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第一章 異世界帰還編
鬼人村の歓迎、ダメンズ兄弟登場
しおりを挟む僕達は鬼人村に出発した。電車を降りて、
3時間くらい歩いている。けっこう遠い。
参加したメンバーは奏音学園生徒9人と
凛である。普通で考えると凛は参加
できないはずだが、どうも、
凛のおばあちゃんと校長が知り合いで、
無理を言って参加させたらしい。
あの人は何者なんだろう?
「お前達うろうろしてないで、さっさと
行くだもん。」
考え事しながら歩いていたため
代門(だもん)先輩に注意されてしまった。
代門先輩は今回のチームリーダーである。
他のメンバーは僕、凛、神薙、露鬼、
代門先輩と討伐クラブの5人
討伐クラブのメンバーとはまだ話を
していないから
どんな人達か気になっている。
「もうそろそろ、着くはずだもん」
「あー後10分くらいで村に着く」
「露鬼なんで分かるんだ、来たこと
あるのか?」
「兄貴、俺はこの村出身なんですよ。
言ってなかったすね。」
「え、露鬼ここ出身だったのか!!」
「すいません、言っておけば
良かったです」
「あ、村の入口ですよ。
行きましょう兄貴」
露鬼に先導され村に入ろうとすると、
そこには大きな鬼の銅像が立っていた。
「凄い大きいね、顔こわ!!」
「確かに、ザ、鬼って感じだよね。」
「気を付けるのじゃ、これはただの
銅像ではないのじゃ」
凛、神薙、先生の順で喋り、
先生が注意を促す。
「さすが、兄貴の先生だぜ。この銅像には
特別な術がかかっていて、近づいた人に
催眠術をかけて村から遠ざける。もしも
聞かない相手の場合は、銅像の中で
寝ている。犬の式が遠吠えをあげ
村人に知らせるシステムになってる。
ちなみに登録されている。
村人は問題なく入れるっす」
「露鬼、ならこの後どうすれば
良いだもん?」
「取り敢えず、入口付近に門番が
いるから俺が呼んでくるわ」
そう言って、露鬼は走って呼びに
行ってくれた。それから10分、露鬼と
同じくらいで大きい人を連れてきた。
露鬼は2mくらいの身長だから、
3人揃うとなかなかの迫力だ。
「兄貴、呼んできました。」
「奏音学園の皆様ですか、この度は、
このような、山奥までお呼びして、
大変申し訳ない」
「黄鬼(きき)こんな奴らに畏まる必要なんて
ないぜ、すぐ逃げ帰るに違いね」
「土門(どもん)、何て失礼なことを言うのだ!
謝罪しなさい‼️」
「うるせいんだよ、いつもいつも」
どうやら土門と言う大男は俺たちを
歓迎していないらしい。ま~こうゆう
閉鎖的な村は、よそ者を嫌うからな。
「おい土門、兄貴に無礼を働くとは
良い度胸だな~今すぐ地べたに
顔を埋めて謝らせてやるよ‼️」
「なんだ~露鬼、随分態度が大きくなった
じゃねーか、外の世界を見て強くなった
気になるんじゃねーぞ」
お互いオーラを放出戦闘体勢になる。
しかし後ろから、「お仕置きじゃな」
2人は声が聞こえ方向に顔を向けると、
般若の如く怒ったじいさんが現れ、
あっという間に、2人の頭に拳骨、
地面にめり込むこととなった。
「本当に申し訳ない、私はこの村の長を
勤める鬼羅(きら)と申します。
どうぞ我が家でお休み下さい。」
「あの、銅像は良いんですか?」
「皆様の匂いは、式犬が登録しましたので、
これからは出入り自由です。」
「そうですか、良かったです。」
凛が村長のおじいさんに確認し、
入口を通れることがわかった。
僕達は村長の家にあがり、
今回の任務について説明を受ける
ことになった。
「さて、どこから説明したものか、まずは、
前鬼様と後鬼様についてか、この村の
東にある山の奥に前鬼様と後鬼様が
住まう異空間が存在する。
お二人かつて安倍晴明様に使役された式で
あった。晴明様の死後、お二人を縛る者は
いなくなり大暴れ、それを止めたのが、
我らが一族になります。何とか捕縛し、
山の奥に封印することが出来ました。
しかし、10年に1度、お二人の力が
強まる日があります。その力が異空間を
形成している結界から漏れ、餓鬼を
生むのです。私達はその周期に餓鬼を
討伐していました。今まではそれで
何とかなっていましたが、今から10年前の
あの日までは、餓鬼意外に鬼が現れました。
大鬼です。餓鬼とは比べ物になりません
でした。お二人の力が強まるのは1日です。
何とか凌ぎ大鬼は自然消滅しましたが、
被害は甚大でした。その闘いで、
我らの精鋭20人が亡くなりました。」
「………あなた方にお願いしたいのは、
あの様な悲劇を防ぐため、協力を頂きたい」
村長は僕達に必死な顔で頭を下げ
お願いをした。きっとなりふり
構っていられないほど
辛かったんだろう。
「頭を上げて下さい。私達はその為に
来たんですから!!」
「ありがとうございます」
代門先輩は凛々しい顔で村を
助けることを了承した。
(だもんが付いてない。マジの時は
付けないのか?)
「よそ者の力なんていらね~よ」
またか土門と思って振り向くとそこには、
露鬼がいた………いや露鬼に似てるけど、
違う。誰だ‼️
「兄貴相変わらずだな」
「なんだ今さら帰って来て、ちっとは
強くなったか露鬼!!」
兄貴……僕じゃなくて、本物!
「お前が強くなると言って出て行って、
こんな奴らまで連れて来て役に立つのか~」
「兄貴、俺の兄貴をなめるんじゃないぞ!!」
「???」
「露鬼、僕のことをちゃんと説明しないと、
こんがらがってるぞ!」
露鬼はお兄さんに説明した。
「へーあんた強そうに見えないがねー」
「まーあなた達に比べれば弱そうで良いです。」
「良し、軽く揉んでやるよ。ちょっと来な」
「けっこうです。お引き取りを」
「なんだ、びびってるのかー」
「めんどうなんで!!」
「なめてるのかテメー こっち来い!!!」
「はー」とため息を出し、露鬼のお兄さんに
ついていった。(村長止めないの?)
「良し、ここなら周りに遠慮は要らね~」
「行くぞオラ~」お兄さんからオーラが
吹き出す。これは露鬼を超えているなと
感じ、俺は構えを取る。
「お兄ちゃん達何してるのー」
「「芽鬼(めき)どうしてここに!」」
露鬼とお兄さんがハモる。
誰だこの可愛い子は13、4歳くらいかな
危ないから離れて貰おう。
「あのー君危ないから、離れた方が
良いよ」
「すいません、村長に言われて止めに
来ました。私は妹の芽鬼と言います。
宜しくお願いします」
「……………マジ」僕は露鬼達の方を向いて、
確認して、再び芽鬼ちゃんを見た。
『別の生き物です』
「お兄ちゃん達はいつもいつも周りに
迷惑かけたらダメでしょ~」
「「いや、これには色々とあってだな~」」
「い・い・わ・け・しないの~!」
「「すいませんでした~」」
妹に叱られ、タジタジなダメンズお兄ちゃん
(露鬼、お兄さんとハモり過ぎ
絶対仲良いだろう?)
ほのぼのした空気になったので、
兄妹達を置いて、僕達は村長の家に戻った。
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