9 / 12
第1章 エーベの街の少女
第8話「現実という呪い」
しおりを挟む
リアーレはどこかへそのまま行ってしまい、エリオットたちはさらに奥へと進むことにした。奥に進むたびに異様な匂いがしてくる。何かを燃やしているような焦げた匂いだ。
「なんだろう、焦げ臭い。」
「確かに、まさか虚構種が何か燃やしてたりするのかな?」
リリアナと話しながら歩いていくとふとあるものが落ちていた。何かの骨だ。マイクやベラがそれを確認すると、これは人の骨だと判明した。さらに周りには武器や防具や頭陀袋などが散乱してあるため、おそらくは討伐に向かった冒険者の亡骸だと推測した。
皆で手を合わせて祈りを捧げていく。死んだ者の魂がどうか安らかに天国へと昇れるように。
「グウォーン」
まるで警報のホルンが吹いたかのように洞窟の中で響き渡る。そして地鳴りが発生した。
「なんだ一体!?」
「わからない、もしかしたらあの虚構種の巣に来たんじゃないの私たち!」
そう話すのも束の間、上の崖にやつがいた。
コウモリの羽、牛のツノ、ライオンの立て髪、そして皮膚はまるでそこらへんに落ちている鉄鉱石のように黒光して鉱石と同じ硬度の皮膚。キマイラだ。
「汝らなぜ余の住処に入り込んだ...」
「え、喋った!?えっと、話せるんですか?」
「いかにも、余はキマイラ。かつて旧時代に人間どうしの戦争に駆り出された人造生物。
さぁ答えよ、なぜ我の住処に入り込んだ?」
なんとキマイラは人の言葉を話すことができたのだ。それも旧時代に人間との戦争にも参加したことがあるという。続けてマイクはその理由を話すことにした。
「おれたちは依頼を受けたんだ。お前がかけた呪いである1人の少女が悲しんでいる。お前がその母親を呪いにかけたんだろ?」
「いかにも我が呪いをかけた。だがあの時はやむを得ない状況だったのだ。そうでなければあの女はすでに死んでいたのだからな。」
「え、それって何があったんですか?」
「余たち虚構種を狙っているものがいる。その男はこの世界そのものを憎み、現実を統べると宣言したのだ。その男の呪いを偶然その母親がかかってしまったのだ。この世の現実の呪いを、それを上書きするために余は呪いをかけたのだ。
夢を見せるものだ。その夢の中で今その母親はなんとか現実から脱出しようとしている。」
キマイラがいう現実とは一体どういうことだろうか。そしてそれに相反する夢とは一体。そう皆は考えていた。
「その現実って一体なんなんですか?
それにあなたを付け狙っている人って。」
「それは...」
キマイラがその人物を言おうとした瞬間、何かの光の光線が無数にキマイラを撃ち抜いた。皆が後ろを振り向くと、リアーレがそこにいた。何か武器のようなもの、確認するとなんとかつて古代に使われた武装兵器をいくつか所持していたのだ。
「いやーみんなありがとね探し出してくれて。おかげさまで無事に始末することができたよ。たぶんこれで少女の母親はきっと起きるはずさ。
みんなご苦労様、あとのことは僕が引き受けるよ。」
「ぐぐ...貴様...」
血を吐きながら今にもリアーレに襲おうとするキマイラ、さらにリアーレは古代兵器であるシューターを用意して発射させる。無数の爆弾が着弾と共に起爆し、さらにキマイラを襲った。
「がぐっぐふっ!」
「あはははは、お前ら虚構種を作ったのは完全に失敗だったよ。お前らは結局旧時代でも、この時代でもいらない存在なんだよ!
さぁとどめだ!」
古代兵器の一つ、『オクターヴランチャー』を装着したリアーレは照準を合わせていく。ターゲットをロックして引き金を引こうとした時、ベラがあの技を放った。
「レインフォーリンググングニル!」
無数の光の槍がリアーレに向かって放たれる。それを難なく交わしていったリアーレは皆に問いただす。
「おかしいな、君たちはこいつを始末しに来たんじゃないのかな?少女から依頼を受けて...
僕を邪魔してなんの意味があるんだい?僕は君たちを手伝うために今やっているんだが。」
それを聞いたエリオットは咄嗟に答えた。
「確かに最初はキマイラを倒しにきました。けど今の話を聞いたら彼が呪いをかけたのはあなたのせいだと!」
「あぁ戯言をまた言ったのかキマイラ。
みんなあいつは嘘をついているぞ、僕に呪いをかける能力なんて...」
「あなたの言葉一つ一つ全部正しいのかもしれない、けど言葉は呪いと同じなんですよ!
あの子の母親に何を言ったんですか!?」
「なんだったっけなー。
もうすぐ大陸間で戦争が起きて君の子供含めてあの街もろとも吹っ飛ぶよって。
実際今ルヴァン帝国とサイミン王国は戦争の準備してるみたいだし、僕は高みの見物でいいかなって。」
リアーレの言っていたことは本当で、世界征服を目論んでいるルヴァン帝国が最初に目を付けたのがエリオットたちの第一目的地のサイミン王国だったのだ。支配下に置かれる最後通告を反対した王国とそれに激怒した帝国が正に戦争寸前までいっている。
軍事力では完全に劣っているサイミン王国軍はやがては負け続け、その影響でこの大陸にも侵攻してくる流れだ。その話を聞いてエリオットは黙ってしまった。
「ほらやっぱりそうだ、夢見がちな子供はこれだから困る!君たちが生きてるこの世界はいずれ自分たちの手で滅びの道を辿ることになる。そろそろ現実を知るときだ。僕は一度世界が滅んだのをこの目で見た。
滅びを迎える前に現実を知り、夢を見るのを失くせば自ずと解決策は見つかる。さぁそこの男の子、夢を見るのを諦め...」
リリアナは話の途中で遮るように炎の呪文を放った。怒りの表情でリアーレを見て
「夢を見て...
夢を見るのがそんなにいけないことなの!?
冗談じゃない、そんな死んだような世界は真っ平ごめんだよ!!
今ここでキマイラとお母さんを助けて、いずれは戦争も止めてみせる、あなたなんかの思い通りの現実にさせてたまるか!!」
「そうか、やはりこうなるか。
いいよ、そんなに信じられないなら僕が今相手になろう。そこの2人はどうする?大人な君たちなら理解できそうだけど。」
リアーレはマイクとベラに問いかけたがすぐに返答した。
「あいにく、おれは子供心を捨てきれなくてな!お前のその現実に縛られる鎖につながれたくないんでな!」
「そうね、一言で言えばマジもんのクソ野郎よ!」
2人は反対意見を武器を構えながら思いっきりぶつけていった。エリオットは何も返答できないまま。
「そうか、ならかかってきな。
旧時代の人間の意見がいかに偉大かどうかその目でしっかりと体感するんだね。」
こうして一行はリアーレと一戦交えることになった。
~続く~
「なんだろう、焦げ臭い。」
「確かに、まさか虚構種が何か燃やしてたりするのかな?」
リリアナと話しながら歩いていくとふとあるものが落ちていた。何かの骨だ。マイクやベラがそれを確認すると、これは人の骨だと判明した。さらに周りには武器や防具や頭陀袋などが散乱してあるため、おそらくは討伐に向かった冒険者の亡骸だと推測した。
皆で手を合わせて祈りを捧げていく。死んだ者の魂がどうか安らかに天国へと昇れるように。
「グウォーン」
まるで警報のホルンが吹いたかのように洞窟の中で響き渡る。そして地鳴りが発生した。
「なんだ一体!?」
「わからない、もしかしたらあの虚構種の巣に来たんじゃないの私たち!」
そう話すのも束の間、上の崖にやつがいた。
コウモリの羽、牛のツノ、ライオンの立て髪、そして皮膚はまるでそこらへんに落ちている鉄鉱石のように黒光して鉱石と同じ硬度の皮膚。キマイラだ。
「汝らなぜ余の住処に入り込んだ...」
「え、喋った!?えっと、話せるんですか?」
「いかにも、余はキマイラ。かつて旧時代に人間どうしの戦争に駆り出された人造生物。
さぁ答えよ、なぜ我の住処に入り込んだ?」
なんとキマイラは人の言葉を話すことができたのだ。それも旧時代に人間との戦争にも参加したことがあるという。続けてマイクはその理由を話すことにした。
「おれたちは依頼を受けたんだ。お前がかけた呪いである1人の少女が悲しんでいる。お前がその母親を呪いにかけたんだろ?」
「いかにも我が呪いをかけた。だがあの時はやむを得ない状況だったのだ。そうでなければあの女はすでに死んでいたのだからな。」
「え、それって何があったんですか?」
「余たち虚構種を狙っているものがいる。その男はこの世界そのものを憎み、現実を統べると宣言したのだ。その男の呪いを偶然その母親がかかってしまったのだ。この世の現実の呪いを、それを上書きするために余は呪いをかけたのだ。
夢を見せるものだ。その夢の中で今その母親はなんとか現実から脱出しようとしている。」
キマイラがいう現実とは一体どういうことだろうか。そしてそれに相反する夢とは一体。そう皆は考えていた。
「その現実って一体なんなんですか?
それにあなたを付け狙っている人って。」
「それは...」
キマイラがその人物を言おうとした瞬間、何かの光の光線が無数にキマイラを撃ち抜いた。皆が後ろを振り向くと、リアーレがそこにいた。何か武器のようなもの、確認するとなんとかつて古代に使われた武装兵器をいくつか所持していたのだ。
「いやーみんなありがとね探し出してくれて。おかげさまで無事に始末することができたよ。たぶんこれで少女の母親はきっと起きるはずさ。
みんなご苦労様、あとのことは僕が引き受けるよ。」
「ぐぐ...貴様...」
血を吐きながら今にもリアーレに襲おうとするキマイラ、さらにリアーレは古代兵器であるシューターを用意して発射させる。無数の爆弾が着弾と共に起爆し、さらにキマイラを襲った。
「がぐっぐふっ!」
「あはははは、お前ら虚構種を作ったのは完全に失敗だったよ。お前らは結局旧時代でも、この時代でもいらない存在なんだよ!
さぁとどめだ!」
古代兵器の一つ、『オクターヴランチャー』を装着したリアーレは照準を合わせていく。ターゲットをロックして引き金を引こうとした時、ベラがあの技を放った。
「レインフォーリンググングニル!」
無数の光の槍がリアーレに向かって放たれる。それを難なく交わしていったリアーレは皆に問いただす。
「おかしいな、君たちはこいつを始末しに来たんじゃないのかな?少女から依頼を受けて...
僕を邪魔してなんの意味があるんだい?僕は君たちを手伝うために今やっているんだが。」
それを聞いたエリオットは咄嗟に答えた。
「確かに最初はキマイラを倒しにきました。けど今の話を聞いたら彼が呪いをかけたのはあなたのせいだと!」
「あぁ戯言をまた言ったのかキマイラ。
みんなあいつは嘘をついているぞ、僕に呪いをかける能力なんて...」
「あなたの言葉一つ一つ全部正しいのかもしれない、けど言葉は呪いと同じなんですよ!
あの子の母親に何を言ったんですか!?」
「なんだったっけなー。
もうすぐ大陸間で戦争が起きて君の子供含めてあの街もろとも吹っ飛ぶよって。
実際今ルヴァン帝国とサイミン王国は戦争の準備してるみたいだし、僕は高みの見物でいいかなって。」
リアーレの言っていたことは本当で、世界征服を目論んでいるルヴァン帝国が最初に目を付けたのがエリオットたちの第一目的地のサイミン王国だったのだ。支配下に置かれる最後通告を反対した王国とそれに激怒した帝国が正に戦争寸前までいっている。
軍事力では完全に劣っているサイミン王国軍はやがては負け続け、その影響でこの大陸にも侵攻してくる流れだ。その話を聞いてエリオットは黙ってしまった。
「ほらやっぱりそうだ、夢見がちな子供はこれだから困る!君たちが生きてるこの世界はいずれ自分たちの手で滅びの道を辿ることになる。そろそろ現実を知るときだ。僕は一度世界が滅んだのをこの目で見た。
滅びを迎える前に現実を知り、夢を見るのを失くせば自ずと解決策は見つかる。さぁそこの男の子、夢を見るのを諦め...」
リリアナは話の途中で遮るように炎の呪文を放った。怒りの表情でリアーレを見て
「夢を見て...
夢を見るのがそんなにいけないことなの!?
冗談じゃない、そんな死んだような世界は真っ平ごめんだよ!!
今ここでキマイラとお母さんを助けて、いずれは戦争も止めてみせる、あなたなんかの思い通りの現実にさせてたまるか!!」
「そうか、やはりこうなるか。
いいよ、そんなに信じられないなら僕が今相手になろう。そこの2人はどうする?大人な君たちなら理解できそうだけど。」
リアーレはマイクとベラに問いかけたがすぐに返答した。
「あいにく、おれは子供心を捨てきれなくてな!お前のその現実に縛られる鎖につながれたくないんでな!」
「そうね、一言で言えばマジもんのクソ野郎よ!」
2人は反対意見を武器を構えながら思いっきりぶつけていった。エリオットは何も返答できないまま。
「そうか、ならかかってきな。
旧時代の人間の意見がいかに偉大かどうかその目でしっかりと体感するんだね。」
こうして一行はリアーレと一戦交えることになった。
~続く~
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
何でリアルな中世ヨーロッパを舞台にしないかですって? そんなのトイレ事情に決まってるでしょーが!!
京衛武百十
ファンタジー
異世界で何で魔法がやたら発展してるのか、よく分かったわよ。
戦争の為?。違う違う、トイレよトイレ!。魔法があるから、地球の中世ヨーロッパみたいなトイレ事情にならずに済んだらしいのよ。
で、偶然現地で見付けた微生物とそれを操る魔法によって、私、宿角花梨(すくすみかりん)は、立身出世を計ることになったのだった。
異世界起動兵器ゴーレム
ヒカリ
ファンタジー
高校生鬼島良太郎はある日トラックに
撥ねられてしまった。そして良太郎
が目覚めると、そこは異世界だった。
さらに良太郎の肉体は鋼の兵器、
ゴーレムと化していたのだ。良太郎が
目覚めた時、彼の目の前にいたのは
魔術師で2級冒険者のマリーネ。彼女は
未知の世界で右も左も分からない状態
の良太郎と共に冒険者生活を営んで
いく事を決めた。だがこの世界の裏
では凶悪な影が……良太郎の異世界
でのゴーレムライフが始まる……。
ファンタジーバトル作品、開幕!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
優秀賞受賞作【スプリンターズ】少女達の駆ける理由
棚丘えりん
青春
(2022/8/31)アルファポリス・第13回ドリーム小説大賞で優秀賞受賞、読者投票2位。
(2022/7/28)エブリスタ新作セレクション(編集部からオススメ作品をご紹介!)に掲載。
女子短距離界に突如として現れた、孤独な天才スプリンター瑠那。
彼女への大敗を切っ掛けに陸上競技を捨てた陽子。
高校入学により偶然再会した二人を中心に、物語は動き出す。
「一人で走るのは寂しいな」
「本気で走るから。本気で追いかけるからさ。勝負しよう」
孤独な中学時代を過ごし、仲間とリレーを知らない瑠那のため。
そして儚くも美しい瑠那の走りを間近で感じるため。
陽子は挫折を乗り越え、再び心を燃やして走り出す。
待ち受けるのは個性豊かなスプリンターズ(短距離選手達)。
彼女達にもまた『駆ける理由』がある。
想いと想いをスピードの世界でぶつけ合う、女子高生達のリレーを中心とした陸上競技の物語。
陸上部って結構メジャーな部活だし(プロスポーツとしてはマイナーだけど)昔やってたよ~って人も多そうですよね。
それなのに何故! どうして!
陸上部、特に短距離を舞台にした小説はこんなにも少ないんでしょうか!
というか少ないどころじゃなく有名作は『一瞬の風になれ』しかないような状況。
嘘だろ~全国の陸上ファンは何を読めばいいんだ。うわーん。
ということで、書き始めました。
陸上競技って、なかなか結構、面白いんですよ。ということが伝われば嬉しいですね。
表紙は荒野羊仔先生(https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/520209117)が描いてくれました。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる