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第39話 廃旅館1

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 小野おの町は、温泉宿がある観光地である。
 中には廃業してしまう宿もある。
 そんな中で県道沿いにある廃旅館は心霊スポットとして有名である。
 地元の高校生グループが夜に肝試しに廃旅館に来ている。
 リーダー格の少年が先頭に入っていく。
 中は荒らされ落書きなどがある。
 高校生たちはゆっくり慎重に入っていく。
 女生徒がみんなに言う
 「やっぱり、帰ろうよ。」
 「ここまで来たんだ、帰れないよ。」
男子生徒が女生徒に答える。
 女風呂の脱衣所に入ると別の女生徒が
 「今何か聞こえたよ。」
 「やめてよ。」
帰りたがった女子とが鳴きそうな声で言う。
 リーダー格の少年は女風呂の中に入る。
 水の流れるような音が聞こえる。
 そして、髪を振り乱した女が現れる。
 突然のことに緊張していた高校生たちはパニックに陥り逃げ出す。
 彼らは建物の外に出ても止まらず、道路に飛び出す。
 少年2人が通りかかった車にはねられる。
 2人の少年は命を取り留めるが重体である。
 この事件をきっかけに警察と地元のボランティアが廃旅館を警戒することにする。
 警戒は初日からつまずく、女の幽霊を見たとか言う者が出てくる。
 中には無言で二度と廃旅館に近づかない者まで出る。
 警察官も廃旅館の周りを警戒するだけで誰も中に入ろうとしない。
 ボランティアの中の1人小野村篤史おのむらあつしは、テレビ局のオカルト番組に電話することを考える。
 しかし、テレビで放送されれば人が集まる恐れがある。
 そこで近所の寺の住職に除霊を頼む。
 住職は廃旅館の前でお経をあげるが途中で倒れてしまう。
 篤史は救護隊を呼ぶ。
 病院で目を覚ました住職は篤史に言う
 「あれは手に負えない、呪い屋の五條ならよい祓い屋を知っているかもしれない。」
篤史は住職の言葉を頼りに五條に連絡することにする。
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