勇者がアレなので小悪党なおじさんが女に転生されられました

第8章 魔獣を操る者

第8話 カロリーネのお茶会

　カロリーネは、俺とアネット、アニタ、ローズをお茶会に誘う。俺は女の子が話すようなことは話せないので断りたいが女王のお茶会とあっては参加するしかない。
　アニタが俺に困った顔をして質問する。
　「アニエス様、お茶会ではどんな話をすればよいのですか。」「私もお茶会は初めてなのでわからないわ。ネティーに聞いてみましょう。」
俺とアニタはアネットにお茶会のことを聞きに行く。
　「ネティー、お茶会のこと教えて。」「私も詳しくはないわ。カロリーネ様のことだから政治のことを相談したいのではないかしら。」
　「政治ですか、私は剣のことしかわかりません。」「アニタ、大丈夫よ。みんなに合わせていればいいわ。」
俺たちは結局、衣装をお茶会にあわせて買っただけで参加することになる。
　カロリーネは笑顔で迎えてくれた。彼女はナツキのことを話し始める。ナツキの魅力を存分に話した後、俺たちに言う。
　「ナツキ様は私１人では足らず、他の女の人とも関係を持つと思うのだけれどもどうかしら。」「必ず、他の女に手を出すと思います。なにか手を打ちますか。」
アニタがナツキの女癖を堂々とカロリーネに言う。カロリーネは予定していた言葉が返ってきたように言う。
　「私はナツキ様が他の女に手を出しても良いと思っています。」「浮気を認めるのですか。」
俺は驚いてカロリーネに言う。
　「浮気は隠れてするからダメです。私の認めた女性となら良いと思うの。」「カロリーネ様が認める女性ですか・・・」
ローズが汗を流しながら言う。俺は猛烈にやな予感がする。
　「私はここにいる女性とならば関係しても良いと思っています。」「いやー、やめてください！」
アネットが突然叫ぶ。彼女にとってナツキの残念ぶりはトラウマ級に違いない。
　「死んでも嫌です。」
アニタが言い切る。ローズが涙を流しながら言う。
　「カロリーネ様の命令なら従います。」
カロリーネは困った顔をして俺に言う。
　「アニエス様はどうですか、ナツキ様は特にあなたを気に入っているようです。」「私は男に興味はありません。女性が好きなのです。」
俺はカミングアウトするが、アネット、アニタ、ローズはナツキショックで俺のことまで注意が回らないようだ。カロリーネは残念そうに言う。
　「女性が好きなんですね。」「はい、男には興味ありません。」
　「分かりました。この話はここまでにしましょう。」
　カロリーネは話を打ち切るが、アネット、アニタ、ローズのショックは大きく使い物にならない。カロリーネは俺を相手に話を始める。
　「荒野の馬車の行方不明は知っていますね。」「はい、まだこれと言った情報がないはずです。」
　「そうですが、情報省からある情報があったのです。」「確かな情報ではないのですね。」
　「はい、馬車をさらう魔獣を調べていたらドラゴンしかいないということになりました。」「ドラゴンなんてこの国にはいませんよ。」
　「分かっています。レッドドラゴンとブラックドラゴンのどちらかではないかと言う結論なのです。」「確かにシルバーグリズリーの群れの出現も不自然でした。」
　「と言うことは、ドラゴンがいる可能性があるということですね。」「私はそこまで言っていません。」
　「参考になりました。」
カロリーネは１人で納得する。俺は壊れた３人をどうやって連れ帰るか考える。