57 / 256
第57話 帰って来ない2人
しおりを挟む
男は少し通りを歩くと裏道に入る。アウレールとクリスタは後をついて行く。裏道は汚く人通りが無い。アウレールは不審に思い男に言う。
「どこに連れていくつもりだ。」「いいところだよ。」
彼はクリスタの手を掴み、表通りに戻ろうと振り返る。すると人相の悪い男3人が道を塞いでいる。
「ここはもう通れないぜ。」
彼は男を睨みつけて言う。
「だましたな。」「いいや、本当のことだよ。子供だけで街に出したりしないんだよ。俺たちみたいなのがいるからな。」
男は笑いながら答える。さらに3人男が反対側から来る。クリスタがアウレールに言う。
「どうする。」「人数が多すぎるよ。」
「余計なこと考えるなよ。」「大切な商品だからな。」
幌付きのトラックが走ってくる。2人は男たちにトラックの荷台に乗せられると後ろ手に縛られ、布袋を頭からかぶせられる。
アウレールたちを乗せたトラックは街の中を走る。
午前の外出時間が終わったセレーネにアウレールとクリスタの服が届けられる。団員が2人が帰っていないことに気づく。このことはブルーノに伝わる。
「あいつら何やっているんだ。」「これは失敗したかもしれません。」
クルトが言うとブルーノが尋ねる。
「失敗てどういうことだ。」「私たちは、彼らを大人扱いしてますが、まだ14歳の子供です。ポートダグラスの治安は良いとは言えません。攫われたかもしれません。」
「まずいな。すぐに警察に連絡して、動けるもので探すぞ。」「急ぎましょう。」
団員が装甲車に乗って町へ出ていく。ブルーノは基地の電話を借りて警察に電話する。
「子供が2人帰って来ない。探してほしい。」「子供だけで外出させたのですか。それは出てきませんよ。」
「どういうことだ。」「この街の裏では子供は商品として扱われます。攫われた後では探しようがありません。」
ブルーノは、寒気を覚える。2人は自分を兄のように慕ってくれている。彼らの両親からも信用があればこそ預けられている。自分のミスで全てを失おうとしている。
何より彼らは大切な弟分である。ブルーノは走り出そうとして、クルトに止められる。
「ブルーノ、あなたは団長です。セレーネで報告を待ってください。」「しかし、2人が・・・」
「私が動きます。必ず連れて戻ります。」「ああ、頼む。」
ブルーノはうなだれる。クルトはこんなに落ち込む彼を初めて見る。
団員たちは街の各所で装甲車を降りて探し始める。
クルトは裏道を中心に道路の端に座り込んでいる者に声をかけていく。
そして、アウレールとクリスタを見た者を見つける。クルトは金を渡して質問する。
「彼らを誰が攫いましたか?」「2番街を徘徊するチンピラだよ。」
「そいつらのことを教えてください。」「・・・」
クルトはさらに金を渡す。
「連中は、恐喝から人身売買までなんでもする。チーム・カラスと名乗っているよ。」「カラスのたまり場を教えてください。」
クルトはさらに金を渡す。
「どこに連れていくつもりだ。」「いいところだよ。」
彼はクリスタの手を掴み、表通りに戻ろうと振り返る。すると人相の悪い男3人が道を塞いでいる。
「ここはもう通れないぜ。」
彼は男を睨みつけて言う。
「だましたな。」「いいや、本当のことだよ。子供だけで街に出したりしないんだよ。俺たちみたいなのがいるからな。」
男は笑いながら答える。さらに3人男が反対側から来る。クリスタがアウレールに言う。
「どうする。」「人数が多すぎるよ。」
「余計なこと考えるなよ。」「大切な商品だからな。」
幌付きのトラックが走ってくる。2人は男たちにトラックの荷台に乗せられると後ろ手に縛られ、布袋を頭からかぶせられる。
アウレールたちを乗せたトラックは街の中を走る。
午前の外出時間が終わったセレーネにアウレールとクリスタの服が届けられる。団員が2人が帰っていないことに気づく。このことはブルーノに伝わる。
「あいつら何やっているんだ。」「これは失敗したかもしれません。」
クルトが言うとブルーノが尋ねる。
「失敗てどういうことだ。」「私たちは、彼らを大人扱いしてますが、まだ14歳の子供です。ポートダグラスの治安は良いとは言えません。攫われたかもしれません。」
「まずいな。すぐに警察に連絡して、動けるもので探すぞ。」「急ぎましょう。」
団員が装甲車に乗って町へ出ていく。ブルーノは基地の電話を借りて警察に電話する。
「子供が2人帰って来ない。探してほしい。」「子供だけで外出させたのですか。それは出てきませんよ。」
「どういうことだ。」「この街の裏では子供は商品として扱われます。攫われた後では探しようがありません。」
ブルーノは、寒気を覚える。2人は自分を兄のように慕ってくれている。彼らの両親からも信用があればこそ預けられている。自分のミスで全てを失おうとしている。
何より彼らは大切な弟分である。ブルーノは走り出そうとして、クルトに止められる。
「ブルーノ、あなたは団長です。セレーネで報告を待ってください。」「しかし、2人が・・・」
「私が動きます。必ず連れて戻ります。」「ああ、頼む。」
ブルーノはうなだれる。クルトはこんなに落ち込む彼を初めて見る。
団員たちは街の各所で装甲車を降りて探し始める。
クルトは裏道を中心に道路の端に座り込んでいる者に声をかけていく。
そして、アウレールとクリスタを見た者を見つける。クルトは金を渡して質問する。
「彼らを誰が攫いましたか?」「2番街を徘徊するチンピラだよ。」
「そいつらのことを教えてください。」「・・・」
クルトはさらに金を渡す。
「連中は、恐喝から人身売買までなんでもする。チーム・カラスと名乗っているよ。」「カラスのたまり場を教えてください。」
クルトはさらに金を渡す。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
戦場で死ぬはずだった俺が、女騎士に拾われて王に祭り上げられる(改訂版)
ぽとりひょん
ファンタジー
ほむらは、ある国家の工作員をしていたが消されそうになる。死を偽装してゲリラになるが戦闘で死ぬ運命にあった。そんな彼を女騎士に助けられるが国の王に祭り上げられてしまう。彼は強大な軍を動かして地球を運命を左右する戦いに身を投じていく。
この作品はカクヨムで連載したものに加筆修正したものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
いつか日本人(ぼく)が地球を救う
多比良栄一
SF
この小説にはある仕掛けがある。
読者はこの物語を読み進めると、この作品自体に仕掛けられた「前代未聞」のアイデアを知ることになる。
それは日本のアニメやマンガへ注がれるオマージュ。
2次創作ではない、ある種の入れ子構造になったメタ・フィクション。
誰もがきいたことがある人物による、誰もみたことがない物語がいま幕を開ける。
すべてのアニメファンに告ぐ!! 。隠された謎を見抜けるか!!。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
25世紀後半 地球を襲った亜獣と呼ばれる怪獣たちに、デミリアンと呼ばれる生命体に搭乗して戦う日本人少年ヤマトタケル。なぜか日本人にしか操縦ができないこの兵器に乗る者には、同時に、人類を滅ぼすと言われる「四解文書」と呼ばれる極秘文書も受け継がされた。
もしこれを人々が知れば、世界は「憤怒」し、「恐怖」し、「絶望」し、そして「発狂」する。
かつてそれを聞いた法皇がショック死したほどの四つの「真理」。
世界でたった一人、人類を救えも、滅ぼしもできる、両方の力を手に入れた日本人少年ヤマトタケル。
彼は、世界100億人全員から、救いを求められ、忌み嫌われ、そして恐れられる存在になった。
だが彼には使命があった。たとえ人類の半分の人々を犠牲にしても残り11体の亜獣を殲滅すること、そして「四解文書」の謎を誰にも知られずに永遠に葬ることだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる