろす。

「あっ、あぶねー」

ぎりぎりのところで猫の爪を受け止める。
「ふーん大きくなっても毛並みは変わらず
柔らかいんだ~」とブツブツ言ってる。
咲七さん、なんでこんなに冷静なの?
本当にあの委員長の咲七さんですか?

「おのれ、よくも我の攻撃を防いだな‼️
 これでも喰らえ」

今度はそのままの体勢で噛みついてきた。
「ちょっと待って」咲七さんはどこから
持ってきたかわからない棒を猫の口に
「グサ」と入れた。

「うーん、すごいは妖魔も虫歯が
あるんだね初めて見た写真撮って
おかないと」

 咲七さんはスマホでパシャパシャと
猫の口の中の写真を撮り始めた。

 さすがに猫の妖魔も怒り心頭、
顔を真っ赤にして、もう片方の手で
振り下ろそうとするが動けない。

「あー満足満足もう良いよ‼️」

 先ほどと違って冷たく鋭い目の
咲七さんは、ゆっくりと針を取り出し
「どこかな」と言って、頭の側面に
針を刺した。刺された猫はびくとし
そのまま倒れ煙になって消えた。

「今日は有意義なデータが撮れたよ‼️
八雲君ありがとうね」

 咲七さんは笑顔でいるが、僕はやや
寒気がした。あとで監視クラブの方に
咲七さんのことについて聞くと
咲七さんは常軌を逸した知りたがりらしく
危険をかえりみず行動してしまう。
基本的にはかなりの能力を持っているので
問題にはなっていないらしい。
今回は見えない糸で猫ちゃんは
縛られていた。だから余裕があったのだ
とにかく関わると大変そうな委員長である。


「人は見かけによらない!!
              気を付けよ~( ´∀` )b」

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