勇者がアレなので小悪党なおじさんが女に転生されられました

第3章 ルマールの地にて

第7話 ルマール男爵邸

　ルマール男爵領に入って村を通るが魔物の侵入を警戒してか、村全体が木の柵で囲まれている。
　しかし、村の人々はのんびりした感じである。俺たちは村をいくつか通ってルマール男爵の街に入る。
　門は厳重に守られているが兵はすんなりととしてくれる。馬車は、ルマール男爵邸に向かう。
　門の前に馬車を止めると門番が御者に用件を尋ねる。門番は俺とアネットが訪れたと聞くと門を開ける。
　俺たちは馬車を降りて中に入る。玄関まで歩くと門番が知らせたのか使用人がドアを開けて待っている。
　「アネット様、アニエス様、アニタ様、主人が広間で待っています。」
使用人が広間へ案内する。
　「お待ちしていました。カールハインツ・ド・ルマールです。」「アネット・フォン・モンレルランです。よろしくお願いします。」
　「アニエス・ド・ボドリヤールです。ローズ先生には大変お世話になりました。」
カールハインツは笑顔で答える。
　「ローズからの手紙であなた方のことは承知しています。ルマールで冒険者をするそうですね。」「はい、１年を予定しています。」
　「上級魔法士が２人と凄腕剣士の冒険者を歓迎します。よろしければ、我が家を拠点に使ってください。」「私たちは宿を拠点にしょうと思っています。」
　「そうですか、でも今日は泊って行ってください。」「ありがとうございます。」
俺たちはルマール男爵邸に泊まり、明日からの行動を計画する。
　「まずは宿ね。」「冒険者ギルドと門に近いところがいいわ。」
　「アニー、女の子が３人泊まるのだから安全な宿にしましょ。」「ネティー、どうやって安全だと調べるの。」
　「冒険者ギルドでおすすめの宿を聞きましょ。」「そうね。アニタはそれでいいかな。」
　「アニエス様の選ぶ宿でいいですが、食事のおいしい宿がいいです。」「そうね、食事も大事よね。」
　「明日は冒険者ギルドに寄ってから宿を探しましょ。」
翌朝、カールハインツは俺たちに言う。
　「宿の手配はしておきました。安全で料理のおいしい宿ですよ。それから、冒険者ギルドには話を通してありますから、まずは訪ねてください。」
俺たちの冒険者としての１日目は彼によってセッティングされていた。