同棲しているけど彼女じゃない~怨霊は恋のキューピット

ぽとりひょん

文字の大きさ
上 下
106 / 175

106話 誕生日会の計画

しおりを挟む
 九郎が目を覚ますと玉枝が朝食を作っている。彼女は料理をテーブルに並べる。
 フレンチトーストにメイプルシロップをかけたものにオムレツとトマトとチーズのサラダである。
 九郎は「いただきます」をして食べ始める。玉枝が彼に言う。
 「九郎ちゃん、みこちゃんのお父さんと飲み会をするつもり。」「何とかきっかけが欲しいけどね。」
 「無理してはだめよ。」「分かっているよ。」
彼は食べ終わると着替え始める。彼女もネグリジェ姿から服を変える。
 白いゆったりとしたブラウスに紺のスカートである。
 しばらくするとあやめが迎えに来る。九郎とあやめは大学へ向かう。玉枝は気配を小さくして見えなくなる。
 九郎はあやめに言う。
 「みこのお父さんと飲んでみたらと思うんだけど。」「飲むってお酒?」
 「そうだよ。」「みんなで飲むの。」
 「みんなでだ。」「そんなことして話できるかしら。」
 「昨日、玉枝さんと話をした。」「それで、お酒の席を設けるの。」
 「試してみようと思っているよ。」「分かった。協力するわ。」
2人が大学に入るとつよしが歩いているのに気づく。
 「おはよう、つよし。」「九郎、おはよう。」
3人は、一緒に教室に入る。しばらくすると美琴が教室に来る。あやめが美琴に話しかける。
 「おはよう、みこ。」「おはよう。」
 「質問があるんだけど、みこの誕生日はいつ?」「8月10日よ。」
 「もう過ぎていたか。」「誕生日会をしたときにつよしを誘ってお父さんに紹介したのよ。」
4人に気まずい雰囲気が流れる。九郎が美琴に聞く。
 「みこの家で近いうちに何かイベントはないかな。」「お父さんの誕生日が近いけど。」
 「いつかな。」「9月22日よ。聞いてどうするの。」
 「お酒の席を設けて話をしようと思っているんだ。」「お父さんの誕生日会をするの。」
 「そうだよ。」「・・・」
美琴は考え込む。つよしが九郎に言う。
 「あのお父さんが誕生日会に参加することを認めるわけないよ。」「俺たちも参加するよ。」
 「みこの友達というわけか。」「お父さんも祝いに来ているのだからむげにはできないと思うよ。」
 「そうかー」
つよしも考え込む。美琴が言う。
 「お父さんに話してみるわ。」「友達がお祝いしたいと言っていたということで頼むよ。」
 「でも、理由はどうしよう。」「みこの誕生日も兼ねていることにすればいいよ。」
 「うん、わかったわ。」
つよしと美琴は少し元気を取り戻す。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!? 『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』 小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。 ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。 しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。 彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!? 過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。 *導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。 <表紙イラスト> 男女:わかめサロンパス様 背景:アート宇都宮様

処理中です...