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一章
第三十六話
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ーーーーーい!圭!おい!起きろ!圭!」
イルヴァが叫んでいる、どうしたのだろうか。
………………ああ、そういえば倒れたんだった。
痛くて、苦しくて、泣きそうになるほど辛かった。
情けない限りだが、それほどまでに魔力の嵐は自分の身体を蝕み、改変した。
まるであの杖を振るうための身体に変えられたようなそんな感覚が身体の中を駆け巡っている。
「イルヴァ、か……」
むくりと起き上がった圭の眼の前にイルヴァの顔が映される。
「無事だったか……まったく、死んだかと思ったぞ」
そう言うイルヴァに呆れたように反論する。
「いやいや、お前が大丈夫だって言ったんじゃ無いか」
「確かにそう言ったが、あの苦しみようではそう思うのも仕方ないだろう……」
仔犬のようにしゅんとしながら呟くイルヴァにギャップを感じたが、頭を振っていらない考えを消し去った。
「まあ、なんにせよ俺はこの龍杖を扱えるようになったんだ。結果オーライだよ」
「…………はぁ、もう終わった事だ。気にしない事にしよう」
そのイルヴァの言葉にくつくつと笑いながら圭は同意を示した。
「そうしておけ………………店主さん、これの値段っていくらだった?多分かなり高額なんだろう、くらいしか分からないんだ」
そう言って顔を曇らせながら更に続ける。
「多分これの代金は払えないと思う。申し訳ないが、分割払いは出来ないか?」
そう言うと、店主は首を横に振った。
「いいや、そいつはタダでくれてやる。
どうせ坊主しか使えないようになったんだ、お前が使うといい」
そう言って、店の奥へと消えていった。
「…………らしい。ま、お言葉に甘えるとするか」
店主を見送った圭はそう肩をすくめた。
そんな姿にイルヴァは呆れながらも頷いた。
「そうだな。では、行くとするか」
少し笑いながら出口の方に脚を向けた。
図らずも強力な武器を手に入れてしまった圭達は昨日受注した『パワーベア』討伐の依頼をこなす事にした。
「さて、スノウリーフの外に出たのはいいものの『パワーベア』は何処にいるんだ?」
「お前……ギルドに聞いておくなり何なり出来ただろう」
肝心な事を忘れていた圭にイルヴァは思わずため息が出てしまう。
強力な武器を得てもやはり、二人の前途は多難である。
イルヴァが叫んでいる、どうしたのだろうか。
………………ああ、そういえば倒れたんだった。
痛くて、苦しくて、泣きそうになるほど辛かった。
情けない限りだが、それほどまでに魔力の嵐は自分の身体を蝕み、改変した。
まるであの杖を振るうための身体に変えられたようなそんな感覚が身体の中を駆け巡っている。
「イルヴァ、か……」
むくりと起き上がった圭の眼の前にイルヴァの顔が映される。
「無事だったか……まったく、死んだかと思ったぞ」
そう言うイルヴァに呆れたように反論する。
「いやいや、お前が大丈夫だって言ったんじゃ無いか」
「確かにそう言ったが、あの苦しみようではそう思うのも仕方ないだろう……」
仔犬のようにしゅんとしながら呟くイルヴァにギャップを感じたが、頭を振っていらない考えを消し去った。
「まあ、なんにせよ俺はこの龍杖を扱えるようになったんだ。結果オーライだよ」
「…………はぁ、もう終わった事だ。気にしない事にしよう」
そのイルヴァの言葉にくつくつと笑いながら圭は同意を示した。
「そうしておけ………………店主さん、これの値段っていくらだった?多分かなり高額なんだろう、くらいしか分からないんだ」
そう言って顔を曇らせながら更に続ける。
「多分これの代金は払えないと思う。申し訳ないが、分割払いは出来ないか?」
そう言うと、店主は首を横に振った。
「いいや、そいつはタダでくれてやる。
どうせ坊主しか使えないようになったんだ、お前が使うといい」
そう言って、店の奥へと消えていった。
「…………らしい。ま、お言葉に甘えるとするか」
店主を見送った圭はそう肩をすくめた。
そんな姿にイルヴァは呆れながらも頷いた。
「そうだな。では、行くとするか」
少し笑いながら出口の方に脚を向けた。
図らずも強力な武器を手に入れてしまった圭達は昨日受注した『パワーベア』討伐の依頼をこなす事にした。
「さて、スノウリーフの外に出たのはいいものの『パワーベア』は何処にいるんだ?」
「お前……ギルドに聞いておくなり何なり出来ただろう」
肝心な事を忘れていた圭にイルヴァは思わずため息が出てしまう。
強力な武器を得てもやはり、二人の前途は多難である。
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