勇者がアレなので小悪党なおじさんが女に転生されられました

第5章 勇者一行

第2話 ナツキ、上達する

　ナツキは魔法の訓練にやる気を出し腕を上げ始める。すでに基本的な魔法はマスターしている。
　今はエックと模擬戦をしている。エックは本気を出している。ナツキは手を抜ける相手ではなくなっているのだ。
　ナツキは詠唱してウォーターボールを５つ作り出す。エックはクレイウォールで防御する。クレイウォールは５つのウォーターボールを受けて崩れる。
　エックはファイアーランスを３本作りだしナツキに向かって打ち込む。ナツキはこぶしで叩き落す。こぶしにはウインドシールドが張ってある。
　身体能力の優れたナツキだからできる芸当である。次にナツキはエックとの距離を詰める。エックはナツキがサンダーボルトを出すと気づき防御魔法の詠唱をなじめる。
　しかし、ナツキの方が速いエックはサンダーボルトで動けなくなる。ディルクがエックをヒールする。
　これでナツキはエック、エマ、ヨーゼフを倒したことになる。ナツキは３人に言う。
　「これで、アニエスちゃんと戦えるよね。」「馬鹿を言え。アニエス様は俺たち３人より強いぞ。これからは３人で相手だ。」
　「では、始めましょう。今始めましょう。すぐに始めましょう。」「待て、今日は勇者様にやられてガタガタだ。明日にしょう。」
ナツキはまだ十分に力が残っていた。ナツキの魔力は人の３倍あるので余裕がある。
　俺の所にナツキの状況の報告が「アニエス様をあがめ隊」から入る。俺の予想していた通り彼の魔法は上達が早い。
　だが魔力のスペックは俺が人の１０倍なので俺の方が上である。問題はナツキは魔力の制限をしていないことだ。
　俺が魔力を制限した状態では魔力の強さでナツキに負けてしまう。俺は今使っている魔力で強くならなければならない。