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154話 3人の朝
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朝、九郎が目を覚ますと、玉枝とあやめが朝食を作っている。彼は起きて顔を洗いに行く。
昨夜は寝付けずにいた。この状態が続くのはまずいと思う。
彼がテーブルを見ると朝食が並べてある。そして、玉枝とあやめが座って待っている。
九郎が座るとあやめが笑顔で挨拶する。
「九郎、おはよう。」「おはよう、あやめ。」
あやめは笑顔で九郎を見ている。彼な、なぜか嫌な予感がして言う。
「僕に、何かあるかな。」「何か忘れていない。」
彼は考えるが思い浮かばない。そして、首をかしげる。彼女の笑顔が固まる。玉枝が助け舟を出す。
「あやめちゃんはおはようのキスを待っているのよ。」「えっ、キス!」
あやめの眉間にしわが寄る。九郎は恐る恐る口づけをする。
あやめが九郎に言う。
「私たちもっとお互いを知らないとだめなようね。」「はい、反省します。」
九郎は彼女がこんなに積極的になるとは思ってもいなかった。
甘いカップルの間では当然なのか知れないが、九郎には縁遠いことなのである。
朝食はご飯にだし巻き卵、ハタハタの丸干し、ナスのみそ汁である。
朝食を食べ終わるころ、九郎のスマホに一久から電話がかかってくる。
「九郎君、無事かい。」「はい、大丈夫です。」
「あやめが玉枝さんに張り合っていると思うんだ。喧嘩になっていないだろうね。」「はい、喧嘩はしていません。」
「ならいいけど。」「ただ、風呂と寝る時が大変です。」
「まさか一緒に風呂に入っているのか。うらやましい。」「よくありません。狭い風呂に3人ですよ。」
「九郎君は、玉枝さんが好きになってしまったんだろ。」「よくわかりますね。」
「あやめの様子を見ていれば気づくよ。」「すみません。僕は今、2人とも好きなんです。」
「困ったことになったね。玉枝さんは九郎君を受け入れてくれたのかい。」「いいえ、これまでの関係を続けたいそうです。」
「あやめは君の気持に気づいて、玉枝さんに対抗しているんだ。」「どうしたら、良いですか。」
「玉枝さんと君の関係が変わらないことを理解してもらうしかないな。」「話してみます。」
「今は逆効果だよ。」「どうしたらいいのですか。」
「とりあえず、日曜日の夕食をみんなで食べようか。」「はあ。」
長電話をする九郎をあやめが白い目で見る。
「お父さんからの電話でしょ。何企んでいるの。」「何もないよ。日曜日の夕食をみんなでしょうと話していたんだ。」
「私を家に追い返す話ではないの。」「違うよ。」
九郎は彼女と暮らせて本当は幸せなはずなのに神経をすり減らされる思いをする。
昨夜は寝付けずにいた。この状態が続くのはまずいと思う。
彼がテーブルを見ると朝食が並べてある。そして、玉枝とあやめが座って待っている。
九郎が座るとあやめが笑顔で挨拶する。
「九郎、おはよう。」「おはよう、あやめ。」
あやめは笑顔で九郎を見ている。彼な、なぜか嫌な予感がして言う。
「僕に、何かあるかな。」「何か忘れていない。」
彼は考えるが思い浮かばない。そして、首をかしげる。彼女の笑顔が固まる。玉枝が助け舟を出す。
「あやめちゃんはおはようのキスを待っているのよ。」「えっ、キス!」
あやめの眉間にしわが寄る。九郎は恐る恐る口づけをする。
あやめが九郎に言う。
「私たちもっとお互いを知らないとだめなようね。」「はい、反省します。」
九郎は彼女がこんなに積極的になるとは思ってもいなかった。
甘いカップルの間では当然なのか知れないが、九郎には縁遠いことなのである。
朝食はご飯にだし巻き卵、ハタハタの丸干し、ナスのみそ汁である。
朝食を食べ終わるころ、九郎のスマホに一久から電話がかかってくる。
「九郎君、無事かい。」「はい、大丈夫です。」
「あやめが玉枝さんに張り合っていると思うんだ。喧嘩になっていないだろうね。」「はい、喧嘩はしていません。」
「ならいいけど。」「ただ、風呂と寝る時が大変です。」
「まさか一緒に風呂に入っているのか。うらやましい。」「よくありません。狭い風呂に3人ですよ。」
「九郎君は、玉枝さんが好きになってしまったんだろ。」「よくわかりますね。」
「あやめの様子を見ていれば気づくよ。」「すみません。僕は今、2人とも好きなんです。」
「困ったことになったね。玉枝さんは九郎君を受け入れてくれたのかい。」「いいえ、これまでの関係を続けたいそうです。」
「あやめは君の気持に気づいて、玉枝さんに対抗しているんだ。」「どうしたら、良いですか。」
「玉枝さんと君の関係が変わらないことを理解してもらうしかないな。」「話してみます。」
「今は逆効果だよ。」「どうしたらいいのですか。」
「とりあえず、日曜日の夕食をみんなで食べようか。」「はあ。」
長電話をする九郎をあやめが白い目で見る。
「お父さんからの電話でしょ。何企んでいるの。」「何もないよ。日曜日の夕食をみんなでしょうと話していたんだ。」
「私を家に追い返す話ではないの。」「違うよ。」
九郎は彼女と暮らせて本当は幸せなはずなのに神経をすり減らされる思いをする。
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