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第48話 武器の供与

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 上海から空中戦闘艦セレーネと空中輸送艦がエリア29に向けて飛び立つ。
 その頃、ハンティング・ウルブズの事務所でコリンナはブルーノに言う。
 「ある方々は、ハンティング・ウルブズに武器を供与することを決定しました。」「傘下に入れと言うことか。」
 「いいえ、ある方々は、あなたに正義をなして欲しいと考えています。」「俺たちは住民の味方だぞ。」
 「それでいいのです。ある方々もそれを望んでいます。」「必要な物資なら足りている。武器の供与は必要ない。」
 「供与するのは空中戦闘艦とワルカと同じフレームシリーズのクリス3機です。」「ワルカに乗れるのはアウレールだけだぞ。」
 「クリスは、ワルカほど人を選びませんし、ガントやマグニより優れています。」「これであんたの仕事は終わりなんだな。」
 「いいえ、私はオブザーバーとして同行します。」「監視付きか。」
 「良い関係を築ければ助言できると思います。」「だといいが・・・」
ブルーノは考え込む。工場ではカイがアウレールに言う。
 「アウレール、お前、鮮血のワルカなんだって。」「カイまでやめてよ。」
 「かっこいいじゃないか。」「鮮血なんて血まみれみたいで嫌だよ。」
 「ジャックラビットの首領に鮮血の化け物と言われたんだろ。」「ワルカが赤いからだよ。」
 「腕を上げたんだから勲章のようなものだよ。」「鮮血のワルカか。」
アウレールは真紅のワルカを見上げてため息をつく。
 クリスタは、団員に交じって本格的に訓練に参加していた。
 副団長のクルトは13歳の少女が必死にくらいついているのを見てどうしたものかと考える。
 彼は13歳の子供にフル装備で走るのは無理だと考える。
 クルトはクリスタを呼び出して言う。
 「君の体力では団員の訓練について行くのは無理だ。訓練は、射撃と体術だけにしなさい。」「それではダメです。私、アウレールについて行くと決めたんです。」
 「彼は、パイロットだ、彼にも団員の訓練について行くのは無理だ。」「でも私は諦めません。」
 「分かった。君とアウレールには、射撃と体術の訓練をしてもらう。」「それで私も出動できるんですね。」
 「そうだな。ブルーノの手伝いをしてもらおう。」「はい。分かりました。」
クルトはクリスタをブルーノに押し付けることにする。彼は古参の部下をアウレールとクリスタのコーチにする。
 その日のうちから訓練は始まる。アウレールもクリスタも呑み込みが早かった。
 クルトの部下は、体術に加えてナイフを使った訓練も教えることにする。
 彼らが訓練を初めた翌日の夕方、エリア29に空中戦闘艦セレーネと空中輸送艦が到着する。
 セレーネは、全長200メートルの巨体である。エリア中の人々が集まってくる。
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