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第4章 宮廷魔法士

第18話 シテルの戦い開始

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 ローズのマグマウェーブは強大なもので、俺のマグマウェーブとは別物のようだ。最強の宮廷魔法士を呼ばれていることだけはある。
 彼女は宮廷魔法士になっても魔法の修練を積み重ねて強くなっている。俺も魔法の修練を重ねて腕を上げているがローズに近づくことが出来ない。
 俺はアネットのライバルとして腕を競い合うことに甘んじている。アネットも当然、ローズを目標としている。
 マグマウェーブは水の膜を破り、魔力探知が出来るようになる。茶色のフードをかぶった魔族が強大な魔力の気配を発している。黒ずくめの魔族2人はそれより小さいがやはり強力な魔力の気配である。
 ローズが俺とアネット、カスパーに指示する。
 「今よ、パイルサイクロンを撃ち込んで。」「はい。」
4つの強力な風の渦が町の中を駆け抜ける。風の渦は建物を破壊しながらシルバーグリズリーを切り刻んで行く。ローズは次々と指示を出す。
 「剣士は突入!魔法士は援護して!」
アヒムやタニアを先頭に剣士や戦士が町に突入していく。魔法士はファイヤーボール、ファイアーランスで援護射撃を開始する。
 「宮廷魔法士とカスパ様は魔族に攻撃を仕掛ける。黒ずくめの魔族のうち手前にいる奴を目標とする攻撃始め!」
ローズとカスパーはウインドカッターを放つ。アネットはファイアーランスを連射する。俺はマグマウェーブを魔族の前に発生させる。
 魔族は水の防壁を展開する。防壁はカスパーのウインドカッターとアネットのファイアーランスを防ぐがローズのウインドカッターが防壁を突破して魔族の上半身を切り裂く。
 魔族は上半身がずり落ち血を吹き出す。しかし、まだ、魔族から魔力の気配は感じる。俺のマグマウェーブが地面に倒れた魔族を飲みこむ。マグマは魔族を焼き尽くして魔族の気配は消える。
 すると茶色のフードをかぶった魔族が右腕を上げる。すると地面が液状化を始める。町は泥の沼と化す。俺たちは泥に足を取られる泥の深さは50センチほどだが粘りがあって歩くのにも力がいる。
 シルバーグリズリーも泥に足を取られるが俺たちより動きやすいようだ。魔族は泥水の上に立っている。ローズは直ちに撤退を指示する。さらにローズは俺とアネットに言う。
 「私たちは後退を援護します。魔族の動きに気を付けて。」「はい。」
みんな泥水の中を後退し始める。シルバーグリズリーが追撃を始める。ローズがファイヤーボールを放つ、ファイヤーボールをの温度が高いのかシルバーグリズリーは炎に包まれると消し炭になる。
 俺もファイヤーボールの温度を高めているがシルバーグリズリーを消し炭にすることはできない。せいぜい、黒焦げにするくらいだ。
 シルバーグリズリーの追撃は、俺、ローズ、アネット、カスパーで食い止める。すると黒づくめの魔族が動き始める。魔族は泥水の上をすべるように素早く移動始める。
 魔族は水の剣を作りだし、後退が遅れていた剣士を1人切り殺す。俺は魔族にファイヤーボールを撃ちこむがことごとくかわされる。攻撃にアネットとカスパーが加わる。
 アネットとカスパーはファイアーランスを連射する。3人の攻撃に魔族は俺たちに近づけなくなる。
 その間に、みんな泥水から脱出する。ローズが俺たちに言う。
 「あなたたちも泥水から上がって。」「はい。」
俺たちは魔族を攻撃しながら泥水から上がる。ローズは詠唱を始める。「水の壁よ、すべてを押しつぶせ。ディープウェーブ」
 水の壁が起き上がり魔族に向かって突き進んでいく。壁は飲み込んだすべてのものを破壊していく。ローズがみんなに言う。
 「今のうちに逃げるわよ。」
俺たちは走ってシテルから逃げ出す。
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