勇者がアレなので小悪党なおじさんが女に転生されられました

第4章 宮廷魔法士

第23話 ラミアとの戦いの結果

　ローズは、俺の勝利を宣言する叫びを聞いて、撤退を停止する。彼女は、カスパー、アネット、アニタと共に戻って確認することにする。
　彼女らが戻るにしたがって熱気が強くなる。そして、座り込む俺を発見する。アニタが俺に駆け寄る。
　「アニエス様、座り込んでどうしたのですか。」「疲れて動けないわ。」
ローズは、干上がった泥沼を見て俺に聞く。
　「一体、何をしたら、こんなことになるの。」「私はただファイヤーボールを全力で撃ち続けただけです。」
　「信じられないわ。」「本当ですよ。」
アネットが俺の魔法のステッキを見ている。
　「アニー、はめ込まれている赤色の宝石がひび割れているわよ。」「必死だったからステッキが壊れてしまったのね。」
　「人間の魔力で壊れるものではないわよ。」「でも、壊れたわ。」
ローズは液化のラミアの消滅を確認すると俺に命令する。
　「ラミアとの戦いのことを詳しく報告書にまとめなさい。」「私、必死でよく覚えていないのです。」
　「出来る限りでいいわ。」「分かりました。」
俺はどうやって魔力制限のことを隠すか考える。いづれは、ばれるのかもしれないが今は隠しておきたい。人の１０倍の魔力を持っていると知られれば化け物扱いされるかもしれない。
　この戦いでＢランクパーティーの他、後退中にラミアに液化されて殺されたものが５人出た。それでもローズは犠牲は少なく済んだと考えているようだ。
　彼女は全滅してもおかしくなかったと考えていた。
　俺たちは、ルマール男爵邸に呼ばれ、カールハインツに感謝され宴が催される。ローズも父親に褒められて機嫌が良い。アニタは感が良いようで俺に言う。
　「アニエス様は私たちに何か隠していますね。今回はそれを使ってラミアを倒したと思います。」「アニタ、それは秘密よ。」
　「分かりました。これ以上、詮索はしません。」
この後、俺とローズ、アネット、アニタは、液化のラミア討伐の報告のために魔法省に戻ることになる。