上 下
139 / 175

139話 恐怖

しおりを挟む
 九郎がクラブ棟に着くと、クラブ棟からは霊とは違う妖のようなものが湧き出してきている。
 それを水鏡と2人の陰陽師が式の鬼を使って退治している。九郎が水鏡に声をかける。
 「これは何ですか。」「魍魎だ。元凶を断ちたいがここで防ぐだけで手いっぱいだ。手を貸してくれ。」
 「分かりました。玉枝さんお願いします。」「九郎ちゃんのお願いならお安い御用よ。」
玉枝は9つの燐火を作りだすとクラブ棟から出てくる魍魎を燐火で燃やし尽くす。
 その隙に水鏡たちはクラブ棟に突入する。クラブ棟の中は倒れた人がおり、パニック状態であった。
 水鏡たちは魍魎を退治しながら3階を目指す。
 クラブ棟の外は、玉枝が燐火で魍魎を退治して落ち着く。九郎が玉枝に言う。
 「僕たちも3階のオカルト同好会へ行こう。」「九郎ちゃんやめた方がいいわ。任せておきましょ。」
 「きっと中は大変なことになっているよ。ほっとけないよ。」「いつから首を突っ込むようになったの。らしくないわよ。」
 「でも。」「落ち着いて。」
 「分かったよ。」「ここで待ちましょ。」
九郎はいつも危ないことは避けてきた。しかし、今日は進んで渦中に入ろうとしてしまった。
 玉枝がいるから気が大きくなっていたのだろうか。彼女がいるから・・・
 水鏡たちは、3階に近づくにつれ魍魎が多くなっていることに気づく。
 そして、3階に上がると異様な気配に気づく、水鏡は、腹の底が冷たくなるのを感じる。彼は自分が恐怖を感じていることに気づく。
 陰陽師の1人が言う。
 「これを相手にするのか。」
彼の手が震えている。もう1人も険しい表情をしている。そして、覚悟を決めたように言う。
 「ここで私たちが止めないと大変なことになるぞ。」「分かっている。命がけだな。」
 3人は魍魎を退治しながらオカルト同好会の部室に向かう。
 魍魎の数が多いが3人は退治しながら着実に近づいていく。彼らはここまで来るまでにかなりの精神力を削っている。
 そして、部屋にたどり着く、すると開け放たれた扉から黒い雲かスライムのようなものが湧き出してくる。これにはうつろな目がいくつもあり3人を見る。
 3人は、とっさに九字を切る。
 「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・前・行」
湧き出したものがはじける。しかしそれは一部でしかない。部室はそれで満たされている。
 水鏡が言う。
 「これ呪いですよね。物質化していますよ。」「この中に呪物があるぞ。」
3人は、紙の札を飛ばし鬼を作りだすと呪いの中に突っ込ませる。目標は呪物である。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...