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第3章 ルマールの地にて
第36話 エスエとの決着
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氷獄のエスエにとってファイヤーボールの攻撃による痛みは初めて受けるものであり、屈辱であった。彼女は俺を睨む。俺もエスエを睨み返す。
ファイヤーボール1発くらいではまるで足りていない。俺は攻撃を続ける。エスエは防御を試みるが魔力が枯渇して氷を構築できない。
俺のファイボールは、エスエを直撃し続ける。俺はエスエに反撃の機会を与えるつもりはない。
戦場から冷気が消えていく。俺はエスエに止めを刺せると判断してアニタに声をかける。
「アニタ!」「はい。」
アニタはエスエめがけて駆けて行く。そのスピードは、これまで耐えてきた分を取り返そうとするかのようである。
彼女はエスエを袈裟切りにする。しかし、体の傷は治って行く。エスエは氷の剣を作りだす。これは彼女が最後に力を振り絞って作りだした冷気の剣である。
もし、アニタが剣を交えれば、彼女は氷柱と化すであろう。エスエは上段からアニタに氷の剣を振り下ろす。アニタは剣を交えることなく、半身を左後ろに引いてぎりぎりでかわす。
アニタは振りかぶった剣をエスエの首めがけて振り下ろす。
エスエの首が転がり、エスエは倒れる。アニタは自分の剣を高々と天に突き上げる。
剣士や騎士たちがアニタに駆け寄る。倒れたエスエからは魔力は感じられない。
カスパーが俺とアネットに言う。
「氷獄のエスエを倒したぞ。これまでどれだけの犠牲を出したことか。」
カスパーは涙を流す。その表情は亡くなっていった仲間を思って悲しんでいるのか、勝利を喜んでいるのかわからない。
俺は、犠牲になったデリアを思うと涙が出てくる。アネットが俺を抱きしめてくれる。俺にとってはご褒美のはずだがそのような気持ちにはなれなかった。
1週間後、王都の騎士団と宮廷魔法士が応援に来る。カスパーが彼らに氷獄のエスエと配下のアベルを倒したことを説明する。
宮廷魔法士の中にはローズがいた。彼女は、俺とアニタ、アネットに言う。
「あなたたち、英雄よ。」「どういうことですか、お姉様。」
「7大魔族の1人を倒したのよ。」「これは宮廷魔法士に必要な実績です。」
「もちろん、文句のない実績よ。でもこれからはあなたたちは英雄視されるわ。」「はい。」
俺たちはやりすぎてしまったらしい。これでは王都で思いっきり目立つだろう。
ファイヤーボール1発くらいではまるで足りていない。俺は攻撃を続ける。エスエは防御を試みるが魔力が枯渇して氷を構築できない。
俺のファイボールは、エスエを直撃し続ける。俺はエスエに反撃の機会を与えるつもりはない。
戦場から冷気が消えていく。俺はエスエに止めを刺せると判断してアニタに声をかける。
「アニタ!」「はい。」
アニタはエスエめがけて駆けて行く。そのスピードは、これまで耐えてきた分を取り返そうとするかのようである。
彼女はエスエを袈裟切りにする。しかし、体の傷は治って行く。エスエは氷の剣を作りだす。これは彼女が最後に力を振り絞って作りだした冷気の剣である。
もし、アニタが剣を交えれば、彼女は氷柱と化すであろう。エスエは上段からアニタに氷の剣を振り下ろす。アニタは剣を交えることなく、半身を左後ろに引いてぎりぎりでかわす。
アニタは振りかぶった剣をエスエの首めがけて振り下ろす。
エスエの首が転がり、エスエは倒れる。アニタは自分の剣を高々と天に突き上げる。
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カスパーが俺とアネットに言う。
「氷獄のエスエを倒したぞ。これまでどれだけの犠牲を出したことか。」
カスパーは涙を流す。その表情は亡くなっていった仲間を思って悲しんでいるのか、勝利を喜んでいるのかわからない。
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「もちろん、文句のない実績よ。でもこれからはあなたたちは英雄視されるわ。」「はい。」
俺たちはやりすぎてしまったらしい。これでは王都で思いっきり目立つだろう。
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