勇者がアレなので小悪党なおじさんが女に転生されられました

ぽとりひょん

文字の大きさ
上 下
257 / 303
第8章 魔獣を操る者

第20話 キルビス王

しおりを挟む
 国境を越えて進むとキルビス王国の騎士団と遭遇する。彼らは俺たちに声をかける。
 「見かけない装備をしているが、どこの者か?」「我々はエマール王国のカロリーネ王女一行です。通していただきたい。」
 「国境の砦で通行証を受け取ったはず。見せていただきたい。」「通行証はありません。」
キルビス王国の騎士団は不審に思ったのか。1人馬を走らせて離れていく。そして、騎士は語気を強めて言う。
 「砦をどうやって通って来た。」「話が通らなかったので力づくで通って来た。」
 「何、侵入者か。捕縛しろ。」
騎士たちが向かってくる。カロリーネが指示を出す。
 「ナツキ様、アニタ様、アヒム様お願いします。」「はっ。」
ナツキとアニタの姿が消える。アヒムは俺たちの前に立つ。突然、キルビス王国の騎士たちが落馬し始める。ナツキとアニタが突っ込んだのだ。1騎、ナツキとアニタの攻撃をすり抜け向かってくる。
 アヒムが剣を鞘を抜かずに使って騎士とすれ違いざまに剣と斜めに振り下ろす。騎士は剣を打ち込まれた勢いで落馬する。騎士の鎧は胸の部分が凹んでいた。
 キルビス王国の騎士たちは数十秒で皆地面に倒れている。カロリーネが騎士たちに言う。
 「ルーマ王国まで急ぎますのでこれで失礼します。」
騎士たちは思う。アレは化け物だ。国が亡ぶぞ。
 俺たちはそれから騎士たちとの戦闘もなく旅を続けるが、見張りが着くようになる。騎馬が俺たちの前方にいて俺たちが近づくと距離を取りながら見ているのである。
 3日後、俺たちの進む先に500騎ほどの騎士が待ち構えていた。アヒムがカロリーネに聞く。
 「どうしますか。迂回しますか。」「直進します。この程度の数障害にもならないでしょ。」「では、まっすぐ行きますよ。」
俺たちは皆平然としている。これまでの戦いと比べたら訓練にもならないだろ。しかし、相手は緊張して固まっている。
 俺たちがそろそろ兵たちが動き出すだろうと思っていたら、中央の最前列の兵が白旗を上げた。同時に兵は剣を手放す。降伏するようだ。白旗を持った兵か言う。
 「私たちは降伏します。なにとぞ民衆に対しての虐殺だけはやめてください。」「これはキルビス王の決断ですか。」
 「はい、そうです。」「何か誤解があるようですね。では、和平と国交を定めましょう。」
 「は!」「ですから戦争をしているわけではありませんよ。」
それを聞いて兵たちの腰が砕ける。俺たちは王宮に案内されて歓迎を受ける。キルビス王は俺たちに言う。
 「私は、エマール王国の天使と悪魔が攻めてきたと思い。滅ぼされると考えましたぞ。」「エマール王国の天使と悪魔ならこちらにいますわ。」
俺とアニタが前に出る。それだけでキルビス王は後ずさる。俺たちはキルビス王に通過する訳を説明する。するとキルビス王は言う。
 「次はハイドランド帝国に行くのですか。」「はい、そうなります。ラカルト語圏最大の国家で軍事力も最強を誇っていると聞いています。」
 「そうです。周りの国を併合して国力を高めています。我が国もいつ攻められるかわかりません。」「私たちは通るだけですから。」
 「それは難しいと思います。皇帝のアリュード四世は好色家です。あなた方を逃すはずはありません。」「ナツキ様、次の国の皇帝は私たち女性陣を拉致するかもしれませんよ。」
 「それは許せません。俺が切り捨てます。」
ナツキはアリュード四世に怒りを感じる。キルビス王はわざと皇帝の話をしたのだろう。俺たちが皇帝を倒しても、捕まってもキルビス王は腹が痛まないからだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...