同棲しているけど彼女じゃない~怨霊は恋のキューピット

ぽとりひょん

文字の大きさ
上 下
125 / 175

125話 乱暴な意見

しおりを挟む
 美琴の機嫌は直らずに時間は過ぎていく。つよしはショックから立ち直っていない。
 九郎とあやめはどうしたらよいかわからない。玉枝が九郎とあやめだけに聞こえるように言う。
 「美湖ちゃんとつよしに話をさせて、2人の気持ちを確かめ合わないと進まないわよ。」「そうはいっても2人は話をできる状態じゃないよ。」
 「九郎ちゃんのアパートを2人に貸して話し合いをさせましょ。」「玉枝さん、木村君があの状態だと難しいと思います。」
 「とりあえず2人を部屋へ放り込みましょ。」「玉枝さん、乱暴だな。」
九郎はあきれるが、良い方法は思いつかない。彼はつよしに言う。
 「つらいかもしてないけど、今、みこと話しておかないと後悔するよ。」「分かっているけど、みこは話を聞いてくれるかな。」
 「話してみないとわからないよ。」「そうだけど、みこと気持ちが一緒じゃないと思うと怖いよ。」
 「このままだと別れることになりかねないよ。」「それは嫌だよ。」「なら僕の部屋を貸すから、話してみようよ。」
九郎は、強引につよし美琴と話をするように持っていく。あやめは玉枝の意見に戸惑いながら美琴に話しかける。
 「みこ、木村君と話していないけどどうするの。」「分からないわ。まだ結婚のことなんか考えられないもの。」
 「このまま、木村君と別れるの。」「嫌よ。私はつよしのこと好きだよ。」
 「だったら木村君と話さないとだめでしょ。」「でも、つよしはお父さんの考えに賛成しているのよ。」
 「それは話してみないとわからないでしょ。」「そうかな。」
あやめは美琴がつよしと話をするようにやんわりと誘導する。
 そして、今日の講義が会わると九郎たち4人は一緒に大学を出る。
 4人は九郎のアパートに歩いて向かっているが、美琴とつよしは一言も話さない。
 アパートに着くと九郎がつよしと美琴に言う。
 「ここで心ゆくまで話し合ってくれ。」「待て、九郎たちはどこに行くんだ。」
 「僕とあやめは、あやめの家に行くから話終わったら来てくれ。」
九郎はつよしにアパートのカギを渡しながら言う。
 つよしと美琴は黙って見つめ合う。九郎とあやめはアパートを出て行く。
 2人がアパート方出ると玉枝が気配を強くして見えるようになり、2人に言う。
 「お疲れ様、あとはなるようになるわよ。」「玉枝さん、私は心配です。」「きっと大丈夫よ。」
あやめの心配をよそに玉枝は平然としている。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】見返りは、当然求めますわ

楽歩
恋愛
王太子クリストファーが突然告げた言葉に、緊張が走る王太子の私室。 伝統に従い、10歳の頃から正妃候補として選ばれたエルミーヌとシャルロットは、互いに成長を支え合いながらも、その座を争ってきた。しかし、正妃が正式に決定される半年を前に、二人の努力が無視されるかのようなその言葉に、驚きと戸惑いが広がる。 ※誤字脱字、勉強不足、名前間違い、ご都合主義などなど、どうか温かい目で(o_ _)o))

AV研は今日もハレンチ

楠富 つかさ
キャラ文芸
あなたが好きなAVはAudioVisual? それともAdultVideo? AV研はオーディオヴィジュアル研究会の略称で、音楽や動画などメディア媒体の歴史を研究する集まり……というのは建前で、実はとんでもないものを研究していて―― 薄暗い過去をちょっとショッキングなピンクで塗りつぶしていくネジの足りない群像劇、ここに開演!!

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

社宅

ジョン・グレイディー
ホラー
 寂れた社宅  3連列の棟に形成された大規模な敷地  両脇の2連の棟は廃墟となり、窓ガラスには板が打ち付けられ、黒いビニールシートで覆われている。  ある家族がこの社宅の5号棟に引っ越して来た。  初めての経験  初めての恐怖  どこまでも続く憎しみ  怨霊に満ちた呪縛  ほぼ実話に基づく心霊現象を描くホラー小説

処理中です...