158 / 175
158話 玉枝、一久と話す
しおりを挟む
あやめは九郎に抱き着くことをやめて、彼の寝顔を見ている。私の気も知らないでよく寝れるわね。
彼女は彼に意地悪をしたくなるが我慢する。玉枝が気を利かせて2人きりにしてくれたのだ。彼女の気持ちを台無しにはできない。
玉枝は歩きながら、足は久沓神明社へ向いていた。一久が起きていれば話をしたいと思ったのだ。
彼女は家の中に入り、一久の部屋へ行く。怨霊の玉枝は戸を開けたりする必要はない。戸をすり抜けていくので音はしない。
玉枝が一久の部屋に入ると彼は布団に入り横になっている。彼女は一久が寝ているものと思い立ち去ろうとする。
すると一久が言う。
「玉枝さんかい。」「姿を消していたのに私が判るのですか。」
「いいや、何となく玉枝さんがいるような気がしたんだ。」「正解ですよ。」
玉枝は気配を強くして見えるようになる。
「まるで牡丹灯籠だね。」「私は憑り殺したりしませんよ。」
「話したいことがあってきたんだろ。」「はい、よろしければ付き合ってくれますか。」
「ここでは、かえでに見つかったら浮気を疑われるから居間へ行こう。」「分かりました。」
2人は、居間へ移動する。玉枝は一久にお茶を入れる。玉枝は一久に言う。
「あやめちゃんは、私と張り合って九郎ちゃんの所にいます。このままでは2人は破綻します。」「九郎君があやめを追いつめたのではないかい。」
「原因は九郎ちゃんにあります。」「・・・あやめがあんな行動をとるとは思わなかったよ。原因は九郎君が玉枝さんを好きになったのかな。」
「そうです。九郎ちゃんは、私とあやめちゃんが好きでどちらも選べなくなっています。」「それがばれたのか・・・九郎君は不器用だな。」
「正直なだけです。」「それで九郎君は玉枝さんと一線を越えてしまったのかな。」
「それはありません。私は九郎ちゃんに人並みの人生を送ってもらいたいと思ってます。」「玉枝さんも彼のことが好きなんだろ。」
「はい。九郎ちゃんのためなら何でもできます。」「だったら、九郎君の気持ちに答えてもいいと思うよ。」
「それでは、九郎ちゃんは人間の伴侶を持てなくなります。」「あやめもしぶといと思うよ。」
「そうですが・・・」「君たちは一度本音でぶつからないといけないかもしれないね。」
玉枝は一久の言うことは理解できる。しかし玉枝が玉藻の前だったころ、彼女に溺れた男たちはみんなつぶれていったのだ。
彼女は九郎が彼女の虜になることを恐れる。
彼女は彼に意地悪をしたくなるが我慢する。玉枝が気を利かせて2人きりにしてくれたのだ。彼女の気持ちを台無しにはできない。
玉枝は歩きながら、足は久沓神明社へ向いていた。一久が起きていれば話をしたいと思ったのだ。
彼女は家の中に入り、一久の部屋へ行く。怨霊の玉枝は戸を開けたりする必要はない。戸をすり抜けていくので音はしない。
玉枝が一久の部屋に入ると彼は布団に入り横になっている。彼女は一久が寝ているものと思い立ち去ろうとする。
すると一久が言う。
「玉枝さんかい。」「姿を消していたのに私が判るのですか。」
「いいや、何となく玉枝さんがいるような気がしたんだ。」「正解ですよ。」
玉枝は気配を強くして見えるようになる。
「まるで牡丹灯籠だね。」「私は憑り殺したりしませんよ。」
「話したいことがあってきたんだろ。」「はい、よろしければ付き合ってくれますか。」
「ここでは、かえでに見つかったら浮気を疑われるから居間へ行こう。」「分かりました。」
2人は、居間へ移動する。玉枝は一久にお茶を入れる。玉枝は一久に言う。
「あやめちゃんは、私と張り合って九郎ちゃんの所にいます。このままでは2人は破綻します。」「九郎君があやめを追いつめたのではないかい。」
「原因は九郎ちゃんにあります。」「・・・あやめがあんな行動をとるとは思わなかったよ。原因は九郎君が玉枝さんを好きになったのかな。」
「そうです。九郎ちゃんは、私とあやめちゃんが好きでどちらも選べなくなっています。」「それがばれたのか・・・九郎君は不器用だな。」
「正直なだけです。」「それで九郎君は玉枝さんと一線を越えてしまったのかな。」
「それはありません。私は九郎ちゃんに人並みの人生を送ってもらいたいと思ってます。」「玉枝さんも彼のことが好きなんだろ。」
「はい。九郎ちゃんのためなら何でもできます。」「だったら、九郎君の気持ちに答えてもいいと思うよ。」
「それでは、九郎ちゃんは人間の伴侶を持てなくなります。」「あやめもしぶといと思うよ。」
「そうですが・・・」「君たちは一度本音でぶつからないといけないかもしれないね。」
玉枝は一久の言うことは理解できる。しかし玉枝が玉藻の前だったころ、彼女に溺れた男たちはみんなつぶれていったのだ。
彼女は九郎が彼女の虜になることを恐れる。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説


とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


継母の心得 〜 番外編 〜
トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。
【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】

婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています

捨てられた私が聖女だったようですね 今さら婚約を申し込まれても、お断りです
木嶋隆太
恋愛
聖女の力を持つ人間は、その凄まじい魔法の力で国の繁栄の手助けを行う。その聖女には、聖女候補の中から一人だけが選ばれる。私もそんな聖女候補だったが、唯一のスラム出身だったため、婚約関係にあった王子にもたいそう嫌われていた。他の聖女候補にいじめられながらも、必死に生き抜いた。そして、聖女の儀式の日。王子がもっとも愛していた女、王子目線で最有力候補だったジャネットは聖女じゃなかった。そして、聖女になったのは私だった。聖女の力を手に入れた私はこれまでの聖女同様国のために……働くわけがないでしょう! 今さら、優しくしたって無駄。私はこの聖女の力で、自由に生きるんだから!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる