氷結セシ我ガ世界

晴れのち曇り

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一章

第二十二話

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「うわぁ……」

 正直ドン引きである。圭もまさか頭パーンをするとは思っていなかった。
 異世界に来て精神が変貌したと言っても、さっきまで生きていた人間の頭が弾け飛ぶというのは初めてである。
 いくら悪人誘拐犯と言えど同じ人間である。流石にものがあった。

「ふん、当然の報いだ」

 そう吐き捨て、イルヴァは男の腕の中にいた我が子を抱え上げる。

「おお、我が子よよくぞ無事であった。…………礼を言うぞ人間、いや圭よ」

 イルヴァは身体を圭の方に向き、真っ直ぐと彼の瞳を見つめながら礼を言った。

 と思ったら、くすりと可笑しそうに微笑んだ。

「おっと、そう言えば特に何もしていなかったなは」

「ーーーっ!」

 その微笑があまりにも綺麗で、夕陽に照らされたその美貌があまりにも美しくて、呼び方が貴様からお前に変わっていたことさえ圭には気づけなかった。

 なおも面白そうに笑っているイルヴァはそうそう、と圭にとって予想外の言葉を言った。

「今後我はお前と行動を共にすることにした」

「…………はっ?」

 うん、ヨクキコエナカッタナー。オカシイナー。

「だから、我は圭、お前と行動を共にする、と言ったのだ」

「えーと、因みに何故か、とかは聞いても?」

「うむ、お前が面白かったからだ」

 うん、ちょっと何言ってるかわからない。

「いやな、我は古龍だろう?」

「うん」

「伝説の存在だとか言われておるだろう?」

「うん」

「普通の人間は我の正体を知れば恐れるだろう?」

「うん」

「だからだ!」

「なるほど」

 さっぱりわからん。

「ええい、何故分からん!?つまりはだな、その普通の人間の反応をしなかったお前に興味を持ったからだ!」

 それはね、俺が異世界人だからだよ。なんて言っても信じてもらえるか分からないしなぁ。

「なに、異世界人だと?……なるほどな、ならば我への反応も納得がいく。いやしかし、異世界人とはこれまた面白い!」

「あー、イルヴァさん?」

「ん?どうした改まって」

「何故さっきからずっと俺の心を読んでいるのでしょうか?まさかそういう能力が?」

 圭がそう言うとキョトンと不思議そうな顔をして直ぐに、質問の意味を察したのか声を上げて笑い出した。

「ハハハハハ!何を言っているのだお前は。ずっと声に出していたではないか!」



















 なんと。
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