同棲しているけど彼女じゃない~怨霊は恋のキューピット

ぽとりひょん

文字の大きさ
上 下
152 / 175

152話 あやめの家出

しおりを挟む
 九郎とあやめ、玉枝の3人は昼食を食べる。昼食は大学で食べるはずだった弁当である。
 あやめは食べ終わると家へ帰って行く。彼女は九郎と暮らすため荷物を取りに行ったのだ。
 彼女が出かけて1時間位すると一久から九郎のスマホに電話がある。
 「どうなっているんだ。九郎君、何とかしてくれ。」「あやめが家を出ることですか。」
 「そうだよ。どうしてこんなことになったんだ。」「すみません、僕のせいです。」
 「止めることはできないのかい。」「あやめが決めたことですから。」
 「こうなったら私もそっちに住もう。」「落ち着いてください。」
 「そっちのが楽しそうだろ。」「仕事はどうするんですか。」
一久が九郎の所へ来ると言い出して九郎は慌てる。彼は一久は欲望に忠実だと感じる。九郎は一久をなだめて思いとどまらせる。
 一久との電話が終わった頃、あやめが帰ってくる。あやめは九郎に言う。
 「夕食の食材を買いに行きましょ。」「分かった。」
玉枝は気配を小さくして見えなくなる。彼女は、九郎とあやめを2人にさせたかった。
 2人はスーパーに行く、あやめは、野菜売り場でしょうがと玉ねぎとキャベツをかごに入れ、肉売り場で豚肉のスライスをかごに入れる。
 魚売り場で九郎は店員に声をかけられる。
 「にーさん、今日はきれいなお姉さんと一緒じゃないのかい。」「今日は彼女と一緒なのです。」
 「そーかい。またよろしく言っておいてくれな。」「はい。」
あやめが九郎に聞く。
 「玉枝さん、有名なの。」「店員さんはみんな知っていると思うよ。玉枝さんは目利きがいいんだ。」
あやめは、九郎と玉枝が揃って買い物をする姿を思い描く。彼女はそんな自分にカツを入れる。玉枝に負けていられないのだ。
 2人がアパートに戻るとあやめは夕食の料理を始める。玉枝も気配を強くして見えるようになるとあやめに言う。
 「あやめちゃん、料理手伝うわ。」「生姜焼きを教えてください。」
あやめは素直に教えを乞う。玉枝の方が料理の腕は上なので彼女は張り合うことをしない。
 夕食が出来ると九郎とあやめはテーブルで向かい合って食べる。九郎が料理を食べて感想を言う。
 「おいしいよ。」「本当、玉枝さんに味付け教えてもらったの。」
 「そうなんだ。おかわりできる。」「九郎ちゃん、私のおかわりはできないわよ。」
 「九郎、それなあに。」「何でもないよ。」
 「あやめちゃん、安心して、一度も私をおかわりしたことないから。」「当然です。」
九郎は無事ご飯のおかわりをして、食べ終える。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!? 『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』 小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。 ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。 しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。 彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!? 過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。 *導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。 <表紙イラスト> 男女:わかめサロンパス様 背景:アート宇都宮様

処理中です...