同棲しているけど彼女じゃない~怨霊は恋のキューピット

ぽとりひょん

文字の大きさ
上 下
111 / 175

111話 誕生日会の始まり

しおりを挟む
 美琴の父の誕生日会は準備が進んでいる。父へのプレゼントはみんなでお金を出し合って財布を買う。
 プレゼントを渡す役は、つよしに任される。つよしは今から緊張をしている。
 誕生日会に玉枝が参加してくれることで、美琴とつよしは元気を取り戻してきている。
 2人には玉枝が力強い援軍に思えるのだろう。九郎とあやめは玉枝が美琴の父親を酔いつぶすのではないかと思っている。
 22日の午前10時、九郎のアパートのインターフォンが鳴る。
 九郎がドアを開けるとつよしが立っている。つよしは玉枝に頭を下げて言う。
 「今日は、よろしくお願いします。」「分かったけど、木村君がしっかりしないとだめよ。」「はい。」
玉枝は、桜色のブラウスに黒のフレアスカートである。九郎たちはアパートを出ると久沓神明社へ向かう。
 あやめの家に着くと九郎はインターフォンを押す。玄関の引き戸が開き、一久が顔を出す。
 「君たちいらっしゃい。今日は誕生日会だそうだね。ちなみに私の誕生日は・・・」
一久が言い終わらないうちに玄関の中に引き込まれる。あやめが出てきて言う。
 「さあ、行きましょ。」「いいのか。お父さん玄関で倒れているぞ。」
慣れていないつよしが言う。九郎がつよしの肩をたたいて言う。
 「気にしたら負けだぞ。」
4人は歩いてバス停に行き、バスに乗る。つよしが九郎に言う。
 「緊張してきた。」「今日はみこのお父さんと話が出来ればいいのだから落ち着いて行こう。」
 「そうだよな。話をするだけだよな。」「木村君、みこと別れたくないんでしょ。」
 「当たり前だよ。」「なら、しっかりして。」
あやめがつよしにカツを入れる。
 4人は美琴の家に近いバス停に着き、バスから降りる。
 彼らは歩いて美琴の家に着く。あかねがインターフォンを押す。すると美琴が玄関のドアを開ける。
 九郎たちは、玄関を上がり、居間に通される。居間には美琴の両親がいる。
 美琴は九郎とあかね、玉枝を両親に紹介する。美琴の父はつよしの姿を見て機嫌を悪くして言う。
 「なぜ君がいるんだね。」「僕は美琴さんと付き合っていますから。」
 「付き合いを認めていないぞ。」「まあ、祝いの席ですから、言い争いはなしにしましょう。」
玉枝が仲裁に入る。そして、九郎が音頭を取る。
 「美琴さんのお父さんと美琴さんの誕生日を祝して乾杯。」「乾杯。」
つよしが父にプレゼントを渡す。
 「みんなで選んで用意しました。おめでとうございます。」
美琴の父はみんなのプレゼントなので受け取らないわけにはいかない。
 「ありがとう。うれしいよ。」
顔は全く笑っていない。こうして美琴の父の誕生日会は始まる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後悔はなんだった?

木嶋うめ香
恋愛
目が覚めたら私は、妙な懐かしさを感じる部屋にいた。 「お嬢様、目を覚まされたのですねっ!」 怠い体を起こそうとしたのに力が上手く入らない。 何とか顔を動かそうとした瞬間、大きな声が部屋に響いた。 お嬢様? 私がそう呼ばれていたのは、遥か昔の筈。 結婚前、スフィール侯爵令嬢と呼ばれていた頃だ。 私はスフィール侯爵の長女として生まれ、亡くなった兄の代わりに婿をとりスフィール侯爵夫人となった。 その筈なのにどうしてあなたは私をお嬢様と呼ぶの? 疑問に感じながら、声の主を見ればそれは記憶よりもだいぶ若い侍女だった。 主人公三歳から始まりますので、恋愛話になるまで少し時間があります。

転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。  しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。  冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!  わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?  それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

私は側妃なんかにはなりません!どうか王女様とお幸せに

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のキャリーヌは、婚約者で王太子のジェイデンから、婚約を解消して欲しいと告げられた。聞けば視察で来ていたディステル王国の王女、ラミアを好きになり、彼女と結婚したいとの事。 ラミアは非常に美しく、お色気むんむんの女性。ジェイデンが彼女の美しさの虜になっている事を薄々気が付いていたキャリーヌは、素直に婚約解消に応じた。 しかし、ジェイデンの要求はそれだけでは終わらなかったのだ。なんとキャリーヌに、自分の側妃になれと言い出したのだ。そもそも側妃は非常に問題のある制度だったことから、随分昔に廃止されていた。 もちろん、キャリーヌは側妃を拒否したのだが… そんなキャリーヌをジェイデンは権力を使い、地下牢に閉じ込めてしまう。薄暗い地下牢で、食べ物すら与えられないキャリーヌ。 “側妃になるくらいなら、この場で息絶えた方がマシだ” 死を覚悟したキャリーヌだったが、なぜか地下牢から出され、そのまま家族が見守る中馬車に乗せられた。 向かった先は、実の姉の嫁ぎ先、大国カリアン王国だった。 深い傷を負ったキャリーヌを、カリアン王国で待っていたのは… ※恋愛要素よりも、友情要素が強く出てしまった作品です。 他サイトでも同時投稿しています。 どうぞよろしくお願いしますm(__)m

御曹司の執着愛

文野多咲
恋愛
甘い一夜を過ごした相手は、私の店も家も奪おうとしてきた不動産デベロッパーの御曹司だった。 ――このまま俺から逃げられると思うな。 御曹司の執着愛。  

処理中です...