上 下
99 / 175

99話 あやめを誘う

しおりを挟む
 朝、九郎が目覚めると玉枝が彼を抱き枕にしている。玉枝が玉藻前とわかっても九郎の生活は変わらない。
 九郎は起きようとしてもがく。玉枝が目を開けて言う。
 「私としたいなら言えばいいのに。」「僕は起きたいだけです。」
 「それならごそごそしなくて起きればいいでしょ。」「玉枝さんが抱き着いて起きられなかったのですよ。」
 「キスすれば離してあげるわよ。」「しません。」
九郎は玉枝と30分位問答して起きる。玉枝は起きると朝食を作り始める。九郎は、スマホで調べものを始める。
 玉枝は朝食をテーブルに並べる。はちみつをたっぷり塗ったパンにオムレツである。
 九郎は「いただきます」をして食べ始める。彼は玉枝の料理を褒める。
 「玉枝さんのオムレツは、いつもおいしいよ。」「私もおいしいかもしれませんよ。」
 「玉枝さんを味見するつもりはありません。」「もう少し、私に溺れても良いと思うわよ。」
九郎は聞かなかったことにする。玉枝は残念そうに朝食の片づけをする。
 彼は下着のまま、スマホを操作し始める。今日は出かける予定がないので着替えない。玉枝もネグリジェ姿のままだ。
 玉枝が九郎に聞く。
 「九郎ちゃんがスマホをずうっと触っているの珍しいわね。」「調べものしているんだ。」
 「何を調べているの。」「夏祭りだよ。この前は邪魔されたから、どこかに花火を見れる夏祭りがないかと思っているんだ。」
 「あやめちゃんと思い出を作りたいのね。」「そうだよ。」
 「そろそろ隣町で夏祭りがあるはずだけど。」「ありがとう。調べてみるよ。」
町の名前で検索すると玉枝の言う通り、3日後に夏祭りが開催されることが判る。花火もあるので九郎の希望に叶う祭りである。
 九郎は早速、あやめに電話する。
 「あやめ、おはよう。」「おはよう、九郎。どうしたの。」
 「3日後に隣町で夏祭りがあるけど一緒にどうかな。」「誘ってくれるの。」
 「うん、2人で行きたいと思っている。」「うれしい。楽しみにしているわ。」
 「午後4時に迎えに行くよ。」「待っているわ。」
九郎はあやめと祭りに行く約束を取り付ける。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...