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第37話 傭兵団をめぐる世界の動き

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 初仕事が終わって、アウレールは戦いの無い生活に戻る。ハンティング・ウルブズからは初仕事の給料が出るが金額が多いため、両親に預かってもらっている。
 彼は今日も学校に魔剣セーデルを持って来ている。休み時間、セーデルで魔力コントロールの練習をする。彼はすでに自在に扱える。
 アウレールは、隣で見ているクリスタに魔剣セーデルを渡す。
 「試しにやってみたら。」「いいの。」
彼女はセーデルに力を込めて刃に魔力を乗せようとする。しかし、なかなかうまくいかない。
 「始めはうまくいかないよ。」「うん、難しいね。」
アウレールは自分の右手に魔力を集中させる。すると魔力が集まり右手を包む。彼は右手を手刀の形にすると魔力の刀が出来上がる。
 クリスタはそれを見て言う。
 「魔剣が無くてもできるの。」「試していたらできるようになったんだ。」
授業が終わるとアウレールとクリスタはカイの工場へ行く。工場ではロアが装甲車を楽しそうに改造している。
 アウレールはロアに話しかける。
 「ロア博士、俺、魔剣セーデルが無くても魔力の剣を作れるようになったんだ。」
彼はロアに右手に魔力の剣を作って見せる。ロアはそれを見るとほめたたえる。
 「すーばーらしい、あーなたには才能があーります。次は魔弾の練習をしましょう。」
ロアは右手に魔力をためると魔弾を撃ち出す。工場の壁に穴が開く。それを見たカイが怒る。
 「師匠止めてください。アウレールも丘で練習してくれ。」「分かりました。」
アウレールとクリスタは丘へ行く。彼は彼女に魔剣セーデルを貸す。
 2人は、魔力制御の練習を始める。それは2人の午後の日課になる。

 第1方面軍と第3方面軍は、第2方面軍討伐の情報を手に入れる。
 第2方面軍を討伐させたのはハンティング・ウルブズと言う傭兵団でエリア29の自警団が立ち上げたものだとわかる。
 エリア29の自警団は、タウンズビル軍本隊を壊滅させており、かなりの強敵である。
 第1方面軍と第3方面軍は、討伐を恐れてエリアからの徴税を行わないことにする。
 そして、アルミン司令官の指示に従うことを誓う。

 ハンティング・ウルブズの働きはカルフォルニアのフィクサーに報告される。
 ナンバー8のケヴィン・クラッセンが言う。
 「あの白いのが傭兵になったのか。」「今は真紅の機体になっているそうだぞ。」
ナンバー7のアレクシス・ハイゼが言う。
 「連中と何とかやれないかな。」「ケヴィン、懲りていないのか。」
ナンバー1のアウグスト・バッヘムがケヴィンに言う。
 「ナンバーズ除名もあり得たんだぞ。おとなしくしていろ。」「分かりました。でも戦う時は俺がやります。」
 「ハンティング・ウルブズについては放置する。あれは我らの案件ではないからな。」
フィクサーはハンティング・ウルブズを監視に留めることにする。

 秘密裏に都市同士で同盟を結んでいるレーガは、ハンティング・ウルブズの初陣の情報を得る。
 「連中は、戦いの手際がいいな。」「ワルカをうまく使っているのでしょう。」
 「あれにもう少し戦力を与えてはどうだろう。」「我々の駒として使うのですか。」
 「まだ、物になるかわからんが、空中戦闘艦とクリスを3機与えてみよう。」「まだ早いと思います。一度人を接触させましょう。」
 「コリンナ、エリア29へ行ってくれ。役割は分かるな。」「はい。」
コリンナ・ビュッセルは、返事をすると部屋から出ていく。

 このころ浮島では、デニス・オーマン地球司令官がエリア29の自警団が傭兵団ハンティング・ウルブズを立ち上げたことを知る。
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