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129話 お祓いの前

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 朝、九郎が起きると玉枝が朝食を作っている。九郎は顔を洗うと「いただきます」をして朝食を食べ始める。
 ご飯にサワラの塩焼き、秋ナスのみそ汁である。九郎はおいしそうに食べる。
 彼は食べ終わると着替え始める。玉枝はネグリジェ姿から服を変える。
 彼女は朝から巫女姿になる。九郎が玉枝に言う。
 「朝から巫女姿にならなくてもいいと思うよ。」「今日はこれで行くわよ。」
九郎と玉枝が話していると玄関のインターフォンが鳴る。九郎がドアを開けるとつよしがいる。つよしは玉枝の巫女姿を見て言う。
 「玉枝さん、似合ってますよ。」「ありがとう。」
九郎はつよしの煩悩まみれの発言に首を振る。後ろからつよしに声がかかる。
 「つよし、何興奮しているの。」「みこ、玉枝さんの巫女姿だよ。」
 「見たい、わあ、玉枝さんかっこいいわ。」「似合っているかしら。」
 「はい、似合ってます。」
みこも玉枝の巫女姿にテンションが上がる。あやめは落ち着いていて九郎に挨拶する。
 「おはよう、九郎。」「あやめ、おはよう。」
4人がアパートを出ると玉枝は気配を小さくして見えなくなる。4人は歩いて大学へ行く。
 教室に入るとつよしが九郎に言う。
 「僕もお祓いを見てもいいか。」「だめだよ、危険な場合があるから見に来てはだめだよ。」
 「玉枝さんの活躍を見たいのにな。」「つよし、玉枝さんの巫女姿を見たいだけでしょ。いやらしい。」
 「九郎、玉枝さんの巫女姿を見てもやらしくないよな。」「いや、姉さんの巫女姿はエロいと思う。」
 「裏切り者ー」「姉さんは色気が強すぎるんだ。」
九郎は玉枝が何を着てもあふれる色香は隠せないと思っている。あやめも思う所があるのかうなづいている。
 4人は講義が終わるとまっすぐあやめの家に行く。久沓神明社に着くと玉枝は坂の上の鳥居まで先行しする。
 そして、気配を強くして見えるようになると九郎たち4人を迎える。5人になり、あやめが玄関の引き戸を開けると一久が出てくる。
 「玉枝さん、気合入っているね。」「任せてください。」
 「みんな、入ってくれ。お祓いがあるから早めの夕食にするよ。」「おじゃまします。」
5人が居間に行くとあやめと玉枝が夕食の手伝いをする。一久が九郎に言う。
 「夜7時に依頼人が来ることになっている。」「どんな依頼人ですか。」
 「30代の女性で視線を常に感じるそうだ。」「いつもの手順でいいですね。」
 「ああ、お願いするよ。」
夕食が終わると一久はお祓いの準備に入る。つよしが一久に申し出る。
 「お祓いを見学していいですか。」「危ないからダメだよ。」
一久はお祓いの見学を断る。
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