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第一章 異世界帰還編

目標は普通、命は大事

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 目が覚めたら、白い天井が見えた。
隣を見ると看護士さんがいる。

「目が覚めたみたいですね。少し待ってて
 下さい。先生呼んできますので‼️」

看護士さんは、先生を呼びに出ていった。

「先生か、何もかも夢だったのか、
 事故の後、俺は長い眠りについて
 いたんだな~」
「あの女は何を言っておるのじゃ~
 我はここに居るのにの~」

「あー先生は先生でも、お医者の
 先生なので、リーム先生とは別ですよ」

「…………………………………………………………………
………………って、なんでいるんですか~!!」

 隣でバナナを食べてる先生にツッコミを
入れようとして、立ち上がったら、
皮で転けた。

「なんて古典的なボケかましておる。
 確かに笑いは適度にじゃがの~」

「いて~って、うっさいは!!
 古くないは~一周廻って新しいわ‼️」

 リーム先生にツッコミをいれられつつ
八雲は頭を撫でながら、抗議するのだ。

「身体がうまく動かね~」

「ま~当たりまえじゃな。あれだけの
 戦闘の後じゃからの~」

 先生と簡単にあの後のことについて
話をした。

「10分の1くらいか…………オーラの総量、
ま~良いか、帰ってきたんだし、
 戦わなくて良いんだ………うっ………………!!」

八雲は身体の確認をしながら、これまでの
戦争を思いだして、安堵し涙した。
その時!!

「ガラ~ガン」

扉が突然開き、そこには母が立っていた。

「八雲!!!!」

「かぁさ~~がふー」

「2年もどこほっつき歩いてた~~~」

 母が突如あらわれ、喋る間もなく、
殴られる。倒れているところに
父がそっと近づき言うのだ。

「お帰り八雲、母さんなお前が寝てる間
 心配でずっと泣いていたけどなんか顔見たら
 恥ずかしくなって、どうして良いか
 わからなくなって、殴ったんだ」

「ただいま父さん、解説ありがとう
 普通わかんないから、流石です。」

「長く寄り添ってるとわかるもんさ!!」

 母さんは昔から感情が高まると
暴走しやすい父さんはそっとそれを
フォローするのが、いつもの流れなのだ。
(父さんは母さん超ラブ)

八雲は改めて帰ってきたことを実感し
リームはなんだこのバイオレンスはと
思い一歩引くのだ。




俺は退院し現在自宅の自分の部屋にいる。
あの後、警察の事情聴取を受け
親には叱られながらも暖かく家に
迎えいれてくれた。

「旨い‼️旨い‼️旨い‼️」

「先生うるさいですよ。喋るか食べるか
 どっちかにして下さい」

「何を言うか!チョコバナナ
サイコじゃ~~」

 お見舞いの果物のバナナのみを
全て食べてしまった為、バナナを
食べたいと勘違いした母が
子供の頃好きだったチョコバナナを
作ってくれた。先生はドはまりである。

「バナナは素晴らしい、さらに
 チョコをかけるとは八雲の母は天才じゃ」

「先生は相変わらずどこに食べたものが
 いくんですか?手品ですか?魔法ですか?
 どうなってるんですか!!」

およそ10cm程しかない先生が、
15cmのバナナを何本も食べている。
まさにイリュージョンである。

「さて一旦整理せんとな」

先生はキリッとした顔で
口にチョコが付いた状態で話しだした。
(真面目な感じだったので拭きました。
ふきふき)

「まず確認しないといけないのは、
八雲あと何年だ」

八雲は胸に手を当て答えた。

「……………9年」

「ばかもん!!」

 俺は残りの寿命を告げ、先生は
静かに叱咤(しった)する。

 ま~死ななかっただけよかったかな
これが俺のギフト『ライフ』のリスク
寿命を糧にオーラの量を大幅に上昇させる。
今回は無理しすぎたかな、50年以上は減った。
でも助かった。つまり使える最大値に
助けられた。

「ラッキーだったてことか」
「バカ言っているんじゃね~」
「ばふ~」

先生に頬をラ○ダーキックをされた。
何で俺の周りは暴力的な女性が多いの~
(涙出そう)

「あと9年か~どうしたもんかね」

八雲は短い人生をどう生きるかを考える。

「う~ん…………………………良し」

「普通になろう。今までの血なまぐさいのは
 イヤだ。学生として青春を謳歌するんだ」

「これからは戦いはせず極力安全第一
 命大事でいくぞ~」

某ゲームの命令コマンドを目標に決めた。

しかし八雲はこの後知ることになる。
約2年のブランクが学生にとって
どれほどきついのか………


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