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173話 一緒に死んで
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九郎は講義が終わると一旦アパートに帰る。アパートに帰ると玉枝が九郎に言う。
「あやめちゃんどうしたのかしら。」「どういうこと。」
「九郎ちゃん、これまでにも結婚したいて言っていたわよね。」「うん、僕の正直な気持ちだからね。」
「どうして、今回だけ、反応したのかしら。」「気持ちが伝わったんだよ。」
「・・・ならいいけど。」「玉枝さん、もしかして妬いてる?」
「私は九郎ちゃんがあやめちゃんと結婚すればいいと思うわ。」「残念。」
九郎は、玉枝が妬く姿を見てみたいと思う。
彼は、あやめが家に帰って一服したころを見計らって訪問するつもりでアパートを出かける。
玉枝は気配を小さくして見えないようにしている。
九郎はあやめの家に着くとインターフォンを鳴らす。すると一久が顔を出す。
「やあ、九郎君、あやめに会いに来たのかい。」「はい、お邪魔します。」
「あやめは自分の部屋にいるから。」「分かりました。」
九郎はあやめの部屋の前に立つ。すると嫌な気配がする。玉枝が九郎に言う。
「中にいるわよ。」「悪霊かな。」
「どちらにしろ、たちが悪そうよ。」「あやめが危ないよ。」
「九郎ちゃん、落ち着いて。」
九郎は玉枝の忠告が耳に入らず、慌てて戸を開ける。
中を見るとあやめに女の霊が髪をからませている。玉枝が言う。
「憑りつくつもりよ。」「あやめ。」
九郎は思わずあやめの手を引こうとする。するとあやめはいつも違う眼つきで言う。
「九郎、私と死んで。」「何を言っているんだ。」
「私と幸せになるには一緒に死ぬしかないわ。」「あやめは僕が幸せにするんだ。」
玉枝は燐火で女の霊を燃やし尽くす。あやめは気を失う。
九郎はあやめを寝かせると一久を呼びに行く。一久は驚きながら言う。
「あやめに霊が憑りつくなんて私は何をしていたのだろう。」「あやめちゃんは心の隙をつかれたのよ。」
あやめが目を覚ます。彼女は九郎を見ると泣き出す。
「あやめ、もう大丈夫だよ。」「違うの。私、九郎を独り占めしようとしたの。一緒に死のうなんて馬鹿なこと言ったわ。」
「霊に憑りつかれたからだよ。」「許してくれるの。」
「僕の方こそあやめだけを選べなくてごめん。でも、結婚してほしい。」「私でいいの。」
「あやめがいいんだ。」「はい、結婚します。」
「あやめ。」「九郎。」
二人は抱き合う。急に一久が忙しそうに動き出す。
「あやめちゃんどうしたのかしら。」「どういうこと。」
「九郎ちゃん、これまでにも結婚したいて言っていたわよね。」「うん、僕の正直な気持ちだからね。」
「どうして、今回だけ、反応したのかしら。」「気持ちが伝わったんだよ。」
「・・・ならいいけど。」「玉枝さん、もしかして妬いてる?」
「私は九郎ちゃんがあやめちゃんと結婚すればいいと思うわ。」「残念。」
九郎は、玉枝が妬く姿を見てみたいと思う。
彼は、あやめが家に帰って一服したころを見計らって訪問するつもりでアパートを出かける。
玉枝は気配を小さくして見えないようにしている。
九郎はあやめの家に着くとインターフォンを鳴らす。すると一久が顔を出す。
「やあ、九郎君、あやめに会いに来たのかい。」「はい、お邪魔します。」
「あやめは自分の部屋にいるから。」「分かりました。」
九郎はあやめの部屋の前に立つ。すると嫌な気配がする。玉枝が九郎に言う。
「中にいるわよ。」「悪霊かな。」
「どちらにしろ、たちが悪そうよ。」「あやめが危ないよ。」
「九郎ちゃん、落ち着いて。」
九郎は玉枝の忠告が耳に入らず、慌てて戸を開ける。
中を見るとあやめに女の霊が髪をからませている。玉枝が言う。
「憑りつくつもりよ。」「あやめ。」
九郎は思わずあやめの手を引こうとする。するとあやめはいつも違う眼つきで言う。
「九郎、私と死んで。」「何を言っているんだ。」
「私と幸せになるには一緒に死ぬしかないわ。」「あやめは僕が幸せにするんだ。」
玉枝は燐火で女の霊を燃やし尽くす。あやめは気を失う。
九郎はあやめを寝かせると一久を呼びに行く。一久は驚きながら言う。
「あやめに霊が憑りつくなんて私は何をしていたのだろう。」「あやめちゃんは心の隙をつかれたのよ。」
あやめが目を覚ます。彼女は九郎を見ると泣き出す。
「あやめ、もう大丈夫だよ。」「違うの。私、九郎を独り占めしようとしたの。一緒に死のうなんて馬鹿なこと言ったわ。」
「霊に憑りつかれたからだよ。」「許してくれるの。」
「僕の方こそあやめだけを選べなくてごめん。でも、結婚してほしい。」「私でいいの。」
「あやめがいいんだ。」「はい、結婚します。」
「あやめ。」「九郎。」
二人は抱き合う。急に一久が忙しそうに動き出す。
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