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第7章 王都への帰還
第12話 国王軍崩れる
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バスラー男爵が、サヴォア伯爵とヴォーデモン男爵に内密の話をする。
「私は、リヒャルト王を裏切りたいのではないが、このままだと我々は人身売買組織の一員と疑われてしまう。貴殿らはどう思う。」「王都から抜け出すつもりですか。」
「王に従うことも役目だが、領民を守らねばならない。一緒に王都を逃げ出さないか。」「私とヴォーデモン男爵は最後までリヒャルト王に従うつもりです。」
「貴君らの忠誠を尊敬ますが、私はついて行けません。」「そうですか。カロリーネ様に力を貸すことはやめてください。」「私は領地に帰ります。」
バスラー男爵の軍は夜陰に紛れて王都を出発する。サヴォア伯爵がヴォーデモン男爵に言う。
「これで残るのは、私と男爵だけだな。」「まだ我々には力がありますよ。」
「あの力は最後まで使いたくないな。」「私もそう願っています。」
朝になるとバスラー男爵の軍が抜けたことが知れ渡る。士爵たちがざわつき始める。今夜にも士爵たちは王都から去るだろう。
サヴォア伯爵に彼の軍の騎士団長が質問に来る。
「我々は王都を去らないのですか。」「私は最後まで王に仕えるつもりだ。」
「王は人身売買に手を染めていたのですよ。忠義を尽くす愛ではないと思います。」「言葉が過ぎるぞ。」
「私の娘はさらわれたままです。どうかカロリーネ様に仕えてください。」「それはできない。」
「まさか伯爵も人身売買に関わっているのではありませんね。」「私を疑うのか。」
「申し訳ありません。私は人身売買に関わっている連中が憎いのです。」「分かった。騎士団長の任を解く。好きにしろ。」「お世話になりました。」
その夜、士爵たちの軍が王都を抜け出す。朝になり、国王軍は半数以下になっていた。サヴォア伯爵の元騎士団長が堂々と門から出ていく。これには彼を慕う騎士たちが着いて行く。
元騎士団長が、騎士たちに言う。
「お前たち頭が悪いな。俺はカロリーネ王女の軍に投降しに行くんだぞ。」「偶然、行き先が同じだけです。」
騎士たちが応じる。彼らが投降して、国王軍の状況が判明する。リヒャルト王に従うのは、サヴォア伯爵とヴォーデモン男爵だけで軍は逃げ出す連中が多いため、疑念が渦巻き士気が下がり、戦える状態ではなかった。
「私は、リヒャルト王を裏切りたいのではないが、このままだと我々は人身売買組織の一員と疑われてしまう。貴殿らはどう思う。」「王都から抜け出すつもりですか。」
「王に従うことも役目だが、領民を守らねばならない。一緒に王都を逃げ出さないか。」「私とヴォーデモン男爵は最後までリヒャルト王に従うつもりです。」
「貴君らの忠誠を尊敬ますが、私はついて行けません。」「そうですか。カロリーネ様に力を貸すことはやめてください。」「私は領地に帰ります。」
バスラー男爵の軍は夜陰に紛れて王都を出発する。サヴォア伯爵がヴォーデモン男爵に言う。
「これで残るのは、私と男爵だけだな。」「まだ我々には力がありますよ。」
「あの力は最後まで使いたくないな。」「私もそう願っています。」
朝になるとバスラー男爵の軍が抜けたことが知れ渡る。士爵たちがざわつき始める。今夜にも士爵たちは王都から去るだろう。
サヴォア伯爵に彼の軍の騎士団長が質問に来る。
「我々は王都を去らないのですか。」「私は最後まで王に仕えるつもりだ。」
「王は人身売買に手を染めていたのですよ。忠義を尽くす愛ではないと思います。」「言葉が過ぎるぞ。」
「私の娘はさらわれたままです。どうかカロリーネ様に仕えてください。」「それはできない。」
「まさか伯爵も人身売買に関わっているのではありませんね。」「私を疑うのか。」
「申し訳ありません。私は人身売買に関わっている連中が憎いのです。」「分かった。騎士団長の任を解く。好きにしろ。」「お世話になりました。」
その夜、士爵たちの軍が王都を抜け出す。朝になり、国王軍は半数以下になっていた。サヴォア伯爵の元騎士団長が堂々と門から出ていく。これには彼を慕う騎士たちが着いて行く。
元騎士団長が、騎士たちに言う。
「お前たち頭が悪いな。俺はカロリーネ王女の軍に投降しに行くんだぞ。」「偶然、行き先が同じだけです。」
騎士たちが応じる。彼らが投降して、国王軍の状況が判明する。リヒャルト王に従うのは、サヴォア伯爵とヴォーデモン男爵だけで軍は逃げ出す連中が多いため、疑念が渦巻き士気が下がり、戦える状態ではなかった。
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