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第4章 宮廷魔法士

第28話 勇者の訓練始まる

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 勇者ナツキの訓練はまず剣術から始めることになる。彼を鍛えるのは「アニエス様をあがめ隊」である。
 ナツキは「アニエス様をあがめ隊」の面々に囲まれて青くなり冷や汗をかいている。俺はアヒムに言う。
 「死なない程度に厳しく鍛えてあげてください。」「良いのですか。相手は勇者様ですよ。」
 「彼は私にあってからしつこく口説いてくるようなクズですから遠慮はいりません。」「そうですか。手加減入りませんね。性根を叩き直します。」
アヒム以下10人の目が怪しく光る。ナツキは10人の迫力に震えだす。
 『アニエスちゃん、助けてよ。このままだと死んじゃうよ。』『死ねばいいのに』
 『ひどいな。君一筋なのに』『奥さんと子供がいるんでしょ。この際、真人間に生まれ変わったらどうですか。』
俺は訓練所を後にする。後ろからナツキの悲鳴が聞こえる。俺はアネットに会いに行く。彼女は勇者の正体を知ってから寝込んでいた。
 「ネティー、大丈夫?」「大丈夫なわけないでしょ。」
 「いい男なら他で見つければよいでしょ。」「私は勇者様のために頑張ってきたのよ。私の人生返してよ。」
 「私たちは勇者と共に魔王と戦うことになるわ。ネティーの力が必要だわ。」「あんなのと冒険の旅をすることになるのよ。」
 「そうね、はっきり言って勇者はいらないわね。」「アニーもそう思うのね。」
 「ええそうよ。」「私決めたわ。勇者はいないもののとして行動するわ。」
アネットは現実逃避を決めたようだ。勇者ナツキの訓練は、午前中に行われ、午後は俺と語学の勉強をすることになっている。俺は嫌だが仕方がない。
 「アニエス様をあがめ隊」は、剣士のアヒム、ベルン、クリストフ、ディートが木剣で相手をして、戦士のベントが丸太で相手をした。
 ナツキは剣術に心得が無いので5人にボコボコにされる。そして動けなくなるとヒーラーのディルクが治療することが続けられる。
 語学の時間は、ナツキが俺を口説こうとして必死になっている。俺は日本語で相手をしないようにした。するとナツキは挨拶ができるようになる。
 俺はこれは幸先が良いと思ったが、彼は女を口説く言葉ばかり覚えていった。俺は頭が痛い。
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