207 / 303
第6章 逃亡の旅
第29話 カロリーネの判断
しおりを挟む
カロリーネは、俺たち3人に言う。
「アルノルト・フォン・ヴォーデをはめますわよ。」「えっ。」
え~とは何か見えてこない。カロリーネはアルノルトに恨みでも抱いたのだろうか。確かにアルノルトの態度は気に入らなかったがカロリーネに不敬を働いてはいない。
俺たち3人が反応に困っているとカロリーネは「なぜ、こいつら判らないの」とでも言いたげに話をする。
「アルノルトは女性誘拐の犯人です。今から犯人として捕まえる作戦を練ります。」「なぜ、犯人だといえるのですか。」
「彼の態度を見ていれば犯人とわかるでしょ。」「私には分かりません。ただ、彼の目つきが嫌でした。」
俺が答えるとアネットとアニタがうなづく。
「私の男を見る目は確かなのです。アルノルトが犯人で間違いありません。」「はあ。」
ナツキに惚れこんでいるカロリーネが言っても信憑性が低くなるだけだ。だが、王女の発言である。無視はできない。俺たち4人は作戦を立てる。
今回は4人だけの作戦である。カスパーやナツキ、「アニエス様をあがめ隊」には秘密にする。作戦はおとり作戦に決まった。おとり役は俺に決まる。一番の美少女だから仕方がない。
翌朝、広間にみんなを集めて、おとり作戦の説明をする。カロリーネが説明を始める。
「犯人を捕まえるため、おとり作戦をします。」「アニエス様やアネット様、アニタ嬢ではおとりにならないのではありませんか。」
アルノルトが疑問を持ち質問する。
「おとり役はアニエス様にしてもらいますが、アニエス様は今、魔法を使えません。それどころか私たちの魔力探知に反応しないのです。」「どういうことですか。」
これには、声を上げたアルノルトの他、カスパーや「アニエス様をあがめ隊」もざわめく。俺が説明する。
「お尋ね者になってしまったストレスで魔法が使えないばかりか、体から魔力が無くなっているのです。」
俺は今、魔力を抑えて、魔力探知にかからないようにしている。エックが魔力探知を行って言う。
「アニエス様から魔力が感じられません。」「アニエス様、危険です。」
アヒムが抗議する。カロリーネが鎮まるように言ってから説明を再開する。
「今回は、少し離れたところでアネット様とアニタ嬢が見張ります。」「私たちも見張ります。」
「アニエス様をあがめ隊」が名乗りを上げる。ナツキはさっきから黙り込んでいる。
「男の方たちにはナツキ様を見張ってもらいます。アニエス様が魔法が使えないとわかったので、ナツキ様が何をするかわからないのです。」「ちっ。」
ナツキが舌打ちをする。盛んに質問していたアルノルトは黙っている。ただ、じっとあの目つきで俺を見ている。
「アルノルト・フォン・ヴォーデをはめますわよ。」「えっ。」
え~とは何か見えてこない。カロリーネはアルノルトに恨みでも抱いたのだろうか。確かにアルノルトの態度は気に入らなかったがカロリーネに不敬を働いてはいない。
俺たち3人が反応に困っているとカロリーネは「なぜ、こいつら判らないの」とでも言いたげに話をする。
「アルノルトは女性誘拐の犯人です。今から犯人として捕まえる作戦を練ります。」「なぜ、犯人だといえるのですか。」
「彼の態度を見ていれば犯人とわかるでしょ。」「私には分かりません。ただ、彼の目つきが嫌でした。」
俺が答えるとアネットとアニタがうなづく。
「私の男を見る目は確かなのです。アルノルトが犯人で間違いありません。」「はあ。」
ナツキに惚れこんでいるカロリーネが言っても信憑性が低くなるだけだ。だが、王女の発言である。無視はできない。俺たち4人は作戦を立てる。
今回は4人だけの作戦である。カスパーやナツキ、「アニエス様をあがめ隊」には秘密にする。作戦はおとり作戦に決まった。おとり役は俺に決まる。一番の美少女だから仕方がない。
翌朝、広間にみんなを集めて、おとり作戦の説明をする。カロリーネが説明を始める。
「犯人を捕まえるため、おとり作戦をします。」「アニエス様やアネット様、アニタ嬢ではおとりにならないのではありませんか。」
アルノルトが疑問を持ち質問する。
「おとり役はアニエス様にしてもらいますが、アニエス様は今、魔法を使えません。それどころか私たちの魔力探知に反応しないのです。」「どういうことですか。」
これには、声を上げたアルノルトの他、カスパーや「アニエス様をあがめ隊」もざわめく。俺が説明する。
「お尋ね者になってしまったストレスで魔法が使えないばかりか、体から魔力が無くなっているのです。」
俺は今、魔力を抑えて、魔力探知にかからないようにしている。エックが魔力探知を行って言う。
「アニエス様から魔力が感じられません。」「アニエス様、危険です。」
アヒムが抗議する。カロリーネが鎮まるように言ってから説明を再開する。
「今回は、少し離れたところでアネット様とアニタ嬢が見張ります。」「私たちも見張ります。」
「アニエス様をあがめ隊」が名乗りを上げる。ナツキはさっきから黙り込んでいる。
「男の方たちにはナツキ様を見張ってもらいます。アニエス様が魔法が使えないとわかったので、ナツキ様が何をするかわからないのです。」「ちっ。」
ナツキが舌打ちをする。盛んに質問していたアルノルトは黙っている。ただ、じっとあの目つきで俺を見ている。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる