氷結セシ我ガ世界

晴れのち曇り

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一章

第二十三話

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「マジか……」

「まじ……?」

 圭が頭を抱えていると、圭の言葉が聞き慣れないものだったらしく、オウムのように聞き返して来た。

「ああ、本当か。と言う意味だよ」

 そう言うとイルヴァは感心したように手をポン、と叩いた。

「なるほどな、本当か、か。ふむ、異世界の言葉は面白いな」

「はあ……それで、本気なのか?」

 圭がため息混じりに聞くと顎に手を当てながら首を傾げた。

「本気……とは何を指しての本気なのだ?」

「俺と行動を共にする、と言うことだ」

 そう圭が補足するとああ、と言って一つ頭を縦に振った。

「当然だとも、我は嘘を言わん」

「はあ……分かった、勝手にしてくれ……まったく、今日異世界に飛ばされて、その日のうちに伝説の古龍が仲間になるとか、急展開すぎるだろ……」

 そう呟くとイルヴァは眼を輝かせた。

「ほう!お前は今日この世界に来たというのか!ますます面白い奴だな」

「面白いものか……今日は人生最大の厄日だ……あと、俺のことをお前って言うのは止めろ」

「ふむ?ではどう呼べいい?」

「普通に圭で良いよ、俺もイルヴァって呼ぶし」

「ふむ、ではそうしよう」

 そう言うとイルヴァは少し嬉しそうに笑った。

「…………?どうした急に笑い出して」

「いやな、まさかこの我が人間に名前で呼ばれる日が来るとは思わなんだ。いやはや、長生きはしてみるものだ」

 そう言ってイルヴァは更に笑顔を深くした。
 その笑顔に圭は心臓が高鳴るのを確かに感じた。

「と、取り敢えず!」

 若干言葉につまりながら、それ高鳴りを気づかせないように一際大きな声を上げた。

「取り敢えず、だ!先ずは今日の宿を探そう」

 イルヴァは圭の挙動に僅かな疑問を抱いたようだったが、それに触れる事はしなかった。

「ふむ……宿か。圭よ、お前は何処か宿を知っているのか?」

「いや、今日ここに来たばかりだからな……そもそも何処に何が在るのかすらわからん」

 圭の言葉にイルヴァはガックリと肩を落とした。
 しかし、圭にはがあった。

「だがな、そういうのを教えてくれそうな女性を知っている。その人に聞いてみよう」

 そう言うとなるほど合点がいった、と言わんばかりに手を打った。

「そうか!当てがあるのなら良い!では行くとするか」

 イルヴァの一言で二人は薄暗い路地裏から大通りへと向かうのだった。
































「ちなみに、イルヴァってさっき長生きはするもんだって言ってただろ?」

「ふむ?確かに言ったが、それがどうかしたか?」

「いやな、ふと思ったんだがお前って一体どれくらい生きてるんだ?」

「ふむ……女に歳を聞くものではない、と言いたいところだがまあいいだろう。我はかれこれ千年は生きておるな」

「えっ」
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