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第3章 ルマールの地にて

第8話 エルフだ

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 俺たちは、カールハインツが手配した宿に荷物を置くと冒険者ギルドへ向かう。ギルドの中に入ると俺たちは目立つ。特に俺に向けられる男たちの熱い視線は不愉快だ。
 受付に行くと受付嬢が言う。
 「アネット様、アニエス様、アニタ様ですね。」「はい、そうです。」
 「私はデリア・ツェルナーと言います。ギルドマスターが待っていますので奥へお願いします。」「分かりました。」
デリアは2階に上がると中央の部屋のドアをノックする。「どうぞ」と中から声が聞こえデリアはドアを開ける。
 中にはきれいな顔をした青年がいる。よく見ると耳が長い。アネットが俺に言う。
 「エルフよ。初めて見た。」「エルフがいるのですか、ネティー。」「エルフとは何ですか。」
青年が苦笑いをして言う。
 「君たち、当人の前で話すのかね。」「すみません。つい興奮して。」
アネットが謝る。
 「私はギルドマスターのカスパー・タウアーです。見ての通りエルフです。」「私は初めてエルフに会いました。」
 「私もここ100年位同族に会っていないよ。」
エルフはかなり珍しいらしい。カスパーは続ける。
 「君たちのことは領主様から頼むように言われている。しかし、冒険者は実力次第だ。」「私たちはそれなりに強いですよ。」
 「上級魔法士2名と腕利きの剣士のパーティーか、豪華なメンバーだ。」「パーティー名はアリスです。」
 「冒険者には様々な知識が必要だ。依頼は私が選ぶからそれをこなしていってくれ。」「1年間それを続けるのですか。」
 「Åランク冒険者になるまでだ。」「分かりました。今日の依頼は何ですか。」
 「薬草の採取だ。」「薬草ですか。」
 「当然危険が伴う。森には獣や魔物がいるからね。」「魔物を倒しても構いませんよね。」
 「遭遇したら、君たちの判断次第だ。」「では、依頼書を受け取って出かけます。」
俺たちは受付に戻ってデリアに薬草の特徴とどのあたりに繁殖しているか教えてもらう。
 ギルドから出ようとすると男が俺に声をかけてくる。
 「お嬢ちゃん、手伝ってやろうか。」「結構です。」
 「冷たいんじゃないか、待てよ。」
男が肩を掴む、俺は男をサンダーボルトで失神させる。アネットが困った顔で俺に言う。
 「アニー、また絡まれているの。」「いつもそうなんだから、仕方ないわ。」
女神のくれたチャームは面倒な能力である。これでコントロールできないのだからたちが悪い。
 俺が男を感電させたことで男たちが後ずさり。ギルドの出入り口まで道が出来る。
 俺たちは初依頼をこなしに出かけていく。
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