75 / 303
第3章 ルマールの地にて
第3話 リッシュ子爵邸
しおりを挟む
俺たちはやどを出るとリッシュ子爵邸に馬車で行く。門の前に馬車を止めて、馬車から降りる。門には門番はいない。そのまま入って玄関まで行く。
玄関ドアをノックすると執事がドアを開ける。彼が俺たちに言う。
「アネット様、アニエス様、アニタ様、主人が広間で待っています。こちらへどうぞ。」
執事は俺たちを広間まで案内すると
「アネット様、アニエス様、アニタ様、ご到着されました。」「お待ちしていました。ゲレオン・ド・リッシュです。」
「急なお招きのため、夜分になってしまいました。申し訳ありません。」
アネットが嫌味を言う。
「いえ、あなた方が街に入られてのは分かっていたのですが居所を探すために時間がかかってしまいました。こちらこそ申し訳ありません。」
彼は街に入った俺たちを探して招待したのだ。伯爵の令嬢相手にそこまでするだろうか。
「どうして、私たちを探してまで招待したのですか。」「アネット様とアニエス様は上級魔法士に合格されたと聞いています。また、天使と悪魔の噂は耳に入っていますので、ぜひ会いたかったのです。」
俺は屋敷を探知するが罠のようなものは仕掛けられていない。さらにスィープ・サーチをかけて建物を調べるが2階建ての仕掛けの無い屋敷である。
変わった所と言えば壁が厚いところがあるくらいだ。ちなみに詠唱は「闇を白日にさらせ。スィープ・サーチ」である。
「分かりました。私たちは食事を終えて寝る所でしたので休ませていただきたいのですが。」「それでは、私の面目が立ちません。軽食を食べながら歓談をお願いします。」
使用人がデザートと飲み物を持ってくる。テーブルに並べられるとアニタが匂いを嗅いで確かめる。
「アニエス様、食べ物と飲み物には異臭はありません。」「ありがとう。」
「アニタ様、おかしなものは入っていませんよ。」「ゲレオン様、アニタは従者ですのでそのように対応願います。」
「いえ、白い悪魔とまで言われるアニタ様は私の客人です。それに美しい。」「ありがとうございます。」
アニタは礼を言うが嬉しそうではない。俺たちは食べ物と飲み物に警戒したが薬などは入っていなかった。
食後、俺たちは2階の客室に案内される。アネットとアニタは俺の部屋に来る。俺は部屋にカギをかけウインドシールドで部屋を包んで音が漏れないようにする。
「アニー、どう思う。」「ゲレオンの私を見る目がきもかったわ。」
「確かに何考えているかわからないわね。」「今日は3人一緒に寝ましょう。」
「私は大丈夫よ。アニー、気を付けてね。」「ネティーもね。」
俺はアニタと寝ることにする。ドアのカギをかけて探知の魔法をかけておく。そして無事に朝を迎えるが俺とアニタはドアのノックで起こされる。
ドアを開けるとアネットの御者が青い顔をして立っている。
「アネット様がいなくなりました。」「どういうこと。」
「私はアネット様に朝早くに起こすように頼まれていたのですが部屋のカギをかけたままいなくなりました。」「他に誰か知っている。」
「ゲレオン様と執事もカギを開けてもらったので知っています。」
アネットはカギのかかった部屋から消えたことになる。窓から抜け出したのだろうか。俺はアネットの部屋を調べることにする。
玄関ドアをノックすると執事がドアを開ける。彼が俺たちに言う。
「アネット様、アニエス様、アニタ様、主人が広間で待っています。こちらへどうぞ。」
執事は俺たちを広間まで案内すると
「アネット様、アニエス様、アニタ様、ご到着されました。」「お待ちしていました。ゲレオン・ド・リッシュです。」
「急なお招きのため、夜分になってしまいました。申し訳ありません。」
アネットが嫌味を言う。
「いえ、あなた方が街に入られてのは分かっていたのですが居所を探すために時間がかかってしまいました。こちらこそ申し訳ありません。」
彼は街に入った俺たちを探して招待したのだ。伯爵の令嬢相手にそこまでするだろうか。
「どうして、私たちを探してまで招待したのですか。」「アネット様とアニエス様は上級魔法士に合格されたと聞いています。また、天使と悪魔の噂は耳に入っていますので、ぜひ会いたかったのです。」
俺は屋敷を探知するが罠のようなものは仕掛けられていない。さらにスィープ・サーチをかけて建物を調べるが2階建ての仕掛けの無い屋敷である。
変わった所と言えば壁が厚いところがあるくらいだ。ちなみに詠唱は「闇を白日にさらせ。スィープ・サーチ」である。
「分かりました。私たちは食事を終えて寝る所でしたので休ませていただきたいのですが。」「それでは、私の面目が立ちません。軽食を食べながら歓談をお願いします。」
使用人がデザートと飲み物を持ってくる。テーブルに並べられるとアニタが匂いを嗅いで確かめる。
「アニエス様、食べ物と飲み物には異臭はありません。」「ありがとう。」
「アニタ様、おかしなものは入っていませんよ。」「ゲレオン様、アニタは従者ですのでそのように対応願います。」
「いえ、白い悪魔とまで言われるアニタ様は私の客人です。それに美しい。」「ありがとうございます。」
アニタは礼を言うが嬉しそうではない。俺たちは食べ物と飲み物に警戒したが薬などは入っていなかった。
食後、俺たちは2階の客室に案内される。アネットとアニタは俺の部屋に来る。俺は部屋にカギをかけウインドシールドで部屋を包んで音が漏れないようにする。
「アニー、どう思う。」「ゲレオンの私を見る目がきもかったわ。」
「確かに何考えているかわからないわね。」「今日は3人一緒に寝ましょう。」
「私は大丈夫よ。アニー、気を付けてね。」「ネティーもね。」
俺はアニタと寝ることにする。ドアのカギをかけて探知の魔法をかけておく。そして無事に朝を迎えるが俺とアニタはドアのノックで起こされる。
ドアを開けるとアネットの御者が青い顔をして立っている。
「アネット様がいなくなりました。」「どういうこと。」
「私はアネット様に朝早くに起こすように頼まれていたのですが部屋のカギをかけたままいなくなりました。」「他に誰か知っている。」
「ゲレオン様と執事もカギを開けてもらったので知っています。」
アネットはカギのかかった部屋から消えたことになる。窓から抜け出したのだろうか。俺はアネットの部屋を調べることにする。
1
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる