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八話目
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○月○日 晴れです……晴れです……晴れです……
……あー、何というか……んー先日はだな、混乱したっていうか何て言うか……そう!乱心したんだよ!ニーナ殿ご乱心出会え出会え!的なやつですよ。まあ、忘れてくれ。
あれは本当の俺じゃないんだ……!え?じゃあ誰って?そりゃあ……妖怪さんじゃね?いや、この世界に妖怪いるのか知らんけど。あれだ、ゴースト的な存在だよ。
ほらいるだろ?恥ずかしがり屋なオバケさんが。背中を向けている時にだけ近づいて来て、向かい合っている時は両手で顔を隠すあいつだ。そう、てれ、てれ…………あれ、何だっけ?てれ……び?いや、なんか違うな。まあいいか。うん、まあそんな感じのやつだ。
いやまあ、冗談ですけど。うん、ごめんて。あー心にもないことっていうか、いやそれは違うな。うーん……なんていうか……言う予定になかったというか、うっかり本心が出てしまったといえか……うん?…………おやぁ?つまり、あれは本心だと……?
わ、忘れてくれい!マジで!頼むから!忘れて!!
えー……んんっ!まあ、そんな感じですわ。何とか上手いことやってますし?婿さんとの仲も良好ですし?おすし?
もうすぐで産まれるらしいよ、子ども。まあ、なんだかんだ言っても楽しみではあるんだよなぁ。
なんせ向こうの世界、前世では終ぞ見ることが出来なかったし…………性別逆だけどな、俺。
何て言うか、本当に色々あったような、なかったようなって思いであたくちの心はいっぱいいっぱいですよ。
いきなり知らんところに来て、知らん人の子どもだって言われて、驚いて、混乱して、泣きそうにもなったし。というか泣いたし。
そんでもって貴族だって言われてこれまた驚いてさ。魔法なんてものもあるし。ファンタジーな世界に来ちまったんだな、なんてカッコつけてみたり。
でもやっぱり地球が恋しくて、どうにか面影を探そうとしたり。この日記だって元々は地球のことを、俺の最初の両親のことを思い出せるようにするために、俺が俺であったことを忘れないようにするために書いたんだし。
じゃあ、次に書くのは子どもが産まれた頃かな。
次のページへ続く?
……あー、何というか……んー先日はだな、混乱したっていうか何て言うか……そう!乱心したんだよ!ニーナ殿ご乱心出会え出会え!的なやつですよ。まあ、忘れてくれ。
あれは本当の俺じゃないんだ……!え?じゃあ誰って?そりゃあ……妖怪さんじゃね?いや、この世界に妖怪いるのか知らんけど。あれだ、ゴースト的な存在だよ。
ほらいるだろ?恥ずかしがり屋なオバケさんが。背中を向けている時にだけ近づいて来て、向かい合っている時は両手で顔を隠すあいつだ。そう、てれ、てれ…………あれ、何だっけ?てれ……び?いや、なんか違うな。まあいいか。うん、まあそんな感じのやつだ。
いやまあ、冗談ですけど。うん、ごめんて。あー心にもないことっていうか、いやそれは違うな。うーん……なんていうか……言う予定になかったというか、うっかり本心が出てしまったといえか……うん?…………おやぁ?つまり、あれは本心だと……?
わ、忘れてくれい!マジで!頼むから!忘れて!!
えー……んんっ!まあ、そんな感じですわ。何とか上手いことやってますし?婿さんとの仲も良好ですし?おすし?
もうすぐで産まれるらしいよ、子ども。まあ、なんだかんだ言っても楽しみではあるんだよなぁ。
なんせ向こうの世界、前世では終ぞ見ることが出来なかったし…………性別逆だけどな、俺。
何て言うか、本当に色々あったような、なかったようなって思いであたくちの心はいっぱいいっぱいですよ。
いきなり知らんところに来て、知らん人の子どもだって言われて、驚いて、混乱して、泣きそうにもなったし。というか泣いたし。
そんでもって貴族だって言われてこれまた驚いてさ。魔法なんてものもあるし。ファンタジーな世界に来ちまったんだな、なんてカッコつけてみたり。
でもやっぱり地球が恋しくて、どうにか面影を探そうとしたり。この日記だって元々は地球のことを、俺の最初の両親のことを思い出せるようにするために、俺が俺であったことを忘れないようにするために書いたんだし。
じゃあ、次に書くのは子どもが産まれた頃かな。
次のページへ続く?
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