78 / 303
第3章 ルマールの地にて
第6話 野盗の襲撃
しおりを挟む
俺たちは馬車でルマール男爵領を目指しているが、それは辺境に向かって進んでいるということであり自然と野宿が増えてくる。
街にはなかなか寄れないので村を通った時に食料の補充や空いている小屋を借りるなどした。
俺は途中、トラブルに巻き込まれるかと思っていたがリッシュ子爵の件以降順調に旅をしていた。
俺たちは今、野宿をしているが囲まれている。まず、アニタが気配に気づき、俺とアネットが探知の魔法を使って15体に囲まれていることが判っている。
15体と言うのは、囲んでいるのが人か魔物か何かまだわからないのである。アネットが御者に言う。
「あなたは馬車の中に隠れていて。」「はい、お嬢様。」
アニタが背中の剣を抜く。相手はだんだん近づいて来る。物音を立てないようにしているのだろうがまるわかりである。
とうとう茂みのそばまで来る。そして一斉に飛び出してくる。正体は人である。正確には野盗である。
俺たちはホッとする。しかし、野盗は俺たちが静かにしているので恐ろしくて言葉も出ないと勘違いしたらしい。
「美少女が3人もいるぜ。」「いい金になるな。」「見てみろよ。獣人と小さな奴、悪魔と天使じゃないか。」
「本当だ。嫁にしたいぜ。」「やめろよ。あの2人を売れば俺たちは一生遊んで暮らせるんだぞ。」
「ちくしょー、俺が欲しいぜ。」「だからやめろ、取り合いになるだろ、だから売った方がいいんだ。」
彼らは、もう俺たちを捕えたつもりになっている。アネットがあきれたように言う。
「アニー、あなた7歳でしょ。大の大人が欲しがるなんて理解不能だわ。」「黙れ、小娘、天使だぞ。誰だって欲しくなるだろ。」
「あなたたち、騒いでいるけどどうするつもり。」「決まっているだろ売り飛ばしてやる。今から縄で縛るからな。」
アネットが高速詠唱でファイヤーボールを撃つ。男が1人炎に包まれてのたうち回る。
ここにきて、野盗の顔つきが変わる。俺たちがおとなしく捕まらないことを理解したようだ。
アニタが飛び出て一瞬のうちに2人を切り殺す。俺もファイヤーボールを撃ってアニタを援護する。
アニタはリーダーと思われる男に迫る。男は上段から剣を振り下ろすがそこには彼女はいない。彼女は男の後ろに走り抜けている。男の胴が裂け上半身がずり落ちる。
野盗たちは狩られるのは自分たちだと思い知らされる。それからはアニタの一方的な攻撃が始まる。彼女は1人で9人を切り殺す。俺とアネットは3人ずつ倒す。
アネットはアニタに感心して言う。
「アニタは本当に強いわね。白い悪魔にふさわしいわ。」「ありがとうございます。でも白い悪魔はあまり好きではないです。」「そお、ごめんなさい。」
この後、俺たちは何事もなくルマール男爵領に入る。
街にはなかなか寄れないので村を通った時に食料の補充や空いている小屋を借りるなどした。
俺は途中、トラブルに巻き込まれるかと思っていたがリッシュ子爵の件以降順調に旅をしていた。
俺たちは今、野宿をしているが囲まれている。まず、アニタが気配に気づき、俺とアネットが探知の魔法を使って15体に囲まれていることが判っている。
15体と言うのは、囲んでいるのが人か魔物か何かまだわからないのである。アネットが御者に言う。
「あなたは馬車の中に隠れていて。」「はい、お嬢様。」
アニタが背中の剣を抜く。相手はだんだん近づいて来る。物音を立てないようにしているのだろうがまるわかりである。
とうとう茂みのそばまで来る。そして一斉に飛び出してくる。正体は人である。正確には野盗である。
俺たちはホッとする。しかし、野盗は俺たちが静かにしているので恐ろしくて言葉も出ないと勘違いしたらしい。
「美少女が3人もいるぜ。」「いい金になるな。」「見てみろよ。獣人と小さな奴、悪魔と天使じゃないか。」
「本当だ。嫁にしたいぜ。」「やめろよ。あの2人を売れば俺たちは一生遊んで暮らせるんだぞ。」
「ちくしょー、俺が欲しいぜ。」「だからやめろ、取り合いになるだろ、だから売った方がいいんだ。」
彼らは、もう俺たちを捕えたつもりになっている。アネットがあきれたように言う。
「アニー、あなた7歳でしょ。大の大人が欲しがるなんて理解不能だわ。」「黙れ、小娘、天使だぞ。誰だって欲しくなるだろ。」
「あなたたち、騒いでいるけどどうするつもり。」「決まっているだろ売り飛ばしてやる。今から縄で縛るからな。」
アネットが高速詠唱でファイヤーボールを撃つ。男が1人炎に包まれてのたうち回る。
ここにきて、野盗の顔つきが変わる。俺たちがおとなしく捕まらないことを理解したようだ。
アニタが飛び出て一瞬のうちに2人を切り殺す。俺もファイヤーボールを撃ってアニタを援護する。
アニタはリーダーと思われる男に迫る。男は上段から剣を振り下ろすがそこには彼女はいない。彼女は男の後ろに走り抜けている。男の胴が裂け上半身がずり落ちる。
野盗たちは狩られるのは自分たちだと思い知らされる。それからはアニタの一方的な攻撃が始まる。彼女は1人で9人を切り殺す。俺とアネットは3人ずつ倒す。
アネットはアニタに感心して言う。
「アニタは本当に強いわね。白い悪魔にふさわしいわ。」「ありがとうございます。でも白い悪魔はあまり好きではないです。」「そお、ごめんなさい。」
この後、俺たちは何事もなくルマール男爵領に入る。
1
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる