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第4章 宮廷魔法士

第21話 液化の恐怖

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 リーダーは肩で息をしながらラミアを睨みつける。ラミアの表情はフードに隠れてわからないがリーダーを見る。するとリーダは鎧ごと液化し始める。
 「なんだ、これは・・・」
彼は言葉を残して液体になり、泥水を赤く染める。突出していたBランクパーティーのメンバーは恐怖で逃げ始めるが次々を液化して地面を赤く染める。
 ローズの顔色が変わる。そしてうわごとのように言う。
 「何なのこれは・・・全てを液化できるの。」「お姉様、しっかりして。」
俺はローズに声をかけると同時に意味深なことを言っていた女神に問いかける。
 (テイア様、これはどういうことですか。)(これがラミアの恐ろしいところよ。)
 (このままではみんな殺されます。どうすればよいのですか。)(私は、あんたが生き残れば、他はどうでも良いのよ。)
 (このままだと俺も死にますよ。)(逃げなさい。ラミアが他の人間に気を取られている今しかないわ。)
 (俺は逃げませんよ。)(私に従いなさい。)
 (嫌です。)(あんたの役目は、こんなところで魔族と戦うことではないわ。)
 (じゃあ諦めてください。)(・・・・・)
俺はローズに言う。
 「お姉様、私かけん制しますからその間に退却の指揮を執ってください。」「アニー、死んだらだめよ。」
ローズがみんなに言う。
 「全員低い姿勢で静かに後退。」
全員地面を這いながら後退していく、俺も地面に伏せた状態でラミアにファイヤーボールを撃ちこむ。
 ラミアは自分の周囲に泥水の渦を作りだしそれがラミアの体を覆い隠す。ファイヤーボールをは泥水の渦に阻まれてラミアに届かない。
 みんなが安全な所まで後退するまで続けるしかない。あとは俺がどうやって逃げるかだがラミアの次の標的は俺だろう。
 (あんた死ぬつもり。)(ローズやアニタを見捨てることはできないよ。)
 (仕方ないわね。ラミアの弱点は高熱よ。)(ファイヤーボールを撃ちこんでいるけど効果ないよ。)
 (もっと巨大な熱量が必要よ。ラミアは水が膜に覆われた不定形の魔族よ。泥水ごと蒸発させればいいわ。)(俺にそんな高熱出せませんよ。)
 (あんた、魔力を制限していること忘れているでしょ。)(ああ、忘れてました。)
俺は久しぶりにリミッターを解除する。
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