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一章
第十六話
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古龍、それはあらゆる生命の頂点に立つ存在。
神すら屠る最強種。何者にも侵されず君臨する。
全知とも言われる程の知識を有しているとされる。
目撃情報はほとんど無く、出会うことができればそれは奇跡と言えるだろう。
しかし、次の瞬間には世界から消えているかもしれないが。
とは言うものの、彼等は好戦的な種では無い。闘いを挑むような愚か者などおらず一目散に逃げ出すからだ。
故に彼等を怒らせなければ殺されることは無いとされている。
そう、怒らせなければ。
少し時間が戻って、圭がギルドを後にしてすぐの事。とある男を目撃していた。
その男は黒い外套を着ており酷く影が薄いように感じた。圭が眼を凝らして漸くぼんやりと姿が見える、と言った具合だ。
ーーースキルか?魔法か?それとも装備?…………いや、何であれそれを出来るほどの実力者という事か。
などぼんやりと考えていると、男の外套の中から白とも水色とも言えぬ何とも不思議な色の何かが見えた。
よくよく見てみると、それは細く綺麗な何かの尻尾のようだった。時折ゆらゆらと揺蕩っているところから恐らくは生き物なのだろう。
うっすらと尻尾に鱗のような物が見える。
ーーー爬虫類……蜥蜴か。
圭は自分の中で結論をつけ、それ以上男や尻尾の事について考えるのを止めた。
そして『パワーベア』の討伐を開始すべく、その事に意識を移した。
だがその時にもっと疑問に思うべきだったのだろう。
それは男が人目を憚っていたことでは無く、蜥蜴がこの極寒の気候に耐えられないと言う事だ。
では、蜥蜴でないとするならば一体何だというのか。
この世界に爬虫類のような見た目で、尚且つ極寒の気候に耐え得る生命体など限られている。
例えば亜竜。この個体達は竜や龍と比べる体格は大きく無く、力も弱い。しかし数が多い。
例えば竜や龍などのドラゴン。この個体達はそれぞれに属性を持つ。つまり魔法が使えるのだ。ドラゴンが街などに現れるとその街は壊滅の危機に晒される。
だからこそこの世界の知識があれば直ぐに妙だと気づくだろう。
それに気がついていればもしかしたらあのような面倒に巻き込まれる事も無かったかもしれないというのに。
しかしもう遅い。今からでは間に合わないだろう。
かの者の怒りを鎮める事は、誰にも出来やしないのだから。
神すら屠る最強種。何者にも侵されず君臨する。
全知とも言われる程の知識を有しているとされる。
目撃情報はほとんど無く、出会うことができればそれは奇跡と言えるだろう。
しかし、次の瞬間には世界から消えているかもしれないが。
とは言うものの、彼等は好戦的な種では無い。闘いを挑むような愚か者などおらず一目散に逃げ出すからだ。
故に彼等を怒らせなければ殺されることは無いとされている。
そう、怒らせなければ。
少し時間が戻って、圭がギルドを後にしてすぐの事。とある男を目撃していた。
その男は黒い外套を着ており酷く影が薄いように感じた。圭が眼を凝らして漸くぼんやりと姿が見える、と言った具合だ。
ーーースキルか?魔法か?それとも装備?…………いや、何であれそれを出来るほどの実力者という事か。
などぼんやりと考えていると、男の外套の中から白とも水色とも言えぬ何とも不思議な色の何かが見えた。
よくよく見てみると、それは細く綺麗な何かの尻尾のようだった。時折ゆらゆらと揺蕩っているところから恐らくは生き物なのだろう。
うっすらと尻尾に鱗のような物が見える。
ーーー爬虫類……蜥蜴か。
圭は自分の中で結論をつけ、それ以上男や尻尾の事について考えるのを止めた。
そして『パワーベア』の討伐を開始すべく、その事に意識を移した。
だがその時にもっと疑問に思うべきだったのだろう。
それは男が人目を憚っていたことでは無く、蜥蜴がこの極寒の気候に耐えられないと言う事だ。
では、蜥蜴でないとするならば一体何だというのか。
この世界に爬虫類のような見た目で、尚且つ極寒の気候に耐え得る生命体など限られている。
例えば亜竜。この個体達は竜や龍と比べる体格は大きく無く、力も弱い。しかし数が多い。
例えば竜や龍などのドラゴン。この個体達はそれぞれに属性を持つ。つまり魔法が使えるのだ。ドラゴンが街などに現れるとその街は壊滅の危機に晒される。
だからこそこの世界の知識があれば直ぐに妙だと気づくだろう。
それに気がついていればもしかしたらあのような面倒に巻き込まれる事も無かったかもしれないというのに。
しかしもう遅い。今からでは間に合わないだろう。
かの者の怒りを鎮める事は、誰にも出来やしないのだから。
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