元英雄 これからは命大事にでいきます

銀塊 メウ

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第一章 異世界帰還編

露鬼兄妹のピンチ、 新技 精霊闘気『風』と『ライフリペア』

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少し時は遡り

「大分減ってきただもん」

「そうですね。打門先輩こっちは
落ち着いたんで、
 一旦村長の所には戻りますか?」

「そうだな~この数なら村人だけでも
十分だ!一応討伐クラブのメンバーは
残って対応を続けてくれだもん。」

「了解しました。打門先輩」

八雲達は村長の屋敷に戻る途中

「八雲、大物が出たみたいじゃ」

「大物?、何ですか先生」

「餓鬼と比べてかなり大きいオーラを
 感じる。恐らく話にあった大鬼じゃ」

「……………先生それどこですか?」

「こいつは、さっき露鬼達が
居た場所じゃ」

「う、いかん大鬼以外にも気配がある。
 恐らく露鬼達じゃ、かなりオーラが
弱っておる」

「…………精霊闘気『風」」

 八雲の髪がエメラルドグリーンに変化し
長さも肩を超え背中付近まで伸びた。

「「「えー」」」
「八雲が変身したー」

『ファスト………ウィンド』

 皆が驚き、神薙が変身したと
騒いでいる間に八雲ははるか彼方へと
走りさっていた。



そして露鬼達は

「はーい、良くできました。」

「ガゴ~~」

 八雲は到着と同時に、大鬼を蹴り上げ、
さらに身体を横に回転させ頬を蹴り
飛ばす。

「ドカーン……………パラパラパラ」

大鬼は吹き飛び建物にに衝突し壁が
粉々になった。

「露鬼、大丈夫か?」

「兄貴、…………へへ余裕だぜ~」

「……そうか、ちょっと待ってな、
行ってくる」

「八雲さん………」

「芽鬼ちゃん、お兄ちゃん達は任した」

 八雲はゆっくりとした足どりで、
大鬼との距離を詰める。

 大鬼は立ち上がりすぐに走りだす。
八雲を引き裂こうと腕を振り下ろした。

『ウィンドブレード』

「グギー」

 大鬼の腕がたて回転で吹き飛んで
行った。

「只じゃ済まさないからな!」

「うがー」

大鬼は片腕を失っても怯まずに
大振りで殴る。八雲は拳を躱し懐に
入ると、平手を大鬼の腹に添え
『インパクト』と唱えると、
大きくくの字に身体を曲げ吹き飛んだ。


「ドスーン」大鬼は地面に倒れ、
上半身を上げようとするが、八雲に睨まれ
動きを止める。八雲の掌には小さな竜巻が
発生、徐々にスピードが速くなる。

「じゃな~」八雲は掌を軽く振って竜巻を
大鬼の腹にのせる。

『トルネード  ダウンドラフト』

「うがー」竜巻は腹を削りながら
風が波紋のように拡がり、大鬼を
切り刻み絶命、煙となって消えた。

八雲は振り返り、露鬼達の元へ向かった。


「凄いよ、スゴい、スゴいー」
「お前、そんなに強かったのか~」
「さすが、兄貴だぜ………くっ」

 露鬼と万鬼の腕はかろうじて
繋がっているが、もはや治すことは
出来ないと感じていた。
それでも生きていてくれれば
良いと思う。

「お兄ちゃん、今すぐお医者連れて
くるからね。」

「あ、良いよ芽鬼ちゃん」
「は~止めても無駄なやつじゃな」

 リーム先生はうなだれ、八雲は
露鬼達の元に足を進め。腕にそっと
触れた。

『ライフリペア』

 露鬼達の腕はあっという間に
治っていた。

「い、痛くね~?」
「兄貴はやっぱり兄貴だぜ~」

「万鬼お兄ちゃん!!、露鬼お兄ちゃん!!」

芽鬼は2人に泣きながら抱きつき
今二人が生きていることに安堵した。

2人は芽鬼を安心させるため、
頭を撫でながら
「大丈夫」だと声をかけ続けた。

芽鬼が落ち着いたので、露鬼は八雲に
礼をしようと、八雲の方を見ると
そこには、居なかった。

「兄貴?」



……
………「大丈夫か、八雲」

「は~は~心配ご無用、久しぶり
だったんで、疲れましたね。アハハハ~」

「何笑っとるんじゃ、また寿命が
縮んだのじゃ」

「…………あとで後悔したくないんでね。
         リーム先生、心配かけてすいません」

「そんな風に言われたら何にも
言えないのじゃ」


村長の家では、凛達の村の状況について、
村人達と共有していた。

「そうか、人的被害はなくて本当に
良かった。皆さんありがとうございます」

「いえ、気にしないで下さい。
村人の皆さんそれぞれで対応
されていて助かりました。」

「うむ、皆この日の為、修練を積んできた
 餓鬼程度には負けん」

「そうだ、俺達は大鬼だって倒してみせる
 みんなそうだろ~」

「「お~」」※10人くらい

村人達の士気が高まっている中、
凛は突然居なくなった八雲が
心配でいた。打門先輩が止めなければ
すぐに追いかけたが、八雲は無意味に
動かないはずだと言い止められた。
私もそう思った。だから待つことにした。

「凛ちゃん、大丈夫だよ。ああ見えて
 八雲君強いんだから❗️」

「それはー分かっているんですけど。」

凛にとっては心配なものは心配なのである。

「うわ~おお大鬼が出たぞ~」

騒ぎを聞きつけ、凛達は外に出た。
そこでは村人達が必死に大鬼に
立ち向かっていた。すでに何人かは
地面に伏しており、その惨状が
大鬼の強さを物語っていた。

 大鬼のオーラから危機感を感じ
冷や汗が出る。
「2人共下がれ、俺が行くだもん」

打門は2人を下がらせるが、
戦闘体勢に入る。
「お前ら聞いているのか❗️」

「打門、気を遣わないで、私達だって
 やれるは」神薙は静かに答え凛は頷いた。

緊迫した空気の中、鬼と打門達は睨み合う
大鬼は大きく股を開き一気に距離を縮めた。
打門は護符を投げ、大鬼に当たると、
赤く光だし動きをを鈍らせた。
神薙は剣を発現後、腕を切りつける。
大鬼から血飛沫が飛び苦しむがすぐに
立て直し拳を振り神薙を殴ろうとするが、
すかさず凛が大鬼の腕を殴り拳の軌道を
変え、神薙のフォローをする。

「凛ちゃんありがとう」
「神薙さんまだです。来ます」

大鬼のオーラが高まり、2本の角が光だす。

「ビビビビビ」激しい音を出しレーザーの
 如くオーラが凛達を襲う。

『護封結界』打門は印を組み、
護符を使ったオーラの結界を形成、
大鬼の攻撃を受け止める。
 攻撃が途切れ、結界が霧散する。
 
「いかんな、大鬼の攻撃が強力すぎた、
受けきることはできたが、オーラの
ほとんどを使ってしまった」

大鬼はまた角の攻撃体勢の入る。
凛と神薙がそれぞれ攻撃体勢にないるが、

「「ま、間に合わない」」

「ただいま~………………ドン」


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