勇者がアレなので小悪党なおじさんが女に転生されられました

第5章 勇者一行

第28話 結婚式の招待状

　ナツキは夕方、王宮へカロリーネに会いに行く。彼は王宮に入ると執事に案内されて部屋に入る。
　そこには夕食が用意さてカロリーネが待っている。
　「ナツキ様、お会いできなくて寂しかったですわ。」「昨日にあったばかりでしょ。」
　「私は半日でも離れれば永遠の時間が私たちを引き離してしまうように感じてしまいます。」「俺は魔王討伐の旅に出るかもしれないのですよ。」
　「残酷な運命ですわ。私たちが引き離されるなんて。」
ナツキは旅に出たいと思う。カロリーネの愛は重すぎるのだ。ナツキは愛の重さのために体中の骨がミシミシ音を立てている。
　カロリーネが思いついたように言う。
　「勇者様一行には、アニエス様、アネット様、アニタ嬢がいましたね。」「はい、彼女らは腕が立ちます。」
　「ナツキ様が女性と旅をすることなど耐えられません。」
カロリーネはパンパンと手を叩くと彼女の横に突然、執事が現れる。
　「勇者様一行に女性は必要ありませんね。」「おっしゃられる通りです。代わりの男を探します。」
ナツキは青くなって言う。
　「アニエスちゃんたちは、７大魔族を次々と倒しているんだよ。代わりになる人はいないよ。」「大丈夫です。優秀な男を見つけてきますわ。」
　「俺の話を聞いてよ。」「ナツキ様、もしかして浮気をするおつもりですか。」
　「話ぐらいはするよ。」「私意外と言葉を交わすなんて、あんまりですわ。」
カロリーネは涙を流しながら部屋から出ていく。ローズ、カスパー、「アニエス様をあがめ隊」に結婚式の招待状が届く。
　しかし、俺とアネット、アニタには招待状が届かない。アダムが理由を調べに王宮に探りを入れる。
　そして、ナツキは王宮内に軟禁状態で、執事が勇者様一行のメンバーを探していることが判る。
　どうやら、俺とアネット、アニタは排除されるらしい。女神テイアの言ったことが本当になる。
　俺たち勇者様一行はローズを加えて、ナツキ奪還作戦を実行することにする。
　実行すれば王様に喧嘩を売ることになる。魔王を倒すまで王都には帰れないだろう。