140 / 175
140話 燐火の原野
しおりを挟む
陰陽師の鬼たちは、呪いの中を呪物に向かって進む。しかし、1匹、また1匹と呪いに圧殺されていく。
市松人形が動き出す。人形は呪いの中を漂いながら部室の窓へと向かって行く。
呪いが見えない人には市松人形が宙を浮いているように見えるだろう。
水鏡たちは、逃すまいと次の鬼を呪いの中に飛ばす。
呪いは窓のガラスを割りクラブ棟の外へと流れ出る。
外には九郎と玉枝と数人の人がいた。呪いが見えていない人は突然窓が割れ、ガラス片が落ちてきて驚いている。
窓の近くにいた男子が危うくガラス片に当たりそうになり叫ぶ。
「あぶねー、誰だ割った奴はー」
そして上を見る。そこに呪いが落ちてくる。男子は呪いに飲まれる。九郎が叫ぶ。
「危ない!逃げて。」
他の人たちは訳が分からず立ち尽くしている。呪いは流れ落ちてきて次の人を飲み込もうとする。
九郎は、思わずその人の手を引っ張って助けようとする。しかし、間に合わず九郎も一緒に呪いに飲み込まれる。
九郎は呪いの中で倒れる。玉枝は目を見開く、彼女はとっさのことで九郎を止めることが出来なかった。
玉枝は、燐火を巨大な炎にして呪いを焼き、九郎の元に駆け付ける。九郎は生きていたが意識が無い。
彼女は九郎を抱きしめる。彼女の口が声にならず動く「ごめんなさい」九郎をいとおし気に見つめる。
玉枝の上には巨大な呪いの塊に包まれた市松人形が浮いている。彼女は上を見上げる。
その目は、憎しみに満ちており、無言で「殺す」と告げている。
クラブ棟の外の風景が変わり始める。一面、青白い炎の野原に変わって行く。
玉枝の力が現実を侵食していく。呪いのうつろな目が玉枝を捉える。
水鏡たちは呪いがいなくなった部室に入り、窓から外を見て絶句する。
人形は、玉枝に向かって呪いを飛ばす。しかし、燐火の原野の前に一瞬で焼き尽くされる。
燐火の原野は炎の渦を作り始める。市松人形は上へ逃げようとする。
炎の渦はクラブ棟を飲み込むほどの大きさになり、市松人形を呪いごと飲み込む。
人形は炎の渦の中で焼かれて砕け、跡かたなく消える。
市松人形が動き出す。人形は呪いの中を漂いながら部室の窓へと向かって行く。
呪いが見えない人には市松人形が宙を浮いているように見えるだろう。
水鏡たちは、逃すまいと次の鬼を呪いの中に飛ばす。
呪いは窓のガラスを割りクラブ棟の外へと流れ出る。
外には九郎と玉枝と数人の人がいた。呪いが見えていない人は突然窓が割れ、ガラス片が落ちてきて驚いている。
窓の近くにいた男子が危うくガラス片に当たりそうになり叫ぶ。
「あぶねー、誰だ割った奴はー」
そして上を見る。そこに呪いが落ちてくる。男子は呪いに飲まれる。九郎が叫ぶ。
「危ない!逃げて。」
他の人たちは訳が分からず立ち尽くしている。呪いは流れ落ちてきて次の人を飲み込もうとする。
九郎は、思わずその人の手を引っ張って助けようとする。しかし、間に合わず九郎も一緒に呪いに飲み込まれる。
九郎は呪いの中で倒れる。玉枝は目を見開く、彼女はとっさのことで九郎を止めることが出来なかった。
玉枝は、燐火を巨大な炎にして呪いを焼き、九郎の元に駆け付ける。九郎は生きていたが意識が無い。
彼女は九郎を抱きしめる。彼女の口が声にならず動く「ごめんなさい」九郎をいとおし気に見つめる。
玉枝の上には巨大な呪いの塊に包まれた市松人形が浮いている。彼女は上を見上げる。
その目は、憎しみに満ちており、無言で「殺す」と告げている。
クラブ棟の外の風景が変わり始める。一面、青白い炎の野原に変わって行く。
玉枝の力が現実を侵食していく。呪いのうつろな目が玉枝を捉える。
水鏡たちは呪いがいなくなった部室に入り、窓から外を見て絶句する。
人形は、玉枝に向かって呪いを飛ばす。しかし、燐火の原野の前に一瞬で焼き尽くされる。
燐火の原野は炎の渦を作り始める。市松人形は上へ逃げようとする。
炎の渦はクラブ棟を飲み込むほどの大きさになり、市松人形を呪いごと飲み込む。
人形は炎の渦の中で焼かれて砕け、跡かたなく消える。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説


とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。
甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・
希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!?
『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』
小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。
ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。
しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。
彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!?
過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。
*導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。
<表紙イラスト>
男女:わかめサロンパス様
背景:アート宇都宮様
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる