再生の星のアウレール

第118話 サンパウロ、軍不要論

　エーミール市長は、南米と都市と精力的に交流しようとする。その中でもサンパウロのサントス・テラデージャス市長と気が合い交流を深める。
　そして、サントス市長は、エーミール市長の考えに傾倒していく。サントス市長は市議会で発言する。
　「我々のサンパウロに軍は必要ないと思いませんか。」「市長の考えはリオジャネイロ市長に感化され過ぎていませんか。」
　「確かに私はエーミール市長の考えに感銘を受けています。しかし、これは自分で出した結論です。」「軍がいなくていざと言うときどうするのですか。」
　「我々話は財政の２割を軍のために使っています。軍を動かせばもっと増えます。」「これは仕方ないことではないかね。」
　「我々はそこで思考を停止させてしまっています。」「我々が考えていないというのか。」
　「我々はどこと戦うのですか。」「それは攻めてくる敵だろうが。」
　「どこにそんなものがいるのです。」「・・・」
　「いないのではないですか。もし都市が他の都市に侵攻すれば、その都市は立ちいかなくなります。」「・・・」
　「今こそ、軍の存在の意義を問う時ではないのですか。」「この議題は重要だ。次の議会で話し合うことにしよう。」
市議会はサントス市長の提案を持ち越すことにする。サントスの軍不要論は、サンパウロ軍司令官の耳に入る。
　そして３日後、事件が起こる。サントス市長はいつも徒歩で庁舎に出勤していたが、そこへ暴走車が突っ込んできたのだ。護衛の機転で市長は無事だったが、護衛は重体のけがを負う。
　すぐに警察が捜査を始めるが軍と衝突する。軍も独自に捜査を始めたのである。サントス市長は軍の事件関与を疑う。
　事件は報道され、住民は軍が市長を抹殺しようとしたのではないかと思うようになる。サントス市長は街中で軍不要論の演説を行う。
　すると瞬く間に住民に軍不要論が広がり、デモが起きる。
　警察の捜査は進まず、軍は住民のデモのためこれ以上刺激しないように沈黙する。
　そんな中、再び市議会が開かれる。