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第18話 ワルカの力

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 ワルカは、ロアとカイによって見る間に組み上げられていく。アウレールは2人の手際の良さに驚く。
 彼はワルカの背中に刀が装備されていることに気づく。
 「ロア博士、刀が装備されていますけどどうしたのですか。」「こーれは魔剣グレンデルでーす。魔力を通すことで刀身を伸ばしたり、魔力の刃を飛ばしたりできます。」
 「魔力?俺はそんなもの使ったことが無いよ。」「あーなたはワルカに乗れるのですからかなりの魔力を使うことが出来るはずでーす。」
 「そう言われてもなー」「これを使いなさーい。」
ロアはアウレールに短剣を渡す。
 「これは?」「魔剣セーデルでーす。グレンデルとーおーなじ機能を持ってまーす。さあー力をこめなーさーい。」
アウレールは短剣を鞘から抜いて、刀身に力を籠めるように念じる。するとセーデルは刀身に模様を浮かび上がらせる。ロアがアウレールに言う。
 「見ーえますか、刀身に魔力が乗っていますよ。」「はい、短剣に何か集まっています。」
 「そーれーが魔力でーす。コントロールするのでーす。」「分かりました。」
アウレールは刀身を伸ばすイメージをする。するとセーデルに集まった魔力が刀身を構成して刀身が伸びる。
 「すーばーらしいです。つーぎーは飛ばーしてみましょう。」「こうかな。」
彼は、セーデルの刃先に魔力を集中させ。セーデルを振る。魔力は魔弾となって整備工場の壁に穴を開ける。
 「おーしいでーす。魔力のー刃をー作りましょ。」「難しいなあー」
カイが工場に穴を開けられて怒る。
 「やるなら外でやってくれ。」「弟子がおこーでーす。やれやれ。」
ロアは首を振る。カイはアウレールに言う。
 「ワルカの調子を見てくれ。広場は会議をしているから丘へ行くぞ。」「はい。」
アウレールはワルカに乗り込む。起動スイッチを押すと
 フィ、フィ、フィ、フィーン、フィーン、フィーーン、フィーーーン
 と鼓動を始める。ハッチが閉じ、スクリーンに外の映像を映し出す。そして、「ワルカ・オールセット」と表示される。
 アウレールは左手に盾を装備する。盾とシンクロを始め、10項目にパスの表示がされる。
 右手にライフルを装備するとライフルとシンクロしてパスの表示がされる。
 アウレールは丘へ向かって歩く、ロアとカイが付いて来る。
 丘に着くと彼は丘にある岩を目標にライフルを撃つ。反動も衝撃音もない。ただ、目標の岩が蒸発して消える。
 彼はライフルの威力に驚く。カイが思わず言う。
 「すげえー」
ロアは当然のように腕を組んでみている。アウレールは、次にビームバルカン砲を岩に向かって撃つ。次も反動も衝撃音もない。岩がズタズタになり崩れる。
 こちらは敵の数が多い時に効果がありそうだ。カイは興奮気味に見ている。ロアがアウレールに言う。
 「次はーグレンデルをー試しましょうー」「分かりました。」
アウレールは、ライフルを盾に収納して武装を刀にする。すると背中にロックされていたグレンデルがロックが外れ柄の部分が前にせり出す。
 ワルカはオートで右手でグレンデルの柄を掴む。彼はグレンデルに魔力を集中させ刀身に魔力を乗せる。そして、岩に切りつける。岩は抵抗なく切れる。
 次にグレンデルを振って魔力の刃を飛ばそうとする。しかし、魔弾となって丘に穴を開ける。魔弾の衝撃がエリア中に響き渡る。
 人々が丘に集まってくる。アウレールはしまったと思う。ロアがアウレールに言う。
 「まーりょくのコントロールが、ひーつようでーすね。」
カイは興奮して言う。
 「こいつがいれば勝てるぞ。」
カイは集まってきたみんなに見たことを言う。人々が歓声を上げる。
 みんな、軍と争いになって不安になっていた。しかし、ワルカの力を知って希望が見えていたのだ。
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