氷結セシ我ガ世界

晴れのち曇り

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一章

第五話(ステータス有り)

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「かしこまりました。ではこちらに手をかざして下さい」

そう言いながら、受付嬢は水晶のような物を差し出した。

「こうか……?」

圭は言われた通り手をかざす。
すると、水晶の中から免許証より一回り大きい程度の大きさのカードが出て来た。

ーーー不思議な物だな、何もないところからカードが出てて来るなんて。それとま、水晶の中に入っていたのか?

先ほどの現象を考察してみるも、納得のいく答えが出てこない。

「カードが出て来ましたら、確認の方お願い致します」

そう促されカード見る。






















名前 新道 圭
性別 男
種族 人間
年齢 17

ステータス

レベル 8
生命力 2500
魔力  12000

筋力  450
体力  420
敏捷  510
器用  700
知能  1400
精神  1380
幸運  5

スキル
氷結魔法 生命感知 魔力強化 精神強化 不運

称号
英雄候補 氷帝 異世界より呼ばれし者




















ーーーこれは……?

「あー、すまない。ステータスの平均値ってどのくらいだった?」

嫌な予感がする。

「平均値ですか?……そうですね、戦いを生業とする方を除けばレベルは10、生命力は50、魔力は人によって様々なので測るのが難しいですが30くらいでしょうか」

因みに平均的なステータスはこの通りである。





レベル 5(兵士や冒険者、傭兵など戦う事を仕事とする者以外)
生命力 50
魔力  0~30(個人差が大きい)
筋力  10
敏捷  10
体力  10
器用  10
知力  0~20(魔力と同じく個人差が大きい)
精神  0~20(上記の通り)
幸運  10

スキル
職業によって異なる

称号
無し(持っている者はかなり少数)





















「そ、そうか……ありがとう、助かったよ」

ーーーレベルは平均以下なのにそれ以外は桁がおかしいぞ!あ、いや、幸運以外はだな。

ーーーというか、何故幸運だけこんなに低いんだ?…………ああ、そもそも不運じゃなければ異世界に呼ばれないか。

米粒程度しかない幸運値に若干の凹みながら、圭は足早に受付を離れた。

「おっ、終わったみたいだな。どうだ、あの受付嬢なかなか可愛いだろ」

先程の門番が近づきながら、ニヤニヤとだらしのない顔で話しかけて来た。
どうやら手続きが終わったらしい。
あとは圭の署名が必要な書類だけだったので、直ぐに終わらせて役所を出た。

「お疲れさん。借金を返すまで仕事以外で街から出られないが、そこは仕方のない事だと諦めてくれ」

役所から出て直ぐに門番がそう話しかけて来た。

「分かってるよ、仕方ない事だ」

「ああ、そう言えばお前さん金を稼ぐ当てはあるのか?」

今思い出したのだろう。ついでにと言うように頭をかきながら続けた。

「あー、無いな。何かいい方法はないか?」

そう言うと、あまりオススメしないが、と前置きして1つの提案をした。



























「冒険者、か……それしかないよな」

そう、あの門番に冒険者にならないかと言われたのだ。
確かにあのステータスなら直ぐに金は稼げるだろうが、当然命の危険が付きまとう。

圭は悩んだが、それ以外に道が無いならと冒険者になる事にしたのだ。

「冒険者ギルドはこの先のはずなんだが…………ああ、あったあれか」

圭の視線の先には役所と同じくらいの大きさの建物があり、看板には『冒険者ギルド』と書かれていた。

「取り敢えず、入ってみるか」





漸くここがスタートライン。ここから新道 圭の英雄譚が始まる。
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