上 下
170 / 175

170話 スマホの念

しおりを挟む
 一久が車を出し、九郎と玉枝、依頼者は彼氏の家に向かう。彼氏の家に着くとインターフォンを鳴らす。
 すると中年の女性が出てくる。依頼者は、その女性と話す。女性は彼氏の母親らしい。
 一久が女性に言う。
 「私は、お祓いを依頼された神主です。息子さんのスマホを見せてくれませんか。」「息子の携帯からメッセージが送られたのは本当ですか。」
 「それを確かめます。」「分かりました。息子の部屋にあると思います。」
九郎たちは、母親の案内で彼氏の部屋に行く。九郎が部屋に入ると机に目が行く。九郎が言う。
 「あの机に何かありますよ。」「霊はいないのかい。」
 「はい。いませんが、何かどろっとした感じがします。」「そうか机かー」
一久は机に近づいて見る。机の上には本とスマホが置かれている。一久はスマホを手に取ろうとする。
 「触らない方がいいわ。強い念が張り付いているわよ。」
玉枝が一久を止め、彼女がスマホを取り上げる。九郎が心配して言う。
 「玉枝さん大丈夫なの。」「私は大丈夫だけど、他の人が触ると侵蝕されるわよ。」
 「侵蝕って何か起きるの。」「心を乗っ取られるわよ。」
 「玉枝さんどうするつもり。」「どうしよう。スマホの操作判らないわ。」
九郎たちが話しているうちに彼氏のスマホの画面が光り始める。そして、メッセージが起動する。一久が言う。
 「勝手に動いていますね。」「彼氏の念が強く残っているのよ。」
玉枝が言うとスマホに「会いたい。」と入力されメッセージが送られる。そして、依頼者のスマホに着信する。
 「スマホを神社でお祓いしましょう。」
一久は言うと彼氏の母親に説明してスマホを借り出す。そして九郎たちは神社へ戻る。
 神社でお祓いの準備をしている時、一久は玉枝に聞く。
 「これ、祓えますか。」「祓えなくても私が何とかします。」
一久がお祓いを始める。するとスマホは苦しんでいるかのように光の点滅を繰り返す。
 しばらくするとスマホは静かになる。一久は、お祓いを終えると玉枝に聞く。
 「念は晴れましたか。」「はい、効果あった様です。」
一久は依頼者に念が晴れたことを説明する。彼氏のスマホは依頼者が返しに行くことになる。
 九郎たちは仕事を終え、居間へ行く。するとあやめが顔を出す。
 「九郎、大丈夫だった。」「あやめ、心配してくれるんだ。ありがとう。」
 「確認しただけよ。」
あやめは部屋へ戻って行く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

彼が愛した王女はもういない

黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
シュリは子供の頃からずっと、年上のカイゼルに片想いをしてきた。彼はいつも優しく、まるで宝物のように大切にしてくれた。ただ、シュリの想いには応えてくれず、「もう少し大きくなったらな」と、はぐらかした。月日は流れ、シュリは大人になった。ようやく彼と結ばれる身体になれたと喜んだのも束の間、騎士になっていた彼は護衛を務めていた王女に恋をしていた。シュリは胸を痛めたが、彼の幸せを優先しようと、何も言わずに去る事に決めた。 どちらも叶わない恋をした――はずだった。 ※関連作がありますが、これのみで読めます。 ※全11話です。

社宅

ジョン・グレイディー
ホラー
 寂れた社宅  3連列の棟に形成された大規模な敷地  両脇の2連の棟は廃墟となり、窓ガラスには板が打ち付けられ、黒いビニールシートで覆われている。  ある家族がこの社宅の5号棟に引っ越して来た。  初めての経験  初めての恐怖  どこまでも続く憎しみ  怨霊に満ちた呪縛  ほぼ実話に基づく心霊現象を描くホラー小説

【完結】婿入り予定の婚約者は恋人と結婚したいらしい 〜そのひと爵位継げなくなるけどそんなに欲しいなら譲ります〜

早奈恵
恋愛
【完結】ざまぁ展開あります⚫︎幼なじみで婚約者のデニスが恋人を作り、破談となってしまう。困ったステファニーは急遽婿探しをする事になる。⚫︎新しい相手と婚約発表直前『やっぱりステファニーと結婚する』とデニスが言い出した。⚫︎辺境伯になるにはステファニーと結婚が必要と気が付いたデニスと辺境伯夫人になりたかった恋人ブリトニーを前に、ステファニーは新しい婚約者ブラッドリーと共に対抗する。⚫︎デニスの恋人ブリトニーが不公平だと言い、デニスにもチャンスをくれと縋り出す。⚫︎そしてデニスとブラッドが言い合いになり、決闘することに……。

【本編完結】実の家族よりも、そんなに従姉妹(いとこ)が可愛いですか?

のんのこ
恋愛
侯爵令嬢セイラは、両親を亡くした従姉妹(いとこ)であるミレイユと暮らしている。 両親や兄はミレイユばかりを溺愛し、実の家族であるセイラのことは意にも介さない。 そんなセイラを救ってくれたのは兄の友人でもある公爵令息キースだった… 本垢執筆のためのリハビリ作品です(;;) 本垢では『婚約者が同僚の女騎士に〜』とか、『兄が私を愛していると〜』とか、『最愛の勇者が〜』とか書いてます。 ちょっとタイトル曖昧で間違ってるかも?

愛想を尽かした女と尽かされた男

火野村志紀
恋愛
※全16話となります。 「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」

〖完結〗王女殿下の最愛の人は、私の婚約者のようです。

藍川みいな
恋愛
エリック様とは、五年間婚約をしていた。 学園に入学してから、彼は他の女性に付きっきりで、一緒に過ごす時間が全くなかった。その女性の名は、オリビア様。この国の、王女殿下だ。 入学式の日、目眩を起こして倒れそうになったオリビア様を、エリック様が支えたことが始まりだった。 その日からずっと、エリック様は病弱なオリビア様の側を離れない。まるで恋人同士のような二人を見ながら、学園生活を送っていた。 ある日、オリビア様が私にいじめられていると言い出した。エリック様はそんな話を信じないと、思っていたのだけれど、彼が信じたのはオリビア様だった。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

処理中です...