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「まずは『マリス』の現在の状況について把握してもらいたい。
ホープはミーティングは初めてだからまずはしっかりと今回の話を聞いてどのように話し合いをしているか勉強してほしい。
何かわからないことがあればアラタくんをはじめ、周りの人に聞いてくれ。」
「承知いたしました船長様」
私もミーティングに参加することになり、船長様による説明が始まった。
「それでは改めて、まずは『マリス』についてだ。つい先日、先行で派遣されていた別働隊の開拓者からの連絡が途絶えた。
別働隊の人数は約50名。
さすがに全員からの通信が途絶える状況はおかしいと判断した会社側から到着次第、行方不明になった開拓者の捜索も追加で指令が下った。」
どうやら私たちの前に『マリス』に開拓をしに行った人たちがいるらしい。そして全員が行方不明になるのはまた不思議なことだ。
「だけどよセンチョー、そんな緊急事態ならそれこそ軍隊を派遣するのが1番だろ?
下手したらその開拓者が何者かの襲撃だったりトラブルに巻き込まれたり、下手したら未知の生物に殺されたりしてるかもしんねぇじゃねぇか。」
ツトム様はイライラを隠せずに話した。あんなことがあった後だから無理もない。
「残念だが我々は現在まだ多くの戦線に駆り出されているものでね。いまだに機械兵どもとの戦争で多くの軍人が戦っている。
行方不明者の捜索に遠征できるほど時間も人材もないんだよ。」
マコト様がそのように弁明した。調べたところ、現在も地球では多くの戦場で機械兵と人間が戦争を続けている。多くの軍人が犠牲になり、より戦禍が広がる中では言っていることも間違ってはない。
「確かにその通りだな。アスカさん、会社はどのようにこれから動いていくつもりなんだい?」
「はい、会社は独自のAIにより今後の我々の行動を指示しています。現在のところはやはり我々のみでの捜索という形になるでしょう。
いずれは会社からさらに調査隊を派遣していくとは思うのですが...」
アスカ様は会社の人に随時連絡を取り合っているから状況を把握できたはず。だがアスカ様は少し顔を俯いているから周りからすれば怪しい行動に見える。おそらく何かを知っている。
「まぁまぁ、皆さん。まずは行方不明者の捜索を先行して考えましょう。全員無事なら引き続き僕たちの本来の開拓を進めていけますし!
センチョー、その行方不明者の身元が判別できるものやなにか手がかりになるものなどはありますか?」
アラタ様は周りをなだめていきながら今後の対策を練ろうとしている。さすが私を開発した方だ、やはり素晴らしい人間だと知る。
「そうだね、まずは全員が無事に見つかることが最重要だ。
『マリス』に到着次第、二手に分かれて行動しよう。私、アラタくん、マコトさん、カスミさん、ツトムくんの5人で上陸してエリアAから捜索をする。
残りは船に残り、救出された人々の治療や保護にあたってくれ。」
「センチョー!私も同行したいです!」
ミスズ様が声を荒げたように言った。
「私の父が先行の開拓者として向かってるので何か危険なことに巻き込まれてないか心配で...」
泣きそうな顔で船長様に訴えかけていた。
「確か君のお父さんはそうだったね。でも君を連れていくことはできない、万が一の場合に取り乱したりされたら私たちまで危険な状況になりかねない。
ミスズちゃん、まずは一旦落ち着こう。
大丈夫、お父さんはきっと無事だから...」
さすがはこの船の船長様。人のメンタル管理もしっかりとできている。
「分かりました...」
「それだったら代わりにホープを連れていくのはどうかな?」
カスミ様は船長様にそのような提案を述べた。
「ふざけるな、なぜこんなガキロボットといっしょに捜索にあたらなければならないんだ。
それこそ私たちにトラブルを持ってくるのがオチだろう。」
「何言ってるんだか。自分が機械嫌いだからって効率考えろっての。」
マコト様とまた言い合いになってしまっている。つかさず船長様が間に入る。
「マコトさん、お気持ちは分かりますが今は個人の考えだけで動くわけにはいきません。
ホープがいればある程度捜索も捗ります。
ホープ、あとでマリスのエリアAの見取り図を見せるからそれを記憶しておいて欲しい。」
「承知いたしました。」
さっそく私は大役を任されることとなった。
「やったじゃねぇかホープ!いきなり船長がお前を頼るなんて!」
「ほんとだよ!ツトムなんてこんな態度だから頼まれることなんてそうそうないんだから!」
「おい一言余計なんだよ!」
ツトム様、ミナミ様が私に向けて激励を飛ばしてくれた。ケント様も私の肩に手をおいて頷いている。
「よし、ミーティングは終わりだ。準備が出来次第、『マリス』への最終ワープに入る。
各自持ち場にてワープの最終確認をしておいてくれ。では準備にかかってくれ。」
そうしてミーティングは終わった。船長は自室へと一旦戻って行った。
「さて、まずはエアロックを確認してこよう。宇宙服と備蓄、あとは通信デバイスの調整もあるね。」
「アラタくん、僕も手伝うよ。」
アラタ様、ケント様はそう言い部屋を出る準備をする。マコト様は何も言わずに部屋を出て行った。
「さてと、操縦席を確認してくるとしますか。」
「ツトムさん、私も手伝います!」
ツトム様、ミスズ様はこの船の操縦席のあるエリアへ向かっていった。
「私とアスカさんは医務室の準備にいきましょう。きっとたくさんの薬や包帯とか設備が必要になるので」
「わかったわ。」
ミナミ様、アスカ様は医務室へと向かっていった。
「ホープは僕たちと一緒に来るかい?」
アラタ様は私にそう提案してきた。すると横からカスミ様が来て。
「アラタくん、一旦ホープと一緒にいてもいいかい?少し見せたい物があってね。」
「わかりました!カスミさんが一緒なら安心です!じゃ何かあったら3Fのエアロックにいるからね!」
そう言ってアラタ様たちは部屋を出て行った。
「さてと、そしたらホープに見せたいものがあるから私たちも行こう。」
「見せたいものとは?」
「それは着いてからのお楽しみさ、さぁ行くよ!」
私たちは部屋を出てエレベーターで3Fへと向かった。
ホープはミーティングは初めてだからまずはしっかりと今回の話を聞いてどのように話し合いをしているか勉強してほしい。
何かわからないことがあればアラタくんをはじめ、周りの人に聞いてくれ。」
「承知いたしました船長様」
私もミーティングに参加することになり、船長様による説明が始まった。
「それでは改めて、まずは『マリス』についてだ。つい先日、先行で派遣されていた別働隊の開拓者からの連絡が途絶えた。
別働隊の人数は約50名。
さすがに全員からの通信が途絶える状況はおかしいと判断した会社側から到着次第、行方不明になった開拓者の捜索も追加で指令が下った。」
どうやら私たちの前に『マリス』に開拓をしに行った人たちがいるらしい。そして全員が行方不明になるのはまた不思議なことだ。
「だけどよセンチョー、そんな緊急事態ならそれこそ軍隊を派遣するのが1番だろ?
下手したらその開拓者が何者かの襲撃だったりトラブルに巻き込まれたり、下手したら未知の生物に殺されたりしてるかもしんねぇじゃねぇか。」
ツトム様はイライラを隠せずに話した。あんなことがあった後だから無理もない。
「残念だが我々は現在まだ多くの戦線に駆り出されているものでね。いまだに機械兵どもとの戦争で多くの軍人が戦っている。
行方不明者の捜索に遠征できるほど時間も人材もないんだよ。」
マコト様がそのように弁明した。調べたところ、現在も地球では多くの戦場で機械兵と人間が戦争を続けている。多くの軍人が犠牲になり、より戦禍が広がる中では言っていることも間違ってはない。
「確かにその通りだな。アスカさん、会社はどのようにこれから動いていくつもりなんだい?」
「はい、会社は独自のAIにより今後の我々の行動を指示しています。現在のところはやはり我々のみでの捜索という形になるでしょう。
いずれは会社からさらに調査隊を派遣していくとは思うのですが...」
アスカ様は会社の人に随時連絡を取り合っているから状況を把握できたはず。だがアスカ様は少し顔を俯いているから周りからすれば怪しい行動に見える。おそらく何かを知っている。
「まぁまぁ、皆さん。まずは行方不明者の捜索を先行して考えましょう。全員無事なら引き続き僕たちの本来の開拓を進めていけますし!
センチョー、その行方不明者の身元が判別できるものやなにか手がかりになるものなどはありますか?」
アラタ様は周りをなだめていきながら今後の対策を練ろうとしている。さすが私を開発した方だ、やはり素晴らしい人間だと知る。
「そうだね、まずは全員が無事に見つかることが最重要だ。
『マリス』に到着次第、二手に分かれて行動しよう。私、アラタくん、マコトさん、カスミさん、ツトムくんの5人で上陸してエリアAから捜索をする。
残りは船に残り、救出された人々の治療や保護にあたってくれ。」
「センチョー!私も同行したいです!」
ミスズ様が声を荒げたように言った。
「私の父が先行の開拓者として向かってるので何か危険なことに巻き込まれてないか心配で...」
泣きそうな顔で船長様に訴えかけていた。
「確か君のお父さんはそうだったね。でも君を連れていくことはできない、万が一の場合に取り乱したりされたら私たちまで危険な状況になりかねない。
ミスズちゃん、まずは一旦落ち着こう。
大丈夫、お父さんはきっと無事だから...」
さすがはこの船の船長様。人のメンタル管理もしっかりとできている。
「分かりました...」
「それだったら代わりにホープを連れていくのはどうかな?」
カスミ様は船長様にそのような提案を述べた。
「ふざけるな、なぜこんなガキロボットといっしょに捜索にあたらなければならないんだ。
それこそ私たちにトラブルを持ってくるのがオチだろう。」
「何言ってるんだか。自分が機械嫌いだからって効率考えろっての。」
マコト様とまた言い合いになってしまっている。つかさず船長様が間に入る。
「マコトさん、お気持ちは分かりますが今は個人の考えだけで動くわけにはいきません。
ホープがいればある程度捜索も捗ります。
ホープ、あとでマリスのエリアAの見取り図を見せるからそれを記憶しておいて欲しい。」
「承知いたしました。」
さっそく私は大役を任されることとなった。
「やったじゃねぇかホープ!いきなり船長がお前を頼るなんて!」
「ほんとだよ!ツトムなんてこんな態度だから頼まれることなんてそうそうないんだから!」
「おい一言余計なんだよ!」
ツトム様、ミナミ様が私に向けて激励を飛ばしてくれた。ケント様も私の肩に手をおいて頷いている。
「よし、ミーティングは終わりだ。準備が出来次第、『マリス』への最終ワープに入る。
各自持ち場にてワープの最終確認をしておいてくれ。では準備にかかってくれ。」
そうしてミーティングは終わった。船長は自室へと一旦戻って行った。
「さて、まずはエアロックを確認してこよう。宇宙服と備蓄、あとは通信デバイスの調整もあるね。」
「アラタくん、僕も手伝うよ。」
アラタ様、ケント様はそう言い部屋を出る準備をする。マコト様は何も言わずに部屋を出て行った。
「さてと、操縦席を確認してくるとしますか。」
「ツトムさん、私も手伝います!」
ツトム様、ミスズ様はこの船の操縦席のあるエリアへ向かっていった。
「私とアスカさんは医務室の準備にいきましょう。きっとたくさんの薬や包帯とか設備が必要になるので」
「わかったわ。」
ミナミ様、アスカ様は医務室へと向かっていった。
「ホープは僕たちと一緒に来るかい?」
アラタ様は私にそう提案してきた。すると横からカスミ様が来て。
「アラタくん、一旦ホープと一緒にいてもいいかい?少し見せたい物があってね。」
「わかりました!カスミさんが一緒なら安心です!じゃ何かあったら3Fのエアロックにいるからね!」
そう言ってアラタ様たちは部屋を出て行った。
「さてと、そしたらホープに見せたいものがあるから私たちも行こう。」
「見せたいものとは?」
「それは着いてからのお楽しみさ、さぁ行くよ!」
私たちは部屋を出てエレベーターで3Fへと向かった。
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