一片の雪

希塔司

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第二章 「やはり元カノって存在はうざい...」

第11話 「相談」

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「お前バカだろ陸。そりゃ怒るって」

大学の昼休みに透に相談をしたらそんな答えが帰ってきた。
まぁそりゃ返す言葉もない。




「それに美緒のやつもなかなかにズルいな。いくら元カノとはいえまさかそんなことするとは思わなかったわ。」


「いやおれもそう思う。
まさか呼び出し食らった上に家に連れ込まれるとは思ってなかった。」



そう誤魔化してはいくものの、さらに透には詰められていく。






「つーかそもそもなんで美緒のところ行ったんだよ、それ自体が間違いじゃねぇかよ。
お前がいつまで経っても突き放さねぇから未紗ちゃん傷つけることになってんだからさ」



さすがに今回ばかしは透が全面的に正しい。




「てかどうだったんだよ、久々美緒を味わった感想は?」


「言い方な、それじゃ取って食ったような感じじゃねぇかよ。まぁ悪くはなかったけど」



「やっぱり食ってんじゃねぇかよw
美緒以外にしてもらえねぇからってそりゃないだろ」



「しょうがないだろ、まともに関わってる女って美緒ぐらいしかいないし!
てかお前だって最初は美緒のこと狙ってたじゃねぇかよ!」


「いやー確かに高校の時は一時期狙ってたよ?ただすぐにおれの前で化けの皮剥がれたっていうか、拍子抜けっていうか」



そうか、そういやクールビューティーに見せかけて本当に性格悪かったなと思い出すといろいろとそんな節があった。



「とにかくだ、お前がやらかしたんだから未紗ちゃんに必ず謝り入れろよな。
じゃねぇとおれ狙えなくなるんだからな。」



「いや心配するとこそこかよ!」


「そりゃそうだろ!陸の親友であるおれまで話しかけらんねぇ状況になってんだから、責任とれよな」



まぁそれも確かに全面的におれが悪いんだけどさ...





しばらくメシを食って対策を考えていると、学食を買ってた朱音さんがこっちに向かってきた。
てか顔めっちゃ険しいんだけど、もしかしてバレてる?



「ねぇ陸くん、今ちょっといい?」


「え、いいけど...」



怯えながら朱音さんに着いていくことに。








     ーーーーーーーーー


着いてきた先は使ってない空き教室。
一体どんな話されるんだろうな。
やっぱり顔険しいからブチ切れてるんだろうな。




「陸くん」
ヤバい、また詰められる。




「どうしたの朱音さんここまで連れてきて」
どうにかして誤魔化そうとした。












次の瞬間...









「このやり○んがー!!」
そう叫びながらおれに思いっきりビンタしてきた。






ええ!最早実力行使してくるやつ!?








「あんた未紗が今日どんな思いで学校来てたか分かってんの!?」



顔痛い。

「いやー、おれだってあのときは驚いたんだよ。まさか未紗さんがあの駅の近くに住んでるって思ってなくて...」


ヤバい、なんとか誤魔化さないと...









「未紗、今日泣いて学校来てたんだよ。
あんな未紗を見たのほんとに久しぶりなんだからね」






そうか、そりゃ誤魔化せそうもないよな。
泣いてるの見たらさすがに誰だって怒るし








「未紗、陸くんにひどいとこ見せちゃったって私に相談してきたんだよ?
もう話しかけないでって言っちゃったって...」







え...


相談してただろう内容と全く違う...








「んでなんでそんなこと言ったのって聞いたら、あんたが元カノと会って楽しそうに話してたって。
自分と話してるときと距離感だったり関係性だったりで完全に負けてるって...
呼んでた時間が終電間際なら、あんた元カノん家にあがってお楽しみだったんだろうね?」




「あいつは昔からボケたりしてやたらとおれにツッコミ入れさせようとしたり、それにあいつとは関係長いから...」

弁明しようとしたけど間髪入れずにさらに詰められる。



「言い訳すんな!
普通女が自分の家に連れ込んだらそういうことになるってちょっと考えたらわかるでしょ!?
ついてったあんたも同罪よ!」


もうダメだ。
おれの完敗だ...


おれは土下座しながらなんとか機嫌を直そうとした。



「申し訳ありません朱音さん。どうか許してください。今回は一時の気の迷いで...」

言いかけた瞬間








「謝る相手が違うだろーがー!!」



さっき引っ叩かれた方と反対の頬に追撃のビンタを食らった。









      ーーーーーーーー

2人で食堂に戻って透と合流してこれからどうすればいいか相談することになった。
透はなんでおれの顔がトマトのように赤く腫れてるのか聞かれたけど朱音さんの笑顔の圧に屈してた。



「さて、透くん。陸くんはしっかりと今回の罰を受けました。
これから未紗と仲直り大作戦の内容を考えよう!」


「いや待って朱音ちゃん。罰与えたのあなたでしょ」


「まぁ細かいことは気にしない!
とにかく、私もあんな風になった未紗を見るのは久しぶりだからちょっとどうしたらいいか悩むんだよねー」



そう、未紗さんとどう仲直りしようかすごい悩むところ。



「とりあえず陸、何かしらお詫びのプレゼントするしかねぇだろ」



「まぁ確かに単純に誠意を見せて謝罪するしかないよな...」



「未紗はアロマとか集めてるからそういうの買ってちゃんと謝れば許してくれるよ。

多分」



え、多分ってなんだよ


「未紗はほんとに純粋だから、陸くんがそんなことするような人じゃないよねってずっと思ってたんだって。
まぁ今となっちゃ私含めてこんな人だとは思わなかったって軽蔑してるけどね」



ごもっともでございます


「しっかし驚いたよ、陸くん絶対童貞だろって思ってたから。
見た目によらないんだねー人は。」



余計なお世話だと思ったのはおれだけじゃないはず



「まぁ陸、とりあえずそのアロマ買いに行って明日にでも謝ろうぜ。
おれも着いてくからさ」



透...
おれ女だったらこの器のでかさに惚れるよ...




「そうね、私も着いてく。
陸くんたちじゃ未紗の好みの匂いわからないだろうし」



朱音さん...
おれを軽蔑しながらも寛大深いその優しさ...
感動の1シーンみたいだ。



「2人とも、ありがと。とりあえず今日帰りに買いに行こう」



そう決めて帰りにアロマを買いに行くことになった。
せっかく大学で初めてできた女友達、大切にしたいから。






  


       ーーーーーーー

学校が終わり、2人と待ち合わせをしてアロマショップにこれから向かう。



「さて、陸くん。問題です。未紗はどんなアロマの匂いが好きでしょうか?」
唐突に朱音さんがそう聞いてきた。


「え、そうだな...

無難にウッド系だったりラベンダー系だったりなのかな?」


「残念違います、透くんはどう?」


「爽やかなミントや柑橘系だったり?」


「透くんもはずれ!正解は着いたら教えるよ」




なんだろう、こうして誰かと帰りに寄り道したりってのが高校からの憧れだったってのはある。
もちろん透とか男友達とはそこそこあるけど、女友達とこうして買い物だったりはほんとにおれにとって貴重な感じ。







「え、めっちゃ可愛いんだけど!どこの大学通ってんの?」

「モデルみたいでちょーキレイだわー!」

「女の私でも見惚れちゃうんだけど...」



なんかザワザワしてないか、校門の方で。
めっちゃ人集まってるし。
え、何?この学校モデルでも通ってんの?


なんか嫌な予感が...








「あ、いたいた!おーい陸ー!!」




聞き覚えのある声が聞こえた。
そう、取り囲まれてたのはあの美緒だった...







「おいあれ美緒だぞ!なんでうちの大学知ってんだよ!
どういうことだ陸!?」


透が焦りながらおれに聞いてきた。
校門にいる美緒がどんどん近づいてきてそしておれに抱きついてきた。







「迎えに来ちゃった...///」



「迎えに来ちゃった...じゃねぇんだよ!?
てかお前なんでおれの通ってる大学知ってんだよ!?」



側からみたら怖ぇよマジで



「いやー透と確か一緒だなーって思い出して、それで真衣に聞いてみたらあっさり教えてくれたよー。
あ、久しぶり透!元気にしてた?」


「あ、ああ。久しぶりだな美緒...」



透めっちゃ怯えてる...
何か弱みでも握られてんのか...
てかあのバカ、何勝手に教えてんだよ。


ちなみに真衣はおれらと高校が一緒で美緒とは中学から一緒だ。





「...陸くん、この人って?」
朱音さんが不機嫌になりながら聞いてきた。



「そ、そうだよ。こいつがおれの元カノ...」



「やだなー陸恥ずかしがって、今カノでしょw
初めまして!杉浦美緒でーす!陸とは高校からの付き合い!
あなたは陸の第6夫人?w」


「は?違うから。狙ってないわ。つーか第6夫人ってなんだ。なんで私がいかにもモブのような扱いされなきゃなんないんだ。」



ヤバい、朱音さんがまたブチ切れる...



「あれ、そういえば朝会ったあの子はいないのー?
同じ大学でしょ確か?」



「未紗は来ませんよ、それより初対面なのに随分と馴れ馴れしい人なんですねー
程度が知れちゃうわ」


おいおいこんなとこでバチバチしないでくれ頼むから




「え、何?逆に初対面なのに初っ端から喧嘩腰な感じなのー?怖いんだけどw
童顔なのにそんなに口悪いくて眉間にしわばっかでやだーw」



「あ?」

「んー?」


何かが見える、恐ろしい般若と嘲笑ってる魔女が...





「美緒、マジ何しに来たんだよ?おれはこれから未紗さんに謝るお詫びの品を2人に付き合ってもらって買いに行くんだよ。
何も用ないなら帰れって」


「冷たいなー陸は。そうやって私を蔑ろにしちゃっていいのー?w
あと透、分かってるよね?」

笑顔で透の方を見つめる美緒





「ま、まぁ陸。女性意見は多いほ、方がいいぞ...」


マジで何握ってんだよ美緒のやつ...





「よーし!というわけで私も混ざりまーすw
というわけでレッツゴー!」





どうしてこうなった...


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