同棲しているけど彼女じゃない~怨霊は恋のキューピット

ぽとりひょん

文字の大きさ
上 下
96 / 175

96話 鬼の復活

しおりを挟む
 九郎と玉枝、一久は、五郎丸たちを封印してある塚へ行く。蛇抜は蛇神との連絡役のために月ヶ瀬に残る。
 塚に着くと一久は蛇抜にスマホで連絡する。
 「今、塚の前に到着しました。」「分かりました。蛇神様に封印を解いてもらいます。」
蛇神が五郎丸の封印を解くと瘴気が強くなる。そして瘴気は塚へ吸収されていく。
 九郎は塚の中に異形の気配を感じ取って言う。
 「塚から出てきますよ。」「九郎君、判るのかい。」
玉枝の気配が大きくなる。彼女は自分の周りに燐火を9つ作り出す。燐火はいつものよりはるかに大きい。
 塚が崩れる。そして、地中で何かがうごめくように土が盛り上がる。さらに何本もの腕が地中から出てくる。
 腕は人間の者より大きく鋭い爪があり、こぶだらけである。鬼が姿を現す。全部で7匹いる。
 その中にひときわ大きい鬼がいる。これが五郎丸らしい。玉枝は問答無用で燐火を鬼に向かって飛ばす。
 7匹の鬼は燐火に包まれる。玉枝が九郎と一久に言う。
 「危ないから後ろに下がって。」「はい。」
鬼は呼吸ができないのかもがいているが消滅するものはいない。五郎丸が吠える。
 「玉藻前、我を滅ぼそうとするか、返り討ちにしてやる。」
鬼たちが燐火に包まれながら玉枝に向かっていく。玉枝が両手をかざすと。鬼が吹き飛ぶ。玉枝は次々と鬼を吹き飛ばしていく。
 鬼は燐火に包まれながら玉枝に突撃を繰り返す。その中で玉枝に向かわず、九郎たちに向かう鬼がいる。
 玉枝は気づくと顔色が変わる。気づいた時には九郎たちの間近に迫っていたのである。
 一久が前に出て九郎をかばう。鬼は燐火に包まれながら右腕を振り上げる。
 一久は死を覚悟する。しかし、鬼の爪が届くことはない。新たな鬼が2匹現れ、九郎たちを襲った鬼と戦っている。
 九郎は2匹の鬼に見覚えがある。九郎が辺りを見回すと水鏡が肩で息をして立っている。九郎は水鏡に言う。
 「どうして助けてくれたんだ。」「間に合いましたね。人間を助けるのは当然でしょう。」
 「ありがとうございます。」「水鏡さん、助かりました。ありがとうございます。」
 「もっと離れたほうがよさそうですよ。」
3人は、その場からさらに下がる。玉枝は戦いながら九郎たちが無事なのを確認してホッとする。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!? 『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』 小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。 ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。 しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。 彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!? 過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。 *導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。 <表紙イラスト> 男女:わかめサロンパス様 背景:アート宇都宮様

処理中です...